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ホステス・エンタテインメントが仕掛ける新たな音楽イベント【Hostess Club Weekender】が2月2日、3日の2日間、東京・台場Zepp DiverCityで開催された。4回目となる今回も様々なアーティストがラインナップされ、会場は熱心な音楽ファンで埋め尽くされた。
初日のオープニングを飾ったのは初来日となるLA出身の4人組ガレージ・パンク・バンド、フィドラー。ザ・ハイヴスのオープニング・アクトを務め、ピッチフォークでベスト・ニュー・トラックを獲得するなど要注目なバンドの初来日とあって期待度は高かったが、彼らはそれを軽々と越えていった。まさに疾走しているストレートなパンク・サウンドと時にラウドなギターリフがフロアを揺らし、親しみ易いメロディーがしっくりと身体に馴染んでくるのだ。また「ウ○コ!」を連発する最低MCなのに憎めない。このキャラクターも含めバンドの鳴らす音は悪さを"しでかしている”のだ。だから憎めないに好印象。
悪童たちのアクトを終え、2バンド目として登場したのはアンノウン・モータル・オーケストラ。ポートランドを拠点に活動する3人組サイケデリック・ポップ・バンドで、2011年のデビューアルバムがNMEやUncutといった欧米メディアで高評価を受けるこちらも話題のグループだ。深いリヴァーヴに沈むノイジーなギター、骨太のベースライン、サスティンの効いたドラムがしっとりと鳴らされる。湿度たっぷりの音像の中で積み上げられる音像が会場に満ちていくのが目に見えるようだ。ほぼMCなしでたんたんと演奏する彼らは先ほどのフィドラーに比べるとコントラストが激しくみえるが、またしてもオーディエンスは出演者たちの虜になっていく。
そして、3バンド目として登場したのはこの日のイベント終了後、Twitterなどでベスト・アクトと評判になったパーマ・ヴァイオレッツ。ラフ・トレードのジェフ・トラヴィスが1曲だけを聴いて即契約、更にデビュー前にも関わらずNMEの表紙に大抜擢されるなど異例の注目を浴びるロンドン出身の4人組だ。初期衝動のようにかき鳴らされるジャッキジャキのテレキャスターとひたすら突っ走るグルーヴの中で光るツイン・ボーカルはあっという間に聴衆を魅了。比較的おとなしいオーディエンスが多い本イベントで珍しく観客がダイヴしてステージに上がりバンドと踊っていた。そんな中、爆発するバンドサウンドにキーボードで華を添えるピート・メイヒューのクールな印象でその温度差も面白い。しかし、最後はフロアにダイブしていたのもクールだった。
初日も後半に突入し、続く4番目として登場したバンド・オブ・ホーセズは一転、「これぞロックの王道」とも言える“風格”を見せつけてくれた。2010年の『インフィニット・アームズ』がグラミー賞にノミネートされ、名実ともにアメリカを代表するロック・バンドへと成長を遂げ、先日リリースした最新作『ミラージュ・ロック』も既に最高傑作と評判の彼ら。登場するやいなや大歓声で迎えられた。どっしり鳴らされる出音の安定感は流石でオーディエンスも心おきなく演奏を楽しめる。ルーツをきちんと押さえたロックンロールの中で自分たちの美味しい部分を理解して遊んでいるようなパフォーマンスはまさにロックスターそのものだった。
いよいよ大トリのヴァンパイア・ウィークエンドが登場。超満員となったフロアから本日一番の大歓声が響く。『コントラ』で全米ビルボードチャート1位を獲得し、もはやUSインディーの枠だけでは収まらないほどの人気を見せている。日本でもそれを証明してくれるパフォーマンスを披露してくれた。軽く挨拶をして披露されたのは「Cousins」。いきなりの大ヒット曲のギターイントロにオーディエンスは沸き立つ。ポップでサクサクとしたロックがしっかりした演奏に乗せてテンションを高める。次々と人気ナンバーが披露され、各楽曲のイントロ、終了で毎回大きな反応があるのを見れば彼らの音楽がどれだけ愛されているのか窺える。ベースのクリスが踏むコミカルなステップにも含め(笑)ファンをワクワクさせる彼らの魅力は心を掴んで離さない。そして、先日ニュー・アルバムを本国で5月7日にリリースする事を公式にアナウンスしたばかりだが、「大きなチャレンジだった」と語るようにアコースティック・ギターに持ち替えて披露された新曲からは更に進化した彼らのカケラが見えたようでまた楽しみが増えた。
Photo:古溪 一道(コケイ カズミチ)
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