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THE ORAL CIGARETTES、SPYAIR、THE&が出演した【Boo Night Tour 2025-26】の初日公演が12月17日、愛知・Zepp Nagoyaで開催された。
MC Booが主催するライブイベント【Boo Night】は、2007年に東京・恵比寿MILKでスタート。2017年以降はMC Boo自身の多忙が重なり、再開を企画している段階でコロナ禍に突入。今年12月より約9年ぶりに、愛知、福岡、東京、大阪の4都市を回るツアー形式で実施されることとなった。
<THE&>
「最高のメンツが集まってくれました! もうリハを見てるだけで感動してきちゃって……」と高鳴る気持ちを抑え切れない様子のMC Booから、「【Boo Night】、スタートしちゃっていいですか? まずはこのアーティストからいきましょう!」とアナウンスされたのは、FUZZY CONTROLで長年活動してきたJUON(Vo.Gt)とSATOKO(Dr.Cho)が、2024年に新たに始動させたバンドTHE&だ。
「名古屋ー!」というJUONの咆哮を合図に、1曲目の「METAPAN」からすさまじい音圧でZepp Nagoyaを完全包囲。ギターボーカルとドラムコーラスのツーピースとはまるで思えないスーパーヘヴィ級サウンドに終始圧倒されながら、「みんなの声が聴きたい」とJUONが呼び掛け「HEADS UP KEEP UP WAKE UP STAND UP」へ。サーチライトが駆け巡るなか、すでにスタジアムすら震わせる絵が目に浮かぶ鋼の音像をぶっ放していく。
「ついに【Boo Night】初日が始まりました。THE&は初参戦ということで初めて見る方も多いと思いますが、音楽を愛してる人だけがZepp Nagoyaに集まってるわけじゃない? ロックじゃないと溶かせない何かがあるじゃん? みんなと一緒になって、めちゃくちゃいい時間にしたいと思ってます!」(JUON)
後半戦は雷鳴轟くSEから突入したダークネスな「GALILEO」、「良かったらTHE&と踊ってくれませんか?」とSATOKOが導いたポップでダンサブルな「HAZE OF SUN」と立て続け、「みんなと出会えてすごくうれしいです。完全に心でつながっちゃったなと思っているので、これからも末永くよろしくお願いします。『Boo Night』、最後まで楽しんでいってください!」とJUONが叫び、メロウでエキセントリックな「WE ARE BACK」でエンディング。強烈なパフォーマンスとは裏腹の人懐っこいトークでも魅了した最強のトッパーが、『Boo Night』復活ののろしを上げた。
<SPYAIR>
SPYAIRは地元名古屋でのライブとあって、エアロスミスの「イート・ザ・リッチ」を背に登場するなり大歓声が巻き起こる。助走なしで瞬く間に沸点まで到達した「現状ディストラクション」からZepp Nagoyaを埋め尽くす拳が突き上がり、YOSUKE(Vo)が「ようこそSPYAIRのライブへ!」と告げ「イマジネーション」へ。早くもワンマンライブばりの空気感を漂わせ、場内のはち切れんばかりの熱気にYOSUKEも思わず「ヤベぇな、ただいま名古屋」とうれしそうな表情。「知っても知らなくても俺らの音に身を任せて体を揺らしてちょうだい!」とさらにハートに火をつけるような「Bring the Beat Back」を投入し、天井知らずのエモーションで攻め立てる。
「改めましてSPYAIRです! 今日は地元だからこそ【Boo Night】名古屋編に呼ばれたと思ってます。しっかりと僕たちの気持ちを、皆さんの気持ちを上げて、最後にオーラルでぶち上がって帰りましょう。そして、素敵な夜をありがとうBooさん!」(YOSUKE)
MC Booへの恩も忘れず、YOSUKEが壮絶なシャウトを響かせた「RE-BIRTH」では見渡す限りが手を振る絶景を生み出し、ボートレース2025テーマソングとして大量オンエアされている「Chase the Shine」では観客が跳ねに跳ねまくる! 「RAGE OF DUST」では、UZ(Gt.Prog)、MOMIKEN(Ba)、KENTA(Dr)のプレーヤーとしての見せ場も満載で、クライマックスは【Boo Night】のタオルが幾つも舞った必殺の「サムライハート(Some Like It Hot!!)」で大盛り上がりだ。
