3.11以降の夢 100％ソーラー武道館成功「やれました、何か？」

　昨年3月11日 東日本大震災発生後間もなく、自身主催のチャリティライブにて「100％ソーラーで武道館やりたい」と突然言い出した佐藤タイジ。当時は無謀とも言われたその夢を僅か1年9か月で実現化してみせた。

＜東日本大震災発生以降の佐藤タイジ＞

　佐藤タイジは東日本大震災発生以降、チャリティライブ【LIVE FOR NIPPON】を定期開催。また、シアターブルック（http://bit.ly/12t1h3S）、THE SUNPAULO、インディーズ電力に加え、TAIJI at THE BONNET（http://bit.ly/TbyWtM）なる新バンドも稼働させながら「100％ソーラー武道館をやる、俺はそこにしか未来はないと思ってる」と、それぞれの活動内でメッセージし続けた。

　すると、当初は「現実的ではない」と専門家にも言われていた“100％ソーラー武道館”だが、グリーン電力証書の認定を受けた太陽光発電所、金沢工業大学 情報フロンティア学部などの協力を得ることで、2012年12月20日【THE SOLAR BUDOKAN】と題して実現することが可能に。さらに、このイベントの趣旨に賛同した多くのアーティスト/ミュージシャンが武道館に集結する運びとなった。

＜超豪華な仲間たちと共演、タイジは休むことなく＞

　本編一発目、日本の音楽シーンを支えるスーパーミュージシャンの集合体 シアターブルックとして登場したタイジは、初めて立つ武道館のステージで水を得た魚のようにギターソロを展開。7000人に向け「ドアを開け 一歩踏み出せ！」（まばたき）と歌い放っていく。その後も、Leyona、和田唱（TRICERATOPS）、LOVE PSYCHEDELICO、加藤登紀子、Salyu、田中和将（GRAPEVINE）、増子直純（怒髪天）、浜崎貴司（FLYING KIDS）、土屋公平、屋敷豪太、Char、吉川晃司、奥田民生、藤井フミヤ、斉藤和義と、1組ずつ仲間を迎え入れては共に歌い、ギターを掻き鳴らし、4時間近く休むことなく圧倒的なパフォーマンスを展開。

＜CHABO「ロックンローラーとしての夢を聞いてました」＞

　なお、Char with 屋敷豪太との「Smoky」に対する大歓声、シアターブルックを従えた吉川晃司がCOMPLEX「1990」熱唱、佐藤タイジと奥田民生のギターをバックに藤井フミヤがムーンウォーク等、どれもハイライトと呼びたくなるセッションだったが、極めつけは最後のゲスト 仲井戸“CHABO”麗市とのアクト。CHABOはかの盟友を彷彿させる声で「ようこそー！」と叫べば、さらに「タイジからロックンローラーとしての夢を聞いてました。武道館のステージに立つことが夢だってことをずっと聞いてました。タイジ、今夜おめでとう」と語り、彼と親子のようなムードを醸し出しながらギターを重ね合った。

＜100％ソーラーで出来た前例。ロックの歴史にズボッと入りました＞

　そんな生涯忘れないであろうセッションの後、シアターブルックの4人で「昨日よりちょっと」を披露し終えたタイジは、「よっしゃああああ よっしゃあああああ！　100％ソーラーで出来ましたああああ！」と絶叫し、今日の出演者全員をステージへ再招聘。そして最後は「ありったけの愛だけで あの太陽は！」と、まるでこの日の為に生まれたかのような代表曲「ありったけの愛」を全身全霊で披露するという、感涙必至のエンディングを演出する。

　そして出演者ひとりひとりの名前を叫んだ後、燃焼しきった喉で「皆さんがやってくれたから出来ました。100％ソーラーで出来たのだという前例が深くロックの、日本のロックの歴史にズボッと入りましたから！　皆、絶対それを忘れなんなよ。やれば出来るということを忘れんなよ。友達と子供と上司と……みんなに伝えていけよ。やれました、何か？　何ですか？　私たちは出来ました！　と言って下さい」と、タイジらしい言葉でイベントを締め括った。

　なお、終演後、バックステージで彼は「ソーラーでやれるというのを流行らせたい！　これっきりじゃなく、来年もやりたい！」と、早くも次回開催への意欲を燃やしていた。

取材＆テキスト：平賀哲雄

◎ライブ【THE SOLAR BUDOKAN】
12月20日（木）日本武道館 SET LIST：
・オープニングアクト
01.インディーズ電力メドレー / インディーズ電力
02.Close To You / THE SUNPAULO
・本編
03.まばたき / シアターブルック
04.Tone / Leyona
05.Fever / 和田唱（TRICERATOPS）
06.LADY MADONNA～Rockin’ In A Freeworld / LOVE PSYCHEDELICO
07.愛と死のミュゼット / 加藤登紀子
08.together tonight / Salyu
09.新しいYES / Salyu
10.光について / 田中和将（GRAPEVINE）
11.ROCK’N ROLL JEDI / 田中和将 ＆ 増子直純
12.オトナノススメ / 増子直純（怒髪天）
13.幸せであるように / 浜崎貴司（FLYING KIDS）
14.サンシャイン / 土屋公平 with 屋敷豪太
15.Shinin’ You, Shinin’ Day / Char with 屋敷豪太
16.Smoky / Char with 屋敷豪太
17.1990 / 吉川晃司
18.BOY’S LIFE / 吉川晃司
19.ルート2 / 奥田民生
20.マシマロ / 奥田民生
21.嵐の海 / 藤井フミヤ with 奥田民生
22.Another Orion / 藤井フミヤ
23.歩いて帰ろう / 斉藤和義
24.やさしくなりたい / 斉藤和義
25.ガルシアの風 / 仲井戸“CHABO”麗市
26.昨日よりちょっと / シアターブルック
27.ありったけの愛 / 全出演アーティスト