さくらしめじ、中学最後の単独ライブで新曲披露&ワンマン公演をサプライズ発表

2016年10月10日 / 17:00

10月9日@神奈川・よこすか芸術劇場 (okmusic UP's)

さくらしめじが10月9日、神奈川・よこすか芸術劇場にて3度目となるワンマンライブ『おたまじゃくしの宴』を行なった。

来春に中学を卒業する2人とっては、今回が中学生最後の単独公演になるため、想いも気合いも今までとはひと味違う。朝、家を出たときの私服が偶然にもカーキ色のシャツに黒のパンツという、2人してちょっと信じがたいシンクロをしたり、普段はあまり緊張しない髙田彪我が「なんだか緊張してる……」と、スタッフが驚くことを言ったり、本番直前のリハーサル前から緊張するのが常の田中雅功が「実は一昨日からすでに緊張が始まってるんです」と漏らしてみたり。楽屋内で大声で笑うし、廊下を走り回ったりするし、元気いっぱいで無邪気なところは変わらないが、今日の2人の顔つきは良い緊張感と、「絶対に楽しむ・楽しませる!」という覚悟が混じって、とても頼もしい。さぁ、『おたまじゃくしの宴』も、いよいよ開宴だ!

オープニング映像を背に、おなじみ田中雅功は茶色のエピフォンを、髙田彪我は青のヤイリギターを携え、さくらしめじはステージ・センターへ。2人で美しいアルペジオを奏でると、「ワン・ツー・スリー・フォー!!」というカウントと同時に勢いよくバッキング! 1曲目は、さくらしめじの1stシングル「いくじなし」だ。今日はフルバンドが味方。1800人ものファンを抱き込む大会場を背負って堂々スタート!

この日はスペシャルな演出続出で、さっそくその第一弾は「またたび」でのライブペイント。イラストレーターのフクモトエミさんを迎え、「またたび」を演奏している間に、曲にピッタリな絵を描いてもらおうというもの。さくらしめじが歌い進めるのと並行して、みるみるうちに「またたび」のストーリーが仕上がっていく。歌い終わり、クルっと後ろを向いてスクリーンに映し出されたイラストに2人も「おぉ〜!」と感動。

中盤にさしかかると、今度は中学時代の思い出写真がスクリーンで紹介された。まだ“ガク&ヒョウガ”だった時代、初めての音合わせ、初の路上ライブ、『菌活の旅』の初日など、実質的には1〜2年。それほど年数は経っていないはずなのに、2人とも顔はまだあどけなくて体も小さいので、ギターが特大サイズに見える。

「中学生最後のライブだから、こういう恥ずかしいものをお見せしているわけです(笑)」(田中)

菌活の旅の全国制覇も残り3県を残すのみ。そう考えるとなんだか寂しいね、懐かしいね〜と話すさくらしめじは、結成する前に初めて2人で練習したという曲、19の「あの紙ひこーき曇り空わって」を弾き語りで、菌活で歌ったときのリベンジ!という竹内まりやの「元気をだして」を、いつもの愛用ギターを置いて2人の声のみで歌う。深い低音と、透明感ある高音とがマッチしたハーモニーは、以前と比べものにならないぐらい美しかった。

再びバンドメンバーを呼び戻し、なんと! 今度は新曲「おたまじゃくし」を初披露。かなりテンポの速いロックチューンで、新曲とはいえすでにオーディエンスもノリノリ。新しい世界に踏みだそうとする強いメッセージを歌いながら、弦をストロークする手にも力がこもる。それが会場全体にダイレクトに伝わるからだろう。ここからライブは一気にスピーディーに駆け抜けていく。リズミカルな歌詞運びとエキサイティングなギターの音色、重く太いベース……今までにない大きな熱量を持ったサウンドは、今日のフルバンド構成でこそ魅力を放つ。間奏で髙田がハイテンションに卵(の形をしたおもちゃ)を配りあるく「てぃーけーじー」、ステージに着ぐるみダンサーがズラッと並んでさくらしめじと一緒に盛り上げた「ふうせんはなび」と、ライブは止まることなく華やかさを増していく。

こんな楽しい宴なら終わらなければいいのに……とは思っていても、そのときはやってくる。ステージには田中と髙田だけが残り、初めて2人で作ったという曲を紹介してくれた。タイトルは「おもいでくれよん」。

「僕たちにしかできない歌が作りたかったんです。そうするとテーマはやっぱり菌活の旅なんですよね。たくさんの人との出会いや笑顔、そういうものを思って作りました」(田中)

「菌活の旅は、僕らにとっては本当にかけがえのない存在ですからね!」(髙田)

シンプルなコード進行ながら、ユニゾンでぐんぐん着き進んでいくような頼もしいナンバーだ。バンドサウンドにも負けない力強い音をここまで鳴らし、歌えるのは、この曲に対する想い入れが深いからこそ。そして、まったくの新曲なのに大きな手拍子で迎え入れられていたということは、その歌心が確実にしっかりとオーディエンスの胸の中に浸透していった証だ。それが2人にも実感として残ったのだろう。ライブ本編が終わり、ステージを後にするときの穏やかな評定には、満足感と、どこか大きな自信に満ちているように見えた。

そんなさくらしめじに、アンコールでサプライズ告知が! 映像にて今年も12月29日に東京・IMA HALLでのワンマンライブを行なうことが発表されたのだ。同ホールでワンマンを行なった際に“来年のさくらしめじの目標”として、「またここに戻ってくる!」と誓ったのはちょうど1年前。とはいえ、今日、この瞬間まで2人には知らされていなかったため、その驚きよう!

「ええええええ〜っ!! マジですか!?」(髙田)

「有言実行フォークデュオです!」(田中)

今日の『おたまじゃくしの宴』は、かねてから“中学生最後のワンマンライブ”と強く意識して悔いのないようにと気合いを入れて臨んだもの。しかし1日を完走してみれば、この日までの総まとめではなく、さくらしめじの未来への架け橋になる一夜になったに違いない。それを本人たちは本能で感じ取っている。

「今日で終わりじゃない。さくらしめじは、これからもずっとずっと続いていきます。応援よろしくお願いします!!」(田中)

Photo by 埼玉 泰史 / ハヤシ サトル

Text by 恒川 めぐみ

【ライブ情報】
「さくらしめじ ニッポン列島 菌活の旅 ~ 広げよう“きのこの輪(フェアリーリング)”~」

11月03日(木・祝)  山梨

11月13日(日)  北海道

11月27日(日)  東京 ※ファイナル

※詳細は後日発表

「きのこりあんの集いvol.1」

12月29日(木)  東京 光が丘IMAホール

【第1部】開場14:30/開演15:00

【第2部】開場17:30/開演18:00


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