Novel Core、鑑賞スタイル別にエリアを区切る“ミクスチャー・フロア構想”も功を奏した【PERFECTLY DEFECTiVE】ツアー最終日のレポート到着

2026年6月30日 / 16:30

 Novel Coreの全国ツアー【PERFECTLY DEFECTiVE TOUR 2026】が、東京・豊洲PITにてファイナルを迎えた。そのオフィシャルライブレポートが到着したので下記にお届けする。

 「普段仕事とか、学校とか、人間関係とか、いろんなことがあって疲れてんだろ。非日常を求めてここに来てんだろ。ここからは好きなことをやれ!」

 これはまだ幕が開けてない頃の、Novel Coreの言葉だ。開演前から、フロアではBGMに合わせてクラップが鳴り止まなかった。この先の2時間半、未体験なことを味わえると信じている高揚感。Novel CoreというアーティストとOUTERと呼ばれるファン、さらにファン同士は、仲間であるという結託感。この場では、日々の葛藤や孤独を忘れられるという解放感。それらがフロアに充満し、開演前から異様な熱気が生まれていた。そこにNovel Coreが幕の向こう側からマイクを通して冒頭の言葉を伝えると、「ラスト、俺の大好きな先輩の曲を爆音でかけるから」とRIZEの“American Hero”を流した。すると、サークルモッシュが起きた。まだNovel Coreは登場もしていないのに!

 6月26日、東京・豊洲PITで開催された、Novel Coreによる6都市を巡る全国ツアー【PERFECTLY DEFECTiVE TOUR 2026】ファイナル公演。この日、音楽業界内でも前代未聞な試みが行われた。「ミクスチャー・フロア構想」と題して、豊洲PIT全体を4つに区切り、モッシュを含む激しい盛り上がりが発生する「スタンディング アクティブゾーン」、自身のペースで鑑賞できる「スタンディング セーフティーゾーン」、パーソナルエリアを確保して観覧できる「指定席」、小さなお子様が保護者同伴のもと利用できる「ファミリーエリア」が設けられた。「指定席」がライブハウスの2階に設けられるのはよくある形式だが、あえて1階フロアの前方下手(ステージに向かって左側)と後方に作ったというのも斬新だ。ファミリーエリアは1階フロアの前方上手(ステージに向かって右側)に設置され、そこでは子どもたちのペースでサークルピットを作って走り回るという光景も生まれた(子どもたちの安全のため、イヤマフ着用の推奨についても事前にアナウンスされていた)。

 ステージには、Marshall、Fender、VOX、Orangeなどのアンプが積み上げられていた。そのうしろには、「異端児」「混合」「偉大なる大馬鹿者」「歪み」「完璧な不良品」「PERFECTLY DEFECTiVE」の文字が書かれたバックドロップが吊るされている。高校生の頃に若くしてラッパーとして世に出たものの、ヒップホップもロックもJ-POPもボカロもクラシックも大好きだったNovel Coreは、どこにいても「異端児」扱いされていた。しかし、初めてMCバトルに参加してから10年経った今、それらすべてを「混合」することで、まだどこにもない音と景色を生み出すことに成功した。ライブハウスの経験値も、音楽の楽しみ方も、年齢も、ファッションも、様々な人たちが「混合」できる場を実現させた。それが、この日だった。

 「REPRESENT BMSG, BORN FROM MIXTURE. Novel Coreです、どうぞよろしく」という挨拶から始まった【PERFECTLY DEFECTiVE TOUR 2026】最終公演は、序盤の“DiRTY NASTY”、“ビリビリ -Remix-”、“No Way Back”から合唱も手拍子もシャウトも最大音量の状態。2曲目には早々にも豪華なサプライズが準備されていて、“ビリビリ -Remix-”で客演として参加しているJUBEEが登場。言うまでもなくフロアは大盛り上がりで、アクティブゾーンではダイブが起きた。ハウスバンド・THE WILL RABBITSも「サポート」ではなく「ハウスバンド」と呼ぶのがふさわしいほど、Yuya Kumagai(Gt)、Yuki Uchimura(Key)、Hibiki Sato(Dr)、DJ KOTA(DJ / Mp)がそれぞれ遠慮なく存在感ある音を鳴らし、オーディエンスの手から足、内臓までを踊らせてくる。

