青春真っただ中と言うよりもむしろ、いつか終わってしまう青春を惜しむ気持ちを、青く切ないメロディーに乗せたギターロックが歓迎され、人気上昇中の3人組、サイダーガールがメジャーデビューを記念してワンマン公演を開催した。彼らが会場に選んだのは3年前の同じ日、初ライヴを行なった下北沢Club251。チケットは発売日に即完。改めてバンドの勢いを印象付けた。
Yurin(Vo&Gu)が歌う切ないメロディー。そこにもうひとつのメロディーを重ねる知(Gu)のリードギター。そして、演奏をリードするうねるようなフジムラ(Ba)のベース…サイダーガールの魅力が凝縮された「群青」でライヴはスタート。そこから1時間半、アンコールを含め、バンドは全13曲を、熱演に手拍子で応えるファンと分かち合った。特別な日にしたいと考えた彼らはこの日、普段はあまりやらない曲を多めに選曲。中でもジャジーな魅力もあるアコースティックタッチで披露したアンコールの「寝ぐせ」は、本編最後に演奏したメジャーデビューシングル「エバーグリーン」とともにこの日のハイライトだったと言える。
また、ラストスパートをかける直前には、初ライヴのダイジェスト映像を上映するというサプライズも飛び出した。その日から3年、こうしてメジャーデビューを迎えられたのは、“みんなのおかげです”(Yurin)と感謝を述べながら、“でも、通過点にすぎない。いい曲を作っていこうという気持ちは変わらないけど、もっとたくさんの人に聴いてほしい。大きなところに行こうと思っています。ついてきてもらえますか?”(Yurin)とファンの立ち合いのもと、メジャーデビューに相応しい新たな決意を語ったのだった。
撮影:結城さやか/取材:山口智男
セットリスト
1. 群青
2. オーバードライブ
3. 光って
4. 茜色
5. アジサイ
6. 橙の行方
7. 空にこぼれる
8. アイヴィー
9. くじらの街
10. ドラマチック
11. エバーグリーン
<ENCORE>
1. 寝癖
2. NO.2
サイダーガール
サイダーガール:シュワシュワとはじける炭酸の泡は爽快感、その泡はあっという間に消えてなくなってしまう儚さ。そしてどんな色にも自在に変化していく。そんな“炭酸系サウンド”を目指して2014年5月、動画サイトを中心に活動していたボーカロイドを使用して音楽活動をしていた知、フジムラで結成。同年7月26日に下北沢CLUB251にて行なった初ライヴのチケットは即日完売した。その3年後、17年7月26日にシングル「エバーグリーン」でメジャーデビューを果たす。