「ちょっと小洒落たことを言うけど、久しぶりの日本でのライブなんですよ(笑)。やっぱり日本最高だね! そして地元名古屋最高! 帰ってきた安心感があります。本当にライブって素敵だなと改めて思いました。遊んでくれてありがとう」とほほ笑んだYOSUKEの横顔は、今でもロックキッズのように無垢なきらめきをのぞかせる。ラストは壮大なミドルチューン「オレンジ」でTHE ORAL CIGARETTESへとバトンを渡したSPYAIR。MC Booが結んだ縁がもたらした、何とも幸福な時間となった。
<THE ORAL CIGARETTES>
この日の大トリTHE ORAL CIGARETTESは、山中拓也(Vo.Gt)が「俺らがどれだけ名古屋を愛してるか分かりますか?」といきなりぶち上げ、「Dream In Drive」で一気に快楽の渦へと引きずり込んでいく。「Shala La」ではめくるめくグルーヴに心地良く翻弄され、出し惜しみせず放った「Mr.ファントム」にフロアも大興奮! ものの3曲で完全にZepp Nagoyaを完全にロックオンしたオーラルは、あっという間に無双状態だ。
「名古屋のメンツが発表されたとき、だいぶ意外やったんちゃう? SPYAIRを見てると、とんでもない数のライブをしてきたと分かるのでBooちゃんにも感謝やし、最高の一日にして帰りたいと思ってます。オーラルもSPYAIRもTHE&のファンも関係なく楽しんでいこう!」(山中、以下同)
そんな言葉でギュッと場を一つにしたオーラルの疾走感と爆発力は、続く「OVERNIGHT」でも加速するばかり。「UNDER and OVER」でもZepp Nagoyaを軽々と踊らせ、美しくも荘厳な「SODA」では、見る者を高ぶらせる幻想的な空間を作り出す。さまざまなサウンドデザインが施された多彩な楽曲群にはますます目を見張るばかりだ。
「今日はよく考えてみると共通点があって。俺ら3組とも、超苦しい時期を乗り越えてきたバンドだと思います。SPYAIRを端から見てて、それでも立ち上がるのかすごいなって勇気づけられたバンドやったし、THE&も前のバンドを知ってるんですよ。ステージの上ってキラキラしてるし順風満帆に見えるやん。でも、みんなと何も変わらない。みんなも苦しい思いをいっぱいして、折れそうなときに支えになったのが音楽やから、今ここにおるんやろ? 俺らも一緒やねん。だからこうやって集まれてるんやと思う。だから今日のライブにはすごく意味があると思ってる」
山中のこのMCがこの夜に一本の筋を通したのは明白だ。今にも破裂しそうなエナジーの巣窟に容赦なくタイトル通りの狂乱をぶち込んだ「狂乱 Hey Kids!!」、オーラルのレパートリーの中でもひときわハイパワーな「DUNK feat.Masato(coldrain)」と、脳汁ドバドバのアンセムのラッシュにはオーディエンスも狂喜乱舞だ。
「みんながどれだけ音楽が好きか、ライブをやってたら分かるわ。いつもありがとう。ずっと音楽を好きでいてくれよ!」とささげた「聖夜」は、過去の痛みを肯定し生きていく気持ちが刻まれた一曲。この3組だからこそ成し得た『Boo Night』にふさわしいエンドロールだ。
アンコールでは、オーラルのワンマンでは恒例の中西雅哉(Dr)によるグッズ紹介、“まさやんショッピング”出張特別編として【Boo Night】のタオルを宣伝(笑)。最後にオーラルが渾身の「5150」を届け、MC Booが「みんなのおかげで最高の一日になりました! また会いましょう」と、熱狂冷めやらぬ【Boo Night】の初日を締めくくった。
なお、今後の【Boo Night Tour 2025-26】は、12月20日の福岡・Zepp FukuokaにMONGOL800、The Ravens、RIZE、THE&、12月27日の東京・Zepp DiverCity(TOKYO)にACIDMAN、coldrain、MAN WITH A MISSION、THE&が出演する。
Text:奥“ボウイ”昌史
Photos:kota maruyama
◎公演情報
【Boo Night Tour 2025-26】※終了分は割愛
2025年12月20日(土)福岡・Zepp Fukuoka
出演:MONGOL800、The Ravens、RIZE、THE&
2025年12月27日(土)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
出演:ACIDMAN、coldrain、MAN WITH A MISSION、THE&
2026年1月23日(金)大阪・Zepp Osaka Bayside
出演者は後日発表
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