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2026年7月24日~26日にかけて、毎年恒例の野外音楽フェスティバル【FUJI ROCK FESTIVAL ’26】が開催されました。国内外・ジャンルを問わず、様々なアーティストが大自然に囲まれたステージでパフォーマンスを披露し、前夜祭を含む4日間の延べ来場者数は12万3,500人を記録。また、Amazon Prime Videoでの無料独占生配信も行われました。
同フェスの開催前後において、出演アーティストのストリーミング数にはどのような変化が見られたでしょうか。今回は、Luminateのデータサービス「CONNECT」を使用し、出演アーティストの日本国内におけるストリーミング増加数、増加率トップ10を調査しました。調査の対象アーティストや期間等の設定条件は下記の通りです。
<設定条件>
対象アーティスト:GREEN STAGE、WHITE STAGE、RED MARQUEE、FIELD OF HEAVEN、PLANET GROOVE、TRIBAL CIRCUS、SUNDAY SESSIONに出演したアーティスト
期間:出演日の翌日から3日間と、その1週間前の同一曜日に該当する3日間を比較
エリア:日本
まずはストリーミング増加数から見ていきましょう。増加数という絶対的な数字に基づいてランク化した上位10組ですが、再生回数の水準によって2つの傾向が見てとれます。まずは、藤井 風やXG、ASIAN KUNG-FU GENERATIONといった、既に国内で強く幅広いファンベースを確立しているアーティストについてです。これらのアーティストは開催前から再生回数の水準(母数)が高いため、同程度の伸び率であっても増加数(絶対値)としては大きくなりやすい傾向があります。実際、この3組の増加率は藤井風+7.9%、XG+28.0%、ASIAN KUNG-FU GENERATION+20.6%であり、対象アーティスト全体の増加率の中央値(+49.9%)を下回っています。したがって、フェス出演による話題性が大きく影響したというよりは、母数の大きさが増加数(絶対値)を押し上げた可能性があり、むしろフェスを牽引する強いアーティストパワーを持つ存在と言えます。一方、Hi-STANDARDとIOは、母数自体は突出して大きいわけではないものの、増加率はそれぞれ+67.1%、+68.2%と中央値を上回っており、フェス出演そのものによる押し上げ効果が上記の他3組より強く働いた可能性があります。
増加数についてもう1つ見られた傾向は、Angine de Poitrine、Massive Attack、The xxなどの、(トップ10内においては)比較的低めの再生回数から大きく増加したアーティストです。増加率で見てもこの3組はいずれも全体の中央値(+49.9%)を大きく上回っており(それぞれ+486.8%、+391.5%、+308.3%)、フェス出演をきっかけに大きな注目が集まった可能性が高いと言えます。ただし、その背景にあるユーザー動向は一概に同じとは言えなさそうです。Angine de Poitrineは出演前のストリーミング数が6.9万となっており、フェス出演による新規発見でファンを獲得した例と考えられます。一方、Massive Attackはトリップホップの大御所として国際的に高い知名度を持つアーティストであり、The xxも国際的に一定の評価・知名度を確立しているバンドです。この2組については、フェスを契機に「発見」されたというよりは、「潜在ファンの顕在化」「既存の知名度が配信という接点に結びついた」パターンである可能性が大きいことも推測されます。いずれの動向であっても、フェス出演により大きく脚光を浴びたことに違いはありません。
増加率トップ10にも2つの傾向があります。1つは、KNEECAP、Son Rompe Pera、SOFIA ISELLAのように、増加率は高い反面、増加数はまだ小さいアーティストたちです。母数が小さく伸び率は出やすいですが、規模としては「日本での今後の人気上昇が期待できるネクストブレイク」の存在と言えます。もう1つは、Angine de Poitrine、Massive Attack、The xxのように、増加率と(トップ10内においては)増加数が高い一群で、フェスによって注目を集めると同時に、フェス自体を盛り上げる注目株であったと解釈できます。実際にMassive AttackとThe xx はそれぞれヘッドライナーでした。TOMORAはやや異なり、増加率は+481.4%の高さながら、増加数は+13.4万とトップ10内においては少し低めです。絶対的な規模で見るとまだ発展途上にあり、「ネクストブレイク」グループに近い性質も併せ持つ中間的な存在と言えます。
出演アーティストのストリーミング動向には、既存の高い人気度を背景に大きな増加数を記録した層や、出演を機に新規発見や潜在ファンの顕在化が進み高い増加率を示した層など、複数のパターンが確認できました。増加率は高いが規模が小さい「ネクストブレイク」候補も存在し、【FUJI ROCK FESTIVAL】が新たな人気アーティストを生み出す場としての役割を今後も担っていくことが期待されます。
※本記事は、ビルボードジャパンとルミネイトのメールマガジンにて配信された内容を加筆・修正したものです。世界の音楽データを分析できるツール「CONNECT」の詳細およびメールマガジンの登録は下記ページをご確認ください。
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