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故MFドゥームの遺族が、中国系格安ECサイトTemu上での偽造マーチャンダイズをめぐる商標権侵害訴訟について同社と和解交渉をまとめた。
現地時間2026年6月18日に提出され、米ビルボードが入手した共同裁判所通知によると、MFドゥームの家族側とTemu側の双方の弁護士は“原則的な和解に達した”とし、2か月以内に合意を正式に確定させる予定だと述べている。和解条件は書類に開示されていない。MFドゥームの遺族側弁護士は6月22日時点で和解についてのコメントを控え、Temuの広報担当者はコメントの求めに対し、すぐには応答しなかった。
MFドゥーム(本名:ダニエル・デュミーレイ)は2020年に死去し、カタログおよび知的財産資産を家族に遺した。遺族は、ビジネス法人Gas Drawls LLC名義で、昨夏Temuを商標権侵害で提訴した。
訴状によると、“チームアップ、プライスダウン”(協力して、価格を下げる)をモットーとするECプラットフォームであるTemuには、MFドゥームの名前やステージで着用していたアイコニックなマスクをあしらった無許可のTシャツ、ハット、ポスターが溢れているという。遺族側は、これらのTemu商品が公式オンライン・ストアの商品を模倣したものであるものの、“価格ははるかに低く、品質は比べものにならない”と主張した。
これに対しTemu側は、サイト上で商品を販売する中国の独立系サードパーティー業者の行為について自社に責任はないと反論した。Temuの弁護士は、同社はあくまで仲介業者であり、問題となっているMFドゥームの商品を自社で製造・販売・発送しているわけではないと述べた。
連邦裁判官は当初Temu側の主張を認め、昨年12月に訴訟を棄却したが、今年2月に判断を覆し、修正された訴状について証拠開示手続きへの移行を認めた。双方は直近の調停セッションにおいて和解に至ったが、その時点では証拠開示手続きが進行中だった。
アーティストとその関係者がニセモノのグッズ販売に対し法的手段を講じることは以前から行われてきた。従来こうした対応は、コンサート会場での販売業者やインターネット上の業者を直接ターゲットにするのが通例だった。
しかし過去1年ほどで、アーティストの代理人が無許可グッズを扱うプラットフォーム企業そのものを訴えるという新たな戦術を取り始めている。Temuのような企業は、しばしば匿名で活動する実体のつかみにくいグッズ販売業者と比べ法廷で捕捉しやすい。ただし、サードパーティー販売業者の偽造行為についてプラットフォーム側が法的責任を問われうるかは、いまだ判例のない法律理論だ。
MFドゥームの件に加え、同じ弁護士が昨年Temuに対して起こされた同様の訴訟でトゥエンティ・ワン・パイロッツの代理も務めている。また3月には、セレナ・キンタニージャが同じ理論のもと、別の中国系ECプラットフォームであるSheinを提訴した。これら2件の訴訟は現在も係争中だ。
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