【米ビルボード・ソング・チャート】ドレイク「Janice STFU」初登場1位、42曲を送り込む史上初の快挙

2026年5月27日 / 09:45

 今週(2026年5月30日付)の米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”は、ドレイクの「Janice
STFU」が初登場1位を獲得。同チャートの歴史における様々な記録を更新して、華々しい快挙を達成した1週となった。

 「Janice STFU」は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”でNo.1デビューを飾ったニュー・アルバム『アイスマン』の収録曲で、同曲の首位獲得により、ドレイクは1位獲得曲数を通算14曲目に更新。これにより、67年の歴史をもつソング・チャート“Hot 100”で、男性ソロ・アーティストとしての最多首位獲得数で並んでいたマイケル・ジャクソンとのタイ記録を打ち破り、単独トップへと躍り出た。

 今週のTOP10には、「Janice STFU」の他に9曲を新たにランクインさせていて、自身が持つTOP10ランクイン記録を歴代最多の90曲に更新。また、1週間における同時チャートイン曲数(100位内)でも、昨年5月にモーガン・ウォーレンが記録した37曲を塗り替え、42曲という驚異的な新記録を樹立した。そのうち初登場が40曲(こちらも1週間における新記録)となったことで、ドレイクは同チャートでの通算ランクイン曲数が400曲を超えた史上初のアーティストとなった。

 今週ランクインした42曲は、全て5月15日にリリースされたドレイクのニュー・アルバム3作『アイスマン』(1位)、『ハビビティ』(2位)、『メイド・オブ・オナー』(3位)の収録曲で、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”でそれぞれ1位、2位、3位に初登場を果たし、同チャート70年の歴史においてTOP3を同時に独占した初のアーティストという前人未到の偉業も成し遂げている。

 アルバム『アイスマン』からのリード曲「Janice STFU」は、今週の集計期間(2026年5月15日~5月21日)に公式ストリーミング再生数が4,070万回、ラジオのオーディエンス・インプレッション数が210万回、セールスは3,000を記録した。

 同曲はストリーミング・ソング・チャートでも首位にデビューして、ドレイクにとって同チャートでの史上最多記録を通算22曲目に更新した。また、2026年の週間ストリーミング再生数としては、2月に開催された【第60回スーパーボウル】のハーフタイム・ショー出演効果で4,300万回を打ち出した、バッド・バニーの「DtMF」に続く2番目の記録となる。

 「Janice STFU」が初週で記録したストリーミング再生数(4,070万回)は、2025年3月の集計週にケンドリック・ラマー&シザの「ルーサー」が記録した4,520万回以来、R&B/ヒップホップの楽曲しては1年以上の期間での最多再生数となる。主要チャートでは、その他にデジタル・ソング・セールス・チャートでも6位に初登場した。

 「Janice STFU」は、今週最もストリーミングされた楽曲となったが、ラジオのオーディエンス・インプレッション数においては4位にとどまった。今週ラジオで最も数字を稼いだのは、皮肉にも「2 Hard 4 the Radio(ラジオには激しすぎる)」が記録した630万回で、以下「Ran to Atlanta」(410万回)、「Cheetah Print」(280万回)、「Janice STFU」(210万回)、「Amazing Shape」(120万回)と続いている。

 「Janice STFU」は、その他にR&B/ヒップホップ・ソング・チャートと、ラップ・ソング・チャートの両チャートにおいても首位を獲得し、史上最多記録となる通算32作目に首位獲得曲数を更新した。ドレイクは、両チャートにおける首位獲得記録を他のアーティストと大きく引き離し、前者のチャートではアレサ・フランクリンとスティーヴィー・ワンダー(それぞれ20曲)、後者のチャートではリル・ウェイン(12曲)をそれぞれ大幅に上回っている。

