――撮影現場の雰囲気はいかがですか?
同世代の人が多いので楽しいです。このドラマは、若者の雰囲気と大人な雰囲気、どっちも出てくる作品なので、その差を楽しんでもらえればと思っているんです。だから僕たちのシーンでは思い切り楽しんで、若者っぽさが伝わればいいなと思います。
――等身大の大学生という役柄ですが、“普通”の人物を演じるのは難しいですか?
そうですね。一話の台本を読んだときに、役を考えるのがすごく難しくて。影があるわけでもないし、誰かに恋してるわけでもない、反抗心があるかと言われたらそうでもないし。“ザ・ゆとり世代”のリアルな大学生を演じたいと思ったので、Twitterで大学生にアンケートを取ったりもしました。大学で楽しいことやつらいこと、ゆとり世代と言われることについてどう思うか、とか。それで、いい意味でも悪い意味でも曖昧というか、楽観的になんとかなると思っている人が多いんだなと気付いて。そういうのを参考にしてるんですけど、まだ難しいですね。
――ご自身が亮介に似ていると思う部分はありますか?
みんなと楽しくワーワーやるのが好きなところは似てますね。ただ、僕は「考えるよりも行動しちゃえ!」っていうタイプなので、そこは亮介とは違うかなと思います。やらないで損するより、やって損した方がいいなっていうスタンスなので。
――“ブラック企業”を題材にしたドラマですが、ドラマに関わってブラック企業についての考えは変わりましたか?
僕の考えはもともと三田村さんに似ていて、ちょっとブラック寄りかなと思うんですけど…。夢や目標が明確にあれば、多少大変なことも頑張れると思うんです。僕は好きなことを仕事にしてるから、どんなに朝早くからの撮影でも絶対に行くし。たとえ大変なことがあっても、自分のやりたいことのために頑張ります。でも、三田村さんみたいに悪いところを率直に言ってくれる人ってありがたいですよね。それだけ何らかの愛情を持って接してくれてるってことですから。
――映画サークルの部長という役柄ですが、永瀬さんは学生時代、部長や委員長をやるタイプでしたか?
違います。僕は保健係で、具合が悪い人がいたら「保健室はあっちだから」って誘導するだけでした(笑)。部活はバスケ部だったんですけど、部長、副部長、その次、みたいなポジションで。部長に助言をするでもなく、ただのガヤです(笑)。
――ドラマもいよいよ後半戦。見どころを教えてください。
最終回までに、登場人物みんなが影響し合って、成長していけたらいいなと思います。大学生が短期間で大きく変化することって簡単ではないと思うけど、ちょっと頑張って行動に移せたとか、本当にやりたいことに気付けたとかそういう変化があったらいいなと。それを見た同世代の人が、オレもやってみようって少しでも前向きになってくれたらうれしいです。それが、僕が工藤亮介を演じた意味にもなりますしね。
【10問10答】
芸能界を目指したきっかけは?
映画『ラスト サムライ』です。今の時代、どう頑張っても侍にはなれないじゃないですか。でも、芝居を通したら侍になれるし、勉強に自信がなくてもお医者さんになれる。一つの人生で侍にも、医者にもなれるし、殺人者にもなれる。例えば人を殺すシーンでは、エグくやればそれだけ評価されるし、芝居って面白いなと。
憧れている人は?
瑛太さん、窪塚洋介さん、森山未來さんのように、見ていて深読みしたくなるお芝居をされる方は役者として魅力的だなと思います。
好きな休日の過ごし方は?
休日は、舞台を見に行ってるか、パソコンをいじっているかですね。パソコンで絵を描いたり、写真加工したり。服が好きなので、Tシャツのデザインもします。
行ってみたい国は?
エジプトです。「ピラミッドって本当にあるんだ~」って言って帰りたい(笑)。2カ月ぐらい前に一人でニューヨークに行ったんですけど、すごく刺激があって楽しい場所だったので、また行きたいです。
人に負けない特技は?
寝言ですね。この前母親が家に泊まったときに、朝方僕が突然ムクッて起き上がって「いや~盛り上がってますよ」って言って、もう一回寝たらしいんですよ(笑)。あと、高校のときは、寝言で友達と遊ぶ約束をしたこともありました。電話で「○○に何時ね」って約束したらしいんですけど、全く記憶になくて。友達が実際にその場所で待っていたことがありました(笑)。
好きなテレビ番組は?
もちろん「ブラック・プレジデント」です!
最近見た映画や舞台は?
最近見た映画は『愛の渦』。あとは柳楽優弥さんの舞台「金閣寺」ですね。
部屋にあるお気に入りアイテムは?
ハンバーガー型のソファー。一人がけで、ジャストフィットなんですよ。
カラオケの十八番は?
Mr.Childrenの「掌」。歌ってて気持ちいいので、好きですね。
今後やってみたい役柄は?
今まで元気な役が多かったので、どうしようもないダメな奴をやりたいですね。「ダメな役を見てみたい」って思ってもらえる俳優ってすごいと思うので、ぜひやりたいです。
文◎山崎千紗絵
写真◎若子jet
ブラック・プレジデント
関西テレビ、フジテレビ系 毎週火曜
後10.00~後10.54
【プロフィール】
ながせ・たすく 1993年1月22日生まれ、鳥取県出身。ドラマ「桜蘭高校ホスト部」(TBS系)で俳優デビュー。主な出演作にドラマ「仮面ライダーウィザード」(テレビ朝日系)、「八重の桜」(NHK)、映画『悪の教典』『ユダ』など。映画『好きっていいなよ。』が7月12日公開。