映画『オアシス:スーパーソニック』公開記念トークイベントにアジカン喜多建介が登場「“リヴ・フォーエヴァー”はアジカンが結成された時の初めての課題曲」

2016年12月21日 / 11:37

 12月24日に公開となる、リアム&ノエル・ギャラガーが製作総指揮を務めたオアシス初の長編ドキュメンタリー映画『オアシス:スーパーソニック』。その公開を記念して、12月19日、オアシスの大ファンであるというASIAN KUNG-FU GENERATIONの喜多建介(Gt/Vo)と、元ロッキング・オン編集長で、同作の日本語字幕監修を手掛けた粉川しのによるトークイベントが開催された。

 デビューから25万人を動員した伝説のネブワース・ライヴまで、オアシスが最も輝いていた3年間を描いた映画を体感したばかりの来場者の前で、それぞれの“オアシス”について、熱いトークを繰り広げた。喜多は開口一番、アジカンの中で「僕が一番(オアシスに)熱かった」と笑顔で登場。「オアシスが好きで色んな映像を見ているけれど、初めて見る映像がたっぷりで、新鮮な作品だった」という。粉川は「初めての字幕監修だったが、ファクトチェックではなく、兄弟のキャラを確認することに終始した」と作業について話した。ファンに定着しているリアムとノエルのイメージを損なわない字幕作りに苦労した様子。「日本のファンが、当時グラスゴーまで行って撮影した映像を、YouTubeで監督が見つけて、それがこの映画で使用されているんです」と、日本からの映像も使われているエピソードを紹介した。

 喜多は本編について、「最初の3年が本当に凄かったですね。オアシスの最初の昇り坂ってものすごい急な感じがします」と、瞬く間にスターダムにのし上がったバンドの軌跡に感嘆。「95年にリキッドルームで2度目の来日をした時、本国では数万人規模のライヴをやっていました。1回目と2回目の来日時は数百人規模のライヴで、日本とはだいぶギャップがあった時代です」という粉川は、「インターネットがまだない時代、“とんでもない”最後の世代がオアシスなのかもしれません。例えば60年代レッド・ツェッペリンの時代だと、そういうとんでもない事をする人達がロックスターだ、という価値観がありました。今、もうそんなのないですよね。ロックスターじゃないジャスティン・ビーバーの方が全然やんちゃだし」とコメント。

 粉川はお気に入りのシーンとして、「ウェールズでの“モーニング・グローリー”のレコーディング風景。“シャンペン・スーパーノヴァ”のリアムのヴォーカル入れって、歴史的に観る価値のある映像だと思います。こうやって歴史は刻まれたのか、という貴重なシーン」と語ると、喜多は「ネブワースの2日間25万人のライヴはちゃんとした映像が出ていなかったから、ウチのゴッチ(後藤正文)たちと一緒に新宿にブートレグを探しに行って、VHSの汚い映像をゴッチの家で目を凝らしながら観た記憶があります」と語った。

 喜多は「シャンペン・スーパーノヴァ」がお気に入りの曲で、「映画でもネブワースの最後に歌われていましたが、リアムはもうこんな綺麗な声出ないのではと思うくらい良い録音がされている、とにかく大好きな曲」だという。そしてもう一つ迷った曲が「リヴ・フォーエヴァー」とのこと。「実はこの曲はアジカンが結成された時の初めての課題曲だったんです。みんな下手だったのでこの曲を練習して、スタジオで初めて合わせたという思い出があります」と、アジカンの秘められたエピソードを披露。粉川は、「昔、オアシスの“リヴ・フォーエヴァー”というタイトルが付けられた、ブリットポップのドキュメンタリー映画があったんですよ。それが今回すごく面白いのが、本作ではブリットポップの“ブ”の字も出て来なければ、ブラーの“ブ”の字も出て来ない。そういう時代背景みたいなものを敢えて一切描いていないんです。時代に惑わされないオアシスの普遍性を抽出して描こうとした」と応じ、「好きな曲は“シガレッツ&アルコール”。歌詞カードを見てぶっ飛んだ覚えがあります。最初のところ、“imagination”を“イマジネシオン”って歌ってるんですよね。“some action”を“サム・アクシオン”。あの歌い方が、ピストルズの“勝手にしやがれ”みたいで、この人たちパンクでもあるんだなって思ったんです。“モーニング・グローリー”の時代になるとノエルもソングライターとして洗練されてきて、あれは本当にマスターピース・完璧な名盤だと思うのですが、まだもう少し荒っぽくて勢いで行けちゃったマジカルがある」と、オアシスの魅力を語った。

 最後に、オアシスと本作の魅力について「メロディメイカーとしてのノエルは凄い。ノエルは、“自分は曲を書いただけ、何百万人もの歌ってくれる人たちが最高の曲にしてくれたんだ”と映画の中で言っていました。その言葉が心に響きましたね。ノエルがファンを大事にしている発言が見られたのは嬉しかった」と話す喜多。粉川が、「公営住宅で育った人たちが、素晴らしいギターと素晴らしい歌でのしがっていく。あんな悪ガキがなぜか“トーク・トゥナイト”とか“リヴ・フォーエヴァー”みたいに、繊細で美しく人の心を突く曲を書けてしまう。彼ら自身のリアルをロックンロールに乗せて皆に見せてくれているような感じ。オアシスの良さって、この曲のこのサウンド感が…みたいな事では語れない」と結んだ。

◎作品情報
『オアシス:スーパーソニック』
監督:マット・ホワイトクロス
製作:フィオナ・ニールソン、ジェームズ・ゲイ=リース、サイモン・ハーフォン
製作総指揮:リアム・ギャラガー、ノエル・ギャラガー、アシフ・カパディア
編集:ポール・モナハン
音楽:ラエル・ジョーンズ
再レコーディングミキサー:リチャード・ディヴィ
VFX&アニメ―ション:ザ・ブルワリー
VFX&アニメ―ションスーパーバイザー:マーク・ナップトン
ミュージックスーパーバイザー:イアン・クック、イアン・ニール
2016年/イギリス/英語/カラー/122分
日本語字幕:石田泰子
監修:鈴木あかね、粉川しの
配給:KADOKAWA
(C)Jill Furmanovksy


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