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5000兆円さえあれば!…お金にまつわる歌5選

ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲 (okmusic UP's)

「ひもじさと寒さと恋を比ぶれば恥ずかしながらひもじさが先」という狂歌がありますけれど、「どういう人がライターに向いていますか?」と質問された時は「金持ちのドM」と答えるようにしています。“原稿料”って、なんだか素敵な響きじゃない? でもねえ、実際そうでもないの。時給換算したら200円切るとかザラなの。ですので、実家に住んでいる、配偶者も働いている、副業もやっている等金銭的に余裕のある人、そしてヤフコメや SNSでボロクソに叩かれてもすぐ立ち直れる人でないとオススメしません。あぁ、5000兆円でこの国を買いたい。
1. 「Material Girl」(’84)/マドンナ

30年以上にわたってクイーン・オブ・ポップとして君臨し続けるマドンナの愛称にもなった7thシングル。MVで楽曲の訴求力が視覚にも作用し、デジタルシンセサイザーの普及によってジャンルも多様化した80年代に思い馳せたところで所詮は学習による後追いですが、リアルタイムで味わっていないからこそイメージが膨張する余地も残されているというロマンもあるわけで。意図的なあどけなさが垣間見えるマドンナのキュートで毒っぽい歌声、ピンと張ったグッドチープなシンセを振りまかれたバンドの骨太なポップネス、間奏の無機質なコーラスと小悪魔的なシャウトのアンバランスな掛け合い。どれほどひもじくても、手の届かないグラマラスさとゴージャスさにポケットサイズの虚ろな憧憬を抱く贅沢くらいは許されたいものです。

https://www.youtube.com/watch?v=DNSUOFgj97M2. 「Money Honey」(’08)/レディー・ガガ

ポップアイコンの顔ぶれも1年ごとに更新される目まぐるしい昨今ですが、まだEDMが日本にさほど浸透していなかった時代にガガの『The Fame』が世に放たれた時の衝撃は今も忘れられません。悪趣味さをも取り入れたビジュアルと楽曲ごとに転換するキャラクターのインパクト、パッションとエレガントさがほとばしるパフォーマンスのアンビバレンスに、クラブからフェスまであらゆるフロアが沸き立ったものです。ダウナーなミドルテンポのシンセサイザーの重低音のループフレーズが淡々と繰り出されるトラックが彼女の歌唱力の凄まじさを際立たせるこの曲、前述の「Material Girl」が“金持ちの男に物欲を満たされたい”という内容であるのに対して、“マネーが私の恋人”と繰り返しながらも“男性”が不在の歌詞であるところが興味深いです。
3. 「MONEY」(’74)/ピンク・フロイド

プログレというジャンルはそら恐ろしいので、このコラムでは触れるまいと決めたのですが、テーマがテーマなので無視するわけにもいかず。レトロなレジスターの操作音が惜しげもなくサンプリングされた奇抜さや遠くで響くデヴィッド・ギルモアの咆哮のような歌は、弛緩したギターのカッティングと気だるいベースに順化してグダグダと輪郭を失い、まるで“金こそ諸悪の根源”と綴りながらも金の力に争うことなく従順な人間の性を笑っているかのようです。MVも延々7拍子のテンポに合わせて脈絡のない場面がコラージュされていくのですが、サックスの悲鳴が切り裂くのを合図に土石流のような4拍子のハードロックなクライマックスが唐突に待ち受けているので、なかなか油断できません。

https://youtu.be/-0kcet4aPpQ4. 「ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺」(’01)/SPANK HAPPY

この曲が収録されているマキシシングル「インターナショナル・クライン・ブルー」をヘビロテしていた15年ほど前は、《この退屈な国にはもうお金がないわ 街が絶滅しそうね》というフレーズがこんなにもリアリティーでパンパンに膨らんで心臓を潰しそうになる未来が訪れるとは思いませんでした。岩澤瞳の無自覚的なドーリー感と着地点のない菊地成孔のふわふわしたヴォーカルが、質感のないダンスに合わせて“なんとなく”心中するような力の抜け具合がなんとも美しく、先鋭的なエレクトロサウンドと場末のスナック感漂う歌謡曲を匂わせる猥雑な歌詞が生み出す孤高の影とのギャップに身悶えたものです。実際のところ、“お金にまつわる”というよりは“贅沢さや無駄なものが賞賛される豊かさ”といった方が正しいと思うのですが、《資本主義はきっと恋愛よりも難しいのね》を超える名フレーズはそうそうないと思うので。
5. 「Let’s get the money」(’16)/せのしすたぁ

ここまで直接的な意味でも比喩的な暗示としても“お金”がキーワードとなる4曲を紹介してきましたが、最後に福井県が輩出したパーティーモンスター、せのしすたぁの曲でお別れしましょう。誰も彼もがヨコノリし始める超王道のコード進行から生み出されるシンプルなキラキラ80年代ポップスに合わせて、初っ端から《今日もはるばるやってきて経費ずいぶんかかったな》という愚痴からスタート。《金持ちはほら使え使え》という脅迫にも似た切願が繰り出されるサビに到達します。要は“このあと、物販でたくさんお金を費やしてください”という歌なのですが、大半のローカルアイドル、地下アイドルが直面している現実と悲哀をミドルテンポのダンスチューンに昇華させた辣腕にはただただ拍手を送るほかありません。
TEXT:町田ノイズ

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