【Bangkok Music City 2026】が盛況のうちに閉幕、日本から5組のアーティストが出演

2026年3月13日 / 17:00

 【Bangkok Music City 2026】が2026年1月24日と25日にタイ・バンコクにて開催された。

 音楽業界の主要5団体が垣根を越えて設立し、2025年5月に【MUSIC AWARDS JAPAN】を開催した一般社団法人カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会(CEIPA)とTOYOTA GROUPが、本質的な日本音楽産業のグローバル化と持続的な成長支援・推進する共創プロジェクトとして立ち上げた『MUSIC WAY PROJECT』。その一環として、タイで行われた【Bangkok Music City2026】に出演した5組のアーティストをサポートし、カンファレンスも開催された。

 日本のカンファレンス・セッションには、6人のスピーカーが登壇。日本音楽市場の“いま”が、ライブツアー、ストリーミング、ファンダム等様々な側面から語られた。また、24日の夜には、ジェトロとの共催によるネットワーキングイベント【Japanese Music Industry Mixer “tsudoi ’26”】が開催。国内外の音楽産業従事者300人以上が参加し、振る舞われた日本酒や日本食とともに交流を深めた。

 ショーケースライブには、日本から5組のアーティスト(Billyrrom/Black petrol/CANDY TUNE/luv/山本大斗)が出演。以下、当日のライブレポートをお届けする。

<Black petrol>
 Black petrol の音楽スタイルは、ヒップホップ、ジャズ、ファンク、ソウル、R&Bといったブラック・ミュージックを核に、多彩なジャンルから影響を受けている。複雑な構造を持ちながらも、自然と身体が揺れてしまうようなグルーヴ感を兼ね備えたサウンドが特徴だ。登場すると、まずはインストゥルメンタルのジャズ演奏で観客に挨拶し、これから始まるショーへの期待感を高める。しばらくして、ボーカルのSOMAOTAが観客に語りかけ、イントロ的なインスト曲から自然な流れで、ショーの1曲目「Cardiogram」 へと繋いでいった。

 SOMAOTAは卓越したラップスキルを持ち、高音域の個性的な声と滑らかなフロウで、畳みかけるように言葉を連ね、観客を一気に引き込んでいく。一方、サックス奏者のDaiki Yasuharaは、バンドのジャズパートの要であると同時に、コーラスとしてラップを支え、ボーカルに奥行きと立体感を加えていた。

 スタジオ音源をそのまま再現するのではなく、ライブならではのアレンジを加え、より濃密なショーを作り上げる。2曲目「Kyoto State of Mind」では、長尺のギターソロが追加され、タイの観客から大きな歓声が上がった。音楽の熱量と激しいパフォーマンスに煽られ、会場全体がリズムに合わせて身体を揺らす。クラブ・ミュージック調のエレクトロニックビートが印象的な「Hollow」を披露後、再び「Stressor」でギアを上げ、終盤へ。音楽の熱量とともにテンポをどんどん加速させていき、圧倒的なエンディングを迎えた。

<Billyrrom>
 東京出身の6人組バンドBillyrromは、近年の日本インディーシーンにおいて、勢いがあり、かつ強い個性を放つアーティストの1組である。バンドは自らの音楽を“Tokyo Transition Soul”と定義している。ネオソウル、ファンク、ロック、シティポップを滑らかに融合させたサウンドは非常にインターナショナルで、自然と身体が動き出すようなリズムを持ち、都市的(アーバン・ミュージック)な感覚に満ちている。

 ステージセットアップを終えると、Billyrrom は挨拶代わりにすぐさま1曲目「Noidleap」を披露。この曲ではアウトロを長く拡張し、ギターのRinが観客の目前でソロを披露できるようにアレンジされていた。1曲目を終えると、ボーカルのMolが観客に立ち上がるよう促し、バンドのヒット曲「Once Upon A Night」へ。この曲でもソロパートを長めに取り、観客に一度しゃがむよう指示し、その後一斉にジャンプして踊るよう仕掛けた。

 ラストは最新EPのヒット曲「Funky Lovely Girl」を披露。観客が最高潮に盛り上がる中、Molはサビの「Oh Funky Lovely Girl」を「Oh Funky Love Bangkok」に変えて観客に合唱を促し、開催地への最大限のリスペクトを示した。大きな歓声と拍手の中でショーは幕を閉じる。

