今こそ聴きたい「違法ではないが不適切・不謹慎?!」な歌

2016年7月28日 / 18:00

伊武雅刀「子供たちを責めないで」のジャケット写真 (okmusic UP's)

選曲のエキスパート“ミュージックソムリエ”があなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回は多くを語らず「今こそ聴きたい“違法ではないが不適切・不謹慎”な歌」です。

1.「ゴーストバスターズ」/ レイ・パーカー・ジュニア
●二重のパクリ疑惑を乗り越え?!今や定番曲

1984年にレイ・パーカー・ジュニアが歌う主題歌と共に大ヒットした映画「ゴーストバスターズ」のリメイク版が今夏公開されますね。主題歌もフォール・アウト・ボーイ×ミッシー・エリオットによってリメイク。原曲はヒューイ・ルイス&ザ・ニュース「I Want a New Drug」を盗用したとしてヒューイ・ルイス側から訴訟され、更にはM(ロビン・スコット)側から1979年にヒットした「Pop Musik」を盗用したとしてヒューイ・ルイス側及びゴーストバスターズ側も訴訟しているという二重のパクリ疑惑となりました。曲に潜むゴーストを探すごとく聴き比べてみましょうか?

(選曲・文/麻布さやか)
https://www.youtube.com/watch?v=Fe93CLbHjxQ

2.「金太の大冒険」/つぼイノリオ
●名古屋の至宝が贈る、爽やかで?笑える下ネタソング

名古屋の至宝・つボイノリオが奏でる、違法ではないもののラジオで放送禁止指定を受けた歌。歌詞によると、金太がお姫様を救うためにマカオに向かうという冒険ソングなのですが…。不適切な理由は“ぎなた読み”にあります。なおつボイ氏は他に「極付け!お万の方」「吉田松陰物語」「インカ帝国の成立」など、この手の曲は事欠かないのですが、一応、違法行為で過去逮捕に至ったことは一度もありません。

(選曲・文:Kersee)

3.「Dani Earth ~drum’n’bass Mix~」/野坂昭如
●しんだしんだダニダニダニ……

次から次へと沸いてくる不適切な皆さん、その性根はダニ以下かもしれません……。この曲は1998年にシングルとして発表された、有名CMソングのミックス・バージョン。ビート、叫び、はやしたてるようなコーラスが組み合わさって、聴くものを破れかぶれなハイテンションへと誘ってくれます。

夏真っ盛りの中、次の都知事を選ばされる都民の皆様は、本当におつかれさまです。せめてこの曲を呟きながら、憂さ晴らしの白票でもいいので、棄権はせずに投票には行きましょう。

(選曲・文/旧一呉太良)

4.「見たい」/渡部沙智子
●見たい!見たい!見たい!見たい!見たい!

もし、あなたの前で「裸が見たい!着替えが見たい!」と叫んでいる人がいたらどうしますか? すぐにお巡りさんを呼んだほうが良さそうです。では、メガネ美人の知的な女性歌手がピアノを奏でながら、歌詞として熱唱していたらどうしますか? 通報せずに、しばしその歌声に身をゆだねてみましょう。

変態でも不適切でもなく、むしろ愛する人の一糸纏わぬ姿に焦がれるのは、純粋な想いなのではないか……そんな風に気付かせてくれる一曲。それにしても衝撃作です。

(選曲・文/今井義明)
https://www.youtube.com/watch?v=AAHSVGjw5BA

5.歌劇『ウェルテル』より「春風よ、なぜ私をめざめさせるのか」/ジュゼッペ・ディ・ステファノ
●胸に秘められなかった恋心……溢れ出る心の叫び

ゲーテの「若きウェルテルの悩み」を原作にしたマスネ作曲歌劇で歌われる曲です。人妻を熱烈に愛してしまった青年ウェルテルは、彼女への想いをオシアンの詩に託して詠唱します。そして、彼女を抱きしめる……。身をよじるような激情を、甘美な旋律にのせて表現しています。ねっとりとした歌唱がたまらず、こちらまでほだされてしまいそうです。

(選曲・文/山本陽子)

6.「子供たちを責めないで」/伊武雅刀
●本当に責めたいのは、実は何なんでしょう?

スネーク・マン・ショーで一世風靡していた伊武雅刀さんのソロ・デビュー曲、原曲はサミー・デイヴィスJr.の「Don’t blame the children」です。秋元康さんが手がけた日本語詞は、子供たちに愛されずひねくれた大人のコミックソングとなっており、伊武さんは「シャレの分かる大人になった方々に今こそ是非聴いてもらいたい。私が本当に責めていたものが何だったのかを」とコメントしています。

現在TBSラジオ「山里亮太の不毛な議論」の“子供たちを責めないでリターンズ”コーナーオープニングBGMで使われています。

(選曲・文/石井由紀子)
さて、お気に召した選曲はございましたか?

ぜひこれを機にCDやレコードなどの音源でも、各曲をお楽しみいただければ幸いです。

それでは、また。


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