 「セーフティも、指定席も、ファミリーエリアも、アクティブも、それぞれの遊び方でもっと行きまくれ!」という煽りからの“SHIKATO!!!”、“SKILL TEST”では、Novel Coreがどれだけ活躍フィールドを広げてもブレない一流ラップスキルを見せつけた。

 「座席のライブからスタンディングになっただけで、お客さんが半分くらいになったこともあったのに。こんなにやれちゃうようになったのかよ!」と、過去を振り返った上で歓喜の声を上げて、「もっとやべえのをかましましょうか」というフリから、アニメ『キングダム』第5シリーズ エンディングテーマ“RULERS”、アニメ『刃牙道』第1クールエンディングテーマ“Mountain Top”を2曲続けて休む隙を与えない。Yuya Kumagaiがステージセンターの踏み台に上ってスポットライトを浴びながらイントロを弾き始めた“Wake Up! TOKYO”、「お前が知ってる踊り方の中で一番ブサイクな踊り方で一等賞を獲ろうぜ」という言葉から始まりフロアではツーステップもスカダンも名のないステップも起きた“あやとりコンテニュー”では、Novel Core & THE WILL RABBITSのロックバンドとしてのタフさも証明した。

 様々なジャンルを混合させているということは、多種多様なビート/リズムと歌い方を用いて、多種多様な乗らせ方や踊らせ方ができる技術を持っているということだ。曲によって、エリアによって、いろんな音楽の楽しみ方がぶつかり合うことなく、かと言ってガチガチの秩序に縛られるでもなく、マーブル状に混ざっていたフロアの景色は、後方から見ていても美しいという他なかった。

 “C.O.R.E.”の最後に「B to the M to the S to the G」というフレーズを加えたあとは、「声を聴かせてみろ」と言う前からすでに合唱が起きていた“A GREAT FOOL”。「ミクスチャー・フロア構想」が上手くいくかどうかの不安もゼロではなかった中で、理想通り、いやきっと理想以上の形になっているフロアを見て、Novel Coreは感極まる表情をしながら「めちゃくちゃ嬉しいです。ここまでくるの、本当に大変だったんだよ。お互いがお互いを毀損しあわずに認めあって、それぞれの遊び方を許容しあって楽しめるフロアを、日本でも作れるんじゃないかなと思って。いろんな人の反対も押し切ってやってよかったよ! 俺から見えている景色が本当にすごいんだよ」と熱く語った。

 その後は、今日誕生日を迎えた11人をひとりずつ祝ってから始めた“HAPPY 365”、Aile The Shotaをフィーチャリングに迎えた“HAPPY TEARS”で、Novel Coreのメロディセンスが光る。続いて、「普段はなかなか歌わない曲」である“僕の大切な映画 feat. who28”と、初期の楽曲である“I Think I Guess”を、マイクスタンドを置いて歌い届けた。

 クールダウンも一瞬で、また「そろそろ暴れたくなってきたんじゃないですか?」と煽り、ステージの高いところに上って“DOG -freestyle-”、共感度No.1ワードの連呼が起きた“お金が足りない”、ジャンプを誘う“EVER EVER GREEN”と、ヒップホップからミクスチャーロックへと自然につなげていく。そして「お前らが一番バカになれる、あの曲をやってやるよ!」と、ここで“カミサマキドリ”を投下すると、Novel CoreとOUTERがフィストを突き合わせる場面もあれば、アクティブゾーンではダイブも起きるし、アウトロではヘドバンも。「すべての楽しみ方に心からのリスペクトを! たった一回の人生だ、好きなようにやろうぜ」と、ダイブもヘドバンもしない人への肯定も忘れない。そのまま“HANERO!!!”で、ポテトが揚がったときのあの音をアグレッシヴなバンドサウンドに変えて、重たく激しいビートでフロアを揺らした。

 いよいよ終盤。OUTERと一緒に歌って完成させた“HERO”は、《夢を見て 躓いた君の目は僕によく似ていたんだよ》というサビのフレーズが、Novel Coreからファンに語りかけるものだけでなく、ファンからNovel Coreへ語りかけるものとしても響き合った。Novel CoreとOUTERの関係性があれば、この先、互いにどんな場所へでも行けるということを表すようにして歌った“Green Light”のあとは、みんながスマホライトをステージに向けて、フロアが星空のように輝く中で“FRiENDS”。Novel Coreの仲間であるプロデューサー・JUGEMを励ますために作った曲が今、リスナーを励ます曲になり、またリスナーから励まされる曲になっている。