<山本大斗>
 最終日の25日に登場したのは、『MUSIC WAY PROJECT』日本人出演者の中で唯一のソロアーティストである福岡出身の若きアーティスト山本大斗。彼の音楽スタイルは、特定のジャンルに縛られない現代的なポップロック。多様な音楽的影響をそれぞれの楽曲に織り交ぜており、ある曲では海の底に沈み込むような感覚を与え、またある曲では車で前へ突き進むような疾走感を感じさせる。

 ショーは自身のデビューシングル「船出に祈り」でスタート。ゆったりとしたフォークポップだが、美しさと温かさに満ちており、前日よりやや気温が高く感じられる日曜の空気にもよく合っていた。曲後に観客へ挨拶し、続いてフォークソング調のメロディを持つポップナンバー「夜明迄 -Eternal Sunshine-」を披露。

 エモーショナルなロックバラード「独白」も披露され、観客をしっかりと感情の渦へと引き込んだ。再びテンポを上げた「18の息吹」を終えると、代表曲「徒然 – Tsurezure」へとつなぐ。心地よいポップのバイブスと耳に残るメロディで、前方の観客も自然とリズムに身を委ねる。ラストは「さよなら – SAYONARA」。楽しい雰囲気のままショーを締めくくり、観客の大きな拍手に送られながらステージを後にした。

<CANDY TUNE>
 CANDY TUNEは現在、日本で最も知名度の高い女性アイドルグループの1つである。 2025年末には『第76回NHK紅白歌合戦』のステージに立つまでに成長した。彼女たちは日本音楽界最高峰の栄誉ある舞台を終えたばかりのアーティストであり、しかも今回はファンとの距離が非常に近いステージでのパフォーマンスだ。ステージ前方には、応援タオルやペンライトを持った日本人ファンが大勢詰めかけ、周囲にもタイ人や日本人の観客がぎっしりと集まった。熱心なオタクから通りがかりの観客まで、さらに各国の音楽業界関係者も多く詰めかけ、日本を代表するアイドルのパフォーマンスを見守った。

 「レベチかわいい!」や「アイしちゃってます▽(※)」などヒット曲を立て続けに披露。このステージの応援スタイルは、他の出演アーティストとは明らかに異なる。日本のアイドル文化特有のスタイルで、オタクたちはミックスやメンバー名のコールを曲に合わせて叫び、推しメンバーのカラーに合わせたペンライトを振り続けた。MCでは、メンバーが順番にタイ語で自己紹介。ミドルテンポで可愛らしいメロディの「君もゾンビですか ゾンビですね」の後、続く「TUNE MY WAY」では力強くキレのあるダンスで雰囲気を一変させた。

 ラストは、2025年にTikTok総再生数40億回超を記録したバイラルヒット「倍倍 FIGHT!」。どのステージよりも近い距離で、バンコクの観客へエクスクルーシブに届けられ、あらゆる層の観客を魅了するエネルギーと明るさを放った。彼女たちから溢れる100%超えのエネルギーが十分に伝わるまさに“この時代の国民的アイドル”にふさわしい姿だった。

※「▽」は白抜きのハート

<luv>
 ライブは冒頭から活気に満ち、代表曲「Send To You」でスタート。楽曲のグルーヴ感に加え、特に印象的だったのは DJのOfeen。シンセサイザーやターンテーブルを操り、観客に手拍子を促すだけでなく、日本のアーティストの中では珍しいTalkboxも使用する。

 観客が座ったまま身体を揺らし始めたのを見て、ボーカルのHiynは立ち上がるよう促し、「Motrr」へ。曲中盤ではメンバー全員がソロパートを披露し、熱気あふれる雰囲気を作り出す。

 メジャーデビュー曲 「Fuwa Fuwa」や「Jamlady」「Lee Un Vile」をスタジオバージョンよりテンポアップして連続披露。ファンクのコードを刻みながらラップを織り交ぜ、最高に盛り上がる展開を見せる。アウトロでは、揺れるファンクのリズムから一転、激しいロックへと変化し、ステージライトと相まって観客から大きな歓声が上がった。最後は「Rear」で締めくくり、バンコクの夜を、チルで甘い雰囲気のまま終えた。

◎イベント情報
【Bangkok Music City 2026】
2026年1月24日(土)~1月25日(日)
タイ・バンコク【Bangkok Music City 2026】特設ステージ

(C)Bangkok Music City 2026


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