 ドレイクがこれまでにソング・チャート“Hot 100”で首位を獲得した14曲は以下の通り。

「Janice STFU」(2026年5月30日/1週 ※今週)
「First Person Shooter(feat. J.コール)」(2023年10月21日/1週)
「Slime You Out(feat. シザ)」(2023年9月30日/1週)
「Jimmy Cooks(feat. 21サヴェージ)」 (2022年7月2日/1週)
「Wait for U(フューチャー feat. ドレイク&テムズ)」 (2022年5月14日/1週)
「Way 2 Sexy(feat. フューチャー&ヤング・サグ)」(2021年9月18日/1週)
「What’s Next」(2021年3月20日/1週)
「Toosie Slide」(2020年4月18日/1週)
「In My Feelings」(2018年7月21日/通算10週)
「Nice for What」(2018年4月21日/通算8週)
「God’s Plan」(2018年2月3日/通算11週)
「One Dance( feat. ウィズキッド&カイラ)」(2016年5月21日/通算10週)
「Work(リアーナ feat. ドレイク)」(2016年3月5日/通算9週)
「What’s My Name?(リアーナ feat. ドレイク)」(2010年11月20日/1週)

 上記のうち14曲中10曲が「初登場1位」で、1位で初登場した曲数としても史上最多記録を更新した。なお、1位に初登場しなかった曲は「In My Feelings」(6位)、「One Dance」(21位)、リアーナ名義の「What’s My
Name?」(83位)、「Work」(9位)の4曲で、今年代(2020年代)に首位を獲得した8曲は全て初登場で1位を獲得している。

 かつてドレイクは、2023年の楽曲「First Person Shooter」で「俺はマイケルまであと1曲だ」とラップし、マイケル・ジャクソンの名曲「今夜はビート・イット」へのオマージュを捧げていた。同曲の首位獲得によって2023年時点ではタイ記録に並んでいたが、今週「Janice STFU」が首位を獲得したことで、ついに単独で男性ソロ・アーティストの頂点へと上り詰めた。

 マイケル・ジャクソンは、1988年7月2日付のチャートで「ダーティー・ダイアナ」が自身11曲目の首位を獲得して以来、35年以上にわたり男性ソロ・アーティストにおける最多首位獲得記録を単独で保持していたが、ついにその大記録がドレイクによって塗り替えられることとなった。「ダーティー・ダイアナ」が収録されたアルバム『バッド』からは、同曲を含めて5曲が首位を獲得している(同チャート史上2度しか達成されていない快挙の初事例)。

 ドレイクは、全ソロ・アーティストにおける首位獲得数において、マライア・キャリー(19曲)に次ぐ歴代2位タイとなるリアーナ、テイラー・スウィフトの記録(それぞれ14曲)に並んだ。

 1958年8月4日付にチャートが始まって以来、ソング・チャート“Hot 100”で最も多くの首位を獲得したアーティストは以下の通り。

・20曲 ザ・ビートルズ
・19曲 マライア・キャリー
・14曲 ドレイク
・14曲 リアーナ
・14曲 テイラー・スウィフト
・13曲 マイケル・ジャクソン
・12曲 マドンナ
・12曲 ザ・スプリームス
・11曲 ホイットニー・ヒューストン
・10曲 ジャネット・ジャクソン
・10曲 スティーヴィー・ワンダー
・10曲 ブルーノ・マーズ

 ドレイクは、首位を獲得した14曲で首位獲得週数を通算57週目に更新した。この記録は、マライア・キャリー(101週)、リアーナ(60週)、ザ・ビートルズ(59週)に続く史上4番目で、5位にはボーイズIIメン(50週)がランクインしている。また、トロント出身のドレイクは、カナダ人アーティストにおける最多首位獲得記録も更新した(2位はジャスティン・ビーバーの8曲、3位はザ・ウィークエンドの7曲)。

 今週のTOP10に9曲を初登場させたことで、ドレイクはTOP10のランクイン曲数を歴代最多記録の通算90曲目に更新した。TOP10にランクインした9曲は全て『アイスマン』の収録曲で、5曲以上のTOP10ヒットを輩出した名盤の仲間入りを果たしている。

