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70’s 黒人アーティストの極めつけディスコヒット5曲

70’s 黒人アーティストの極めつけディスコヒット5曲 (okmusic UP's)

今回は、70年代のディスコで大人気を博した、さまざまな黒人アーティストを紹介してみよう。その第1回目。

多くの黒人アーティストがディスコに特化した70年代
70年代の中期、アメリカではディスコがブームとなって、ディスコ音楽(要するにダンスのために特化した音楽)を演奏するグループが増えた。その多くが、60年代から活動するソウルグループやファンクグループであったのだが、彼らはダンスホールと呼ばれていた頃(要するに、まだディスコがない時代)からダンスミュージックを演奏していただけに、ディスコという新たな分野でも即戦力となった。

71年にスタートしたアメリカのテレビ番組『ソウル・トレイン』が、70‘sディスコのイメージを作り、徐々にディスコの形態が整っていくことになる。この番組は多くの国で放映され、ダンスが苦手な日本人にも受け入れられるところとなって、ダンス好きの若者が増えていった。
日本人がディスコ音楽として最初期に認知したのはヴァン・マッコイの「ハッスル」(‘75)ではないかと思う。この曲が収録されたアルバムのタイトルが“ディスコ・ベイビー”であったし、何よりダンス以外にこの曲の使い道が考えられなかったのである。ヴァン・マッコイより先に、バリー・ホワイトの「愛のテーマ」(’73)がリリースされてはいたが、この曲はダンス用というよりはイージーリスニング音楽だと捉えていた人が圧倒的に多かった。73年の時点では、多くの日本人がまだディスコのイメージを掴めてはいなかったからであるが、実際には「愛のテーマ」もディスコ用に作られた最初期の曲なのである。

「ハッスル」が大ヒットしてからは、多くの黒人アーティスト(ファンクバンドもコーラスグループも)がディスコ音楽に転向し、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(‘77)の世界的大ヒットによって、あっと言う間にディスコ音楽が一世を風靡することになる。

それでは、黒人アーティストによる極めつけのディスコヒットを5曲セレクトしてみよう!

1.「The Bump」(‘74)/The Commodores
モータウンレコードでジャクソン5の前座を務めていたコモドアーズは、ライオネル・リッチーが在籍していたことで知られるが、結成当初はゴリゴリのファンクグループであった。このナンバーは彼らの名前を広めた「マシンガン」を含むデビューアルバム『マシンガン』(‘74)に収録され、文字通りディスコ向けのサウンドとなっている。バンプはダンスの一形式で「お尻とお尻をぶつける」というもの。70年代の日本ではディスコ好きでなくともよく知られた言葉だった。ライオネル・リッチーが主導権を取ってからはバラードが中心となるコモドアーズだが、もっとも輝いていたのは初期のファンク時代だろう。ここの曲でも硬派のファンクサウンドでグイグイ押しまくっている。

2.「Fire」(‘74)/Ohio Players
50年代から活動するオハイオ・プレイヤーズは、70年代中期にファンクバンドとして絶頂期を迎える。74年〜78年のマーキュリーレコード在籍時にリリースされたアルバムはどれも傑作で、今でも愛聴するファンクファンは多い。「ファイアー」は、アルバム、シングルともに全米チャート1位を獲得(ダンスチャートでは10位)している。70年代中期のディスコではオンエアされることが多かった定番曲のひとつである。他にも「Skin Tight」「Love Rollercoaster」「Sweet Sticky Thing」など、ディスコで人気のあった曲は少なくない。「Fire」にはダンスで盛り上がる数々の仕掛けが施されていて、彼らのもっとも有名な代表曲となった。

3.「The Hustle」(‘75)/Van McCoy
75年リリースのアルバム『ディスコ・ベイビー』に収録された大ヒットナンバー。アメリカだけでなくイギリスや日本でも1位を獲得し、その後のディスコブームに大きく貢献した。ハッスルはバンプと並ぶダンススタイルで、70年代中期に大流行した。彼はディスコ絶頂期の79年に39歳で急死するが、その音楽スタイルはアバをはじめ、以降のディスコサウンドに大きな影響を与えている。この曲のバックを務めるのはフュージョンブームの立役者となったグループ、スタッフのメンバーを中心としたセッションミュージシャンたち。メンバーには白人も混じっているので、ここで取り上げるのは反則かもしれないが、ディスコの代表曲という意味では、絶対にこの曲は外すわけにはいかないので、悪しからず。

4.「Love’s Theme」(‘73)/Barry White
最初期のディスコ向け音楽。ヴァン・マッコイの「ハッスル」は、この曲のスタイルを踏襲しており、ディスコで受けるサウンドを作り上げたという意味では、バリー・ホワイトが先駆者であったと思う。ただ、1〜2年の違いではあるがこの曲の登場は早過ぎたゆえ、ディスコサウンドというよりはイージーリスニングとして取り上げられることが多かった。この時点でビルボードのダンスチャートがまだ登場していないこと(チャートは74年の10月にスタート)からも、一般のリスナーにとってこの曲がダンス向けなのか単にイージーリスニング音楽なのか難しい選択であったことが分かる。「愛のテーマ」がディスコ用の曲であることが決定的になったのは、やはりヴァン・マッコイの「ハッスル」がヒットしてからであろう。

5.「Peace Pipe」(’75)/B.T. Express
74年にデビューしたファンクグループで、デビュー作『Do It(’Til You’re Satisfied)』に収録されたタイトルトラックと「Express」の2曲が全米R&Bチャートで1位を獲得、できたばかりのダンスチャートでも「Express」は5週連続1位となり大いに注目された。最初期にあたる日本のディスコでは、翌年リリースの2ndアルバム『ノン・ストップ』に収録された「Peace Pipe」が大ヒットした(全米ダンスチャートでは3位)。バリー・ホワイト風のストリングスあり、硬質なファンクあり、ノリよくシャウトする女性ヴォーカルあり、歌なしのインスト部分も結構ありといった盛りだくさんの内容で、当時のディスコ向け音楽の美味しいところを1曲の中にギュッと詰め込んだサウンドとなっている。今となっては忘れられがちだが再評価したいグループのひとつだ。

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