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今回で、6年目の開催となった【Governors Ball Festival】。地元NYのザ・ストロークスをヘッドライナーに迎え、ベック、ブロック・パーティ、マット&キムなど22組が出演した1日目(6月3日)のライブレポートとライブ写真が到着した。
米ニューヨーク・マンハッタンからほど近いランダルズ島で、2011年から開催されている【Governors Ball Festival】。マンハッタンからは地下鉄とシャトルバス、フェス専用のフェリー、もしくは徒歩でも可能な比較的便利な土地で開催されている為、地元のみならず全米、外国などからも訪れる人が多く、アメリカの数あるミュージックフェスの中でもコーチェラ、ボナルーなどに並ぶビッグフェスの一つだ。
◎Transviolet/トランスヴァイオレット
初日のホンダステージのトップを飾ったのは2015年にデビューしたLA出身4人組のシンセポップバンド。30分の短いセットでは爽快なフックとビートで観客の心をつかんだ。トゥエンティ・ワン・パイロッツの前座を務めた彼らは今年注目したいバンドの一つである。
◎Black Pistol Fire/ブラック・ピストル・ファイヤー
ギター&ボーカルのケヴィンとドラムのエリックからなる2ピース・ガレージバンドロック・パンク・ブルースとそれらを併せ持ち、ケヴィンがギターをかき鳴らしながらステージを駆け回りジャンプし、観客を煽った。彼らのパフォーマンスはいつも最高にエキサイトだ。
◎Meg Mac/メグ・マック
オーストラリア出身シンガーソングライター。メグのスモーキーながらもハイトーンでパワフルなボーカルと怒りの感情をぶつけているようなパフォーマンスで、Years & Years待ちだったであろう観客を魅了した。
◎Bully/ブリー
シンガーのアリシアが漢字で“酒”と書かれたTシャツを着て登場。小雨がちらつき始めた会場で「Six」の演奏が始まり、アリシアが「Govenorsは私のお気に入りのフェスなの。さあ、始めるよ!」と叫ぶと観客はヘッドバンキングを始め、たちまち会場はモッシュピットとなった。
◎Christine and the Queens/クリスティーヌ&ザ・クイーンズ
母国フランスでは、すでに絶大な人気を誇っているクリスティーヌが、メインステージのオープニングアクトを務めた。キャッチーなエレクトロダンスサウンズにダンサーを引き連れ踊る彼女。ストロボライトに合わせ彼女のダンスと歌に合わせ観客も踊り、会場をダンスパーティーにしてしまった。
◎Action Bronson/アクション・ブロンソン
観客の「ブロンソン」コールが鳴り止まない。これほど熱く観客が登場を期待していたアクトが、ザ・ストロークスの他にもあったのかと驚いた。ステージ上では大きな葉巻を始終吸い、観客から受け取ったスイカを蹴り上げる。「イージーライダー」では観客も大合唱。地元出身を味方にし超メガトン級なMCとパフォーマンスで盛り上げた。
◎Big GramsOutkastのBig BoiとPhantogramのコラボユニット
ステージ上にあるラップトップにはOutkast(アウトキャスト)の文字が。この日、ファントグラムのサラは黒いブラトップにレザーのホットパンツでビッグ・ボーイより先にステージに登場。ステージ脇にはサラの恋人でスノーボーダーのショーン・ホワイトの姿も見られた。続いてビッグ・ボーイが登場。このフェスで最もクールで楽しいパーティーセットがわずか5か月間だけの期間限定というのが勿体なさすぎる!
◎Father John Misty/ファーザー・ジョン・ミスティ
初めて彼らを見たのが2012年、ブルックリンにある小さなヴェニューでハー・マー・スーパースターの前座として出演していたときだった。その夜から魅了され、今に至るまでもう何度も観ても毎回違うエキサイティングで最高な時間をプレゼントしてもらえる。フロントマンのジョシュがマイクスタンドを振り回し「The Ideal Husband」で曲の最後にマイクスタンドを叩きつけ幕を閉じた。
◎Beck/ベック
フジロックに出演予定のベックがなんとヘッドライナーではなくザ・ストロークスの前のステージに登場。「Devil’s Haircut」「Black Tambourine」に続き「Think I’m in Love」、そして最近の彼のライブでは欠かせないダンスチューン、ドナ・サマーの「I Feel Love」をカバーした。そしてプリンスの「Raspberry Beret」、イギー・ポップの「China Girl」のカバーで会場をディスコファンクボールルームにしてしまった。王子ベックが未だ健在であることを実感したステージであった。
◎Matt&Kim/マット&キム
ブルックリン出身の2人組のインディダンスデュオ。彼らのショーはファンが主役でもある。同じ時間帯にメインステージではベックがプレイ中だったのにもかかわらず、彼らのステージには溢れ返る人だかりが。彼らの無限のエネルギー&アップビートなシンセポップサウンドに、キムがドラムセットの上に立ち観客を煽った。「NYのフェスに出るのは初めてなの!この興奮をどう伝えよう?もうすでに伝わってるわよね!行くわよ!」と週末のNYを笑顔と愛でいっぱいにした。
◎Bloc Party/ブロック・パーティ
メンバーの脱退などでアメリカので人気の低迷が心配だったが、多くのNYのファンに迎えられ登場。新曲はスピリチュアルな曲調もありシンセとギターリフでオーディエンスの好奇心を煽り、「Helicopter」で有頂天にした。これらはフロントマンのオケレレの戦略だったようだ。
◎The Strokes/ザ・ストロークス
NY出身の現代のガレージロックバンドの代表格でもあると言えるザ・ストロークス。このフェスのヘッドライナーを務めるのは2014年以来、2度目となった。ラインナップ発表があった時、彼らのファン以外は短いスパンで同じヘッドライナーが出演が決まったのに対し、がっかりした人も多くいたであろう。そして新譜も出してない彼らのステージは2年前とさほど変わらないのではと思っていただろう。しかし、新曲をフェス直前に発表したことで、再稼働に向けて一歩となり、フェスでの彼らへの期待が上がった。30分近く遅れて登場した彼らだったが、熱狂的に迎えられ、観客は始終大合唱。ステージセットもここ数年変わらなかったのだが、バックスクリーンにアナログテレビのホワイトノイズが映し出されるセットを使用した。始終鳴り止まない歓声にアンコールで出てきた彼ら。フロントマンのジュリアンが「ありがとう。次はスペシャルをやるよ。YOLO!」と言って、今までアンコールでは演奏されていなかった「You Only Live Once」を演奏した。NYそして世界に愛されているバンドが、次に何をやってくれるのか期待せずにはいられない夜となった。
Photo & Text: ERINA UEMURA
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