 そして、最後の“THANKS, ALL MY TEARS”を始める前、Novel Coreはいくつもの大切な言葉を語った。

 「これからも、誰かから無謀だと言われようとも、身の丈以上の夢だと言われようとも、俺らは俺らのやってみたいこと、見てみたいものを作るために、この先の一生をステージに費やそうと思います」

 「俺はいろんなジャンルが好きで、激しい遊び方も大好きだ。でもね、席があるところで人のライブを観るのも大好きだし、席があるからこそ来られる人もいるじゃんかよ。身体、性格、環境、それぞれの特徴が障害になってしまわないように、俺たちがフロアをバリアフリーにしていけばいい」

 「ここから5年。2031年、俺がちょうど30歳を迎えるその時に、俺らは東京ドームに立ちます。これは夢や目標じゃない。今口に出した以上、やると決めた。俺たちの予定だ!」

 「死ぬまでマイクを置くことはありません。曲を作り、いいパフォーマンスをする。そして、お前らのことを一生ワクワクさせる。死ぬ気で頑張るので、これからもどうか末長くよろしくお願いします」

 これほどまでに音楽ジャンルも、生き方や思想が異なる人たちも混ざり合える場所を作り上げるまで、涙を流すことも、否定的な言葉を浴びることも、自分の無力さに押しつぶされることも、明日に不安を抱くほど絶望することも、たくさんあった。何事も新しいものが生まれるときは「未完成」から始まり、最初は世の中から「不良品」として見られることも多い。それでも自分の信念を貫いて進むことをやめなかったら、まだ世の中のどこにもない、新しい景色が見える場所に辿り着いた。その道中には、無駄なトライも涙もなかった。すべてがここにつながっている。でも、ここが《ラストシーン》ではない。Novel Coreはこれまで、自分で自分の地図を描いて、時に迷ったり行き止まりにぶつかったりしながらも、自分の目指す場所に必ず辿り着いてきた。この先も形になるまでやり抜いて、有言実行していくことだろう。

 アンコールで登場したNovel Coreは、映画『名無し』主題歌である“名前”で、会場の空気をガラッと変えた。すさまじい緊迫感で、一人ひとりの耳と目を掴んで離さない。鳴らされる音、歌の1音1音が、佐藤二朗演じる映画の主人公の心音を表すかのよう。まるで1本の映画を観たような重厚感が、その3分20秒にはあった。

 そして、10月より5都市全8公演のライブハウスツアー【BLACK TiE TOUR 2026】を開催することを発表した。「今よりも実力をつけて、さらに強くなって、日本の音楽シーンのど真ん中にNovel CoreとOUTERという名前が刻まれたミクスチャーの旗をぶっ刺しにいこうと思っております。そのために最終準備として、みんなで一度ネクタイを締めて、お行儀よくおめかししていろんなところにご挨拶にいこうかなと思ってます」。そんな想いが込められたツアーになる。

 最後は、Novel CoreもOUTERも残ったエネルギーをすべて振り絞るように、“あやとりコンテニュー”でもう一度遊び倒した。歌い終えるとNovel Coreはステージから降りてフロアを歩き回り、より近い距離で全員に感謝を伝えた。こうして【PERFECTLY DEFECTiVE TOUR 2026】は、想像と期待を超えるほどの大成功に終わった。

Text by 矢島由佳子
Photo by 畑 聡

◎配信情報
プレイリスト『【SETLIST】PERFECTLY DEFECTiVE TOUR 2026 -FINAL-』
https://novelcore.lnk.to/PERFECTLYDEFECTiVETOUR2026

◎公演情報
【BLACK TiE TOUR 2026】
2026年10月15日(木)東京・渋谷WWW X ※2MAN SHOW WITH ???
2026年10月16日(金)東京・渋谷WWW X
2026年10月18日(日)広島・広島CLUB QUATTRO
2026年10月23日(金)長野・長野CLUB JUNK BOX
2026年10月24日(土)岐阜・岐阜club-G
2026年11月4日(水)大阪・梅田CLUB QUATTRO
2026年11月22日(日)東京・渋谷clubasia(DAY – ??? / NIGHT – ???)※詳細は後日解禁


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