 全アーティストによるTOP10獲得曲数のランキングは以下の通り。

・90曲 ドレイク
・69曲 テイラー・スウィフト
・38曲 マドンナ
・35曲 ザ・ビートルズ
・32曲 リアーナ
・30曲 マイケル・ジャクソン
・29曲 エルトン・ジョン
・28曲 マライア・キャリー
・28曲 スティーヴィー・ワンダー
・27曲 ジャネット・ジャクソン
・27曲 ジャスティン・ビーバー
・26曲 リル・ウェイン
・25曲 エルヴィス・プレスリー(1958年以前の記録は含まれない)

 今週のチャートで、ドレイクは1週間で最多となる42曲を同時にチャートインさせるという新記録を樹立した。これは、2025年5月31日付のチャートでモーガン・ウォーレンがアルバム『アイム・ザ・プロブレム』から37曲をランクインさせたのを上回る記録だ。モーガン・ウォーレンは、前作『ワン・シング・アット・ア・タイム』がチャートインした2023年3月18日付のチャートで36曲を記録し、自身の記録を昨年塗り替えたばかりだが、今回のドレイクがその記録をさらに大きく更新したことになる。

 今週ランクインした全42曲(記載がない曲はすべて初登場)、およびTOP10にランクインした楽曲の週間ストリーミング再生数は以下の通り。

1位:「Janice STFU」(4,070万回)
2位:「Ran to Atlanta(feat. フューチャー&モリー・サンタナ)」(3,850万回)
3位:「Whisper My Name」(3,450万回)
4位:「Shabang」(3,290万回)
6位:「National Treasures」(3,170万回)
7位:「Make Them Cry」(3,010万回)
8位:「Dust」(2,910万回)
9位:「2 Hard 4 the Radio」(2,710万回)
10位:「Make Them Pay」(2,530万回)
11位:「Plot Twist」
12位:「B’s on the Table(feat. 21サヴェージ)」
13位:「Burning Bridges」
15位:「What Did I Miss?」(再チャートイン:昨年7月に最高位2位で初登場)
18位:「Little Birdie」
19位:「Make Them Remember」
21位:「Make Them Know」
22位:「Hoe Phase」
23位:「Don’t Worry」
28位:「WNBA」
31位:「Firm Friends」
34位:「I’m Spent(feat. ロー・シミー)」
35位:「Classic」
36位:「Fortworth(feat. パーティナクストドア)」
39位:「Slap the City(with クエンザ)」
41位:「Cheetah Print(with セクシー・レッド)」
42位:「Road Trips」
43位:「High Fives」
56位:「Gen 5」
57位:「White Bone」
61位:「Hurrr Nor Thurrr(feat. セクシー・レッド)」
63位:「Which One(with セントラル・シー)」(再チャートイン:昨年8月に最高位23位で初登場)
65位:「Outside Tweaking(with スタナ・サンディ)」
67位:「True Bestie(with アイコニック・サヴィー)」
71位:「Rusty Intro」
72位:「New Bestie」
74位:「BBW」
76位:「Amazing Shape(with ポップカーン)」
82位:「Prioritizing」
85位:「Q&A」
88位:「Goose and the Juice」
92位:「Princess」
93位:「Stuck」

 「Ran to Atlanta」が2位にランクインしたことによって、ゲストのフューチャーは通算16曲目のTOP10入りを果たし、モリー・サンタナはビルボード・チャート初登場にして自身初のTOP10入りという快挙を達成した。

 また、ドレイクはTOP40ヒット数を通算241曲目(今週新たに23曲を追加)に更新し、歴代最多記録をさらに伸ばした。2位はテイラー・スウィフトの177曲で、以下リル・ウェイン(91曲)、エルヴィス・プレスリーとイェー(旧名カニエ・ウェスト、各81曲)が続いてTOP5にランクインしている。

 さらに、ドレイクはHot 100(100位内)への通算エントリー総数を402曲(今週40曲が初登場)に伸ばし、キャリア通算で400曲という驚異的な大台を突破した史上初のアーティストとなった。続いて276曲でテイラー・スウィフト、フューチャーの228曲(今週新たに記録を更新)、4位にグリー・キャストの207曲、5位にリル・ウェインの195曲と続いている。

 ラップ・ソング(ヒップホップ)としては、2025年5月24日付のチャートで13週間の首位を記録したケンドリック・ラマー&シザの「ルーサー」以来、「Janice STFU」が1年1週間ぶりの首位獲得曲となる(ラップ・ソングの定義はラップ・ソング・チャートにランクインした楽曲とする)。

 この間の空白期間(約1年間)には13曲が首位を獲得していたが、その内訳はポップが8曲、カントリーが2曲、ダンス/ポップが1曲、ラテンが1曲、R&Bが1曲と、2025年の下半期以降は上位圏はポップ勢がR&B/ヒップホップを圧倒する展開が続いていた。

 この空白期間の前にも、2022年から2023年にかけてニッキー・ミナージュの「スーパー・フリーキー・ガール」からドージャ・キャットの「ペイント・ザ・タウン・レッド」までの間、1年以上にわたってラップ・ソングが首位を獲得できない期間があった。しかしそれ以前においては、1999年以降ラップ・ソングの首位獲得曲が1年以上の間隔を空けたことは一度もなかった。

 「Janice STFU」には、スウェーデン出身の女性シンガー・ソングライター=リッキ・リーの「アイ・フォロー・リヴァーズ」(2011年)がサンプリングされていているが、同曲は2011年から12年にかけて複数の国でTOP10にランクインしたものの、米ビルボード・チャート(アメリカ)には一度もランクインしたことがなかった。

 「アイ・フォロー・リヴァーズ」は、ビョルン・イットリング、リック・ノエルズとの共作曲で、ソングライターとして参加した2人は、以前ソング・チャート“Hot 100”でTOP10入りした実績を持っている。ビョルン・イットリングは、ワンリパブリックの「アイ・エイント・ウォリード」(2022年/最高6位)、リック・ノエルズはこれまでに4曲をTOP10にランクインさせていて、1987年にベリンダ・カーライルの「ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」で1位を獲得したことがある。

 ドレイクがTOP10のうち9曲を占めるのは、アルバム『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』の初登場週(2021年9月18日付)に続き、キャリア史上2度目の快挙となる。この記録を上回っているのはテイラー・スウィフトのみで、『ミッドナイツ』(TOP10独占)、『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(TOP14独占)、そして昨年の『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』(TOP12独占)で、TOP10独占を3度達成している。

 今週のTOP10でドレイクの完全独占を阻んだ唯一の楽曲が、5位にランクインしたエラ・ラングレーの「チュージン・テキサス」だ。通算10週の首位からはランクダウンしたものの、5月17日に開催された【アカデミー・オブ・カントリー・ミュージック】でのパフォーマンスが好影響を与え、ストリーミング再生数が2,770万回(前週同率)、ラジオのオーディエンス・インプレッション数は4,960万回(前週比3%増加)、セールスは9,000(前週比26%増加)にそれぞれ上昇し、デジタル・ソング・セールス・チャートでは8週目の首位、カントリー・ソング・チャートでは通算26週目の1位をキープしている。

 ドレイク以外の楽曲としては、14位に同じくエラ・ラングレーの「ビー・ハー」(最高位2位からダウン)がランクイン。続いて16位には、ブルーノ・マーズの「アイ・ジャスト・マイト」がランクインして、エアプレイ・チャートでは14週目の首位(7,110万回/先週比2%減少)をキープ。R&Bソング・チャートでも19週目の1位を獲得して、両チャートにおける自己最長記録をさらに更新した。

 さらにオリヴィア・ディーンの2曲がそれに続き、「マン・アイ・ニード」が17位(最高位2位)、「ソー・イージー(トゥ・フォール・イン・ラヴ)」が20位(最高位5位)へそれぞれランクダウンしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月29日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「Janice STFU」ドレイク
2位「Ran to Atlanta」ドレイク feat. フューチャー&モリー・サンタナ
3位「Whisper My Name」ドレイク
4位「Shabang」ドレイク
5位「チュージン・テキサス」エラ・ラングレー
6位「National Treasures」ドレイク
7位「Make Them Cry」ドレイク
8位「Dust」ドレイク
9位「2 Hard 4 the Radio」ドレイク
10位「Make Them Pay」ドレイク


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