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今週(2025年10月18日付)の米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”は、テイラー・スウィフトの最新作『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』が様々な記録を塗り替えて1位に初登場。自身15作目のNo.1タイトルを獲得して、ソロ・アーティストとしては史上最多記録を達成した。
2025年10月3日にリリースされたテイラー・スウィフトのニュー・アルバム『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』は、初週(2025年10月3日~10月9日)以下の記録を打ち出して4,002,000ユニットを獲得した。
・アルバム・セールス(CD・レコード・デジタル・ダウンロードの累計売上枚数):3,479,500(アルバム・セールス・チャートで初登場1位)
・ストリーミングによるアルバム換算ユニット(SEA):522,600(アルバム収録曲のオンデマンド公式ストリーミング再生数は6億8,090万回、ストリーミング・アルバム・チャートで1位に初登場)
・トラックによる換算ユニット(TEA):0(本作の収録曲はいずれもデジタル・ダウンロードの単体曲として販売されていないため)
トラックによる換算ユニットによるポイントがない(単体曲の販売がない)アルバムが1位を獲得するのは、2014年12月13日付のチャートから「総合ユニット数」でランキングを始めて以来初の事例となる。
『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』は、今年の8月12日にリリースが発表された直後から公式ウェブサイトで予約受付を開始。アルバムがリリースされた10月3日の発売週には、積極的なプロモーション活動を展開した。主な出演は、各ラジオ番組出演に加えて米NBCの『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』(10月6日放送)、『レイト・ナイト・ウィズ・セス・マイヤーズ』(10月8日放送)のインタビューなどがある。
さらに、アルバムのリリースに合わせて公開された映画『テイラー・スウィフト:オフィシャル・リリース・パーティー・オブ・ア・ショーガール』が10月3~5日の週末における全米およびカナダの週末興行収入ランキングで1位を獲得。アルバムのリード・シングル「ザ・フェイト・オブ・オフィーリア」の公式ミュージック・ビデオは10月5日に公開され、こちらも大きな反響を呼んでいる。
本作が1位を獲得したことで、テイラー・スウィフトはアルバム・チャート“Billboard 200”での首位獲得数を15作目に更新。これにより、14作で並んでいたドレイクとジェイ・Zを抜き、ソロ・アーティストとしては最多記録を達成した。全アーティストでは、19作をもつザ・ビートルズに次ぐ歴代2位の座についたことになる。
以下、1956年3月に同チャートの集計が始まって以来の記録一覧
・19作 ザ・ビートルズ
・15作 テイラー・スウィフト
・14作 ジェイ・Z
・14作 ドレイク
・11作 エミネム
・11作 フューチャー
・11作 ブルース・スプリングスティーン
・11作 バーブラ・ストライサンド
・11作 カニエ・ウェスト(イェー)
・10作 エルヴィス・プレスリー
・9作 ガース・ブルックス
・9作 ケニー・チェズニー
・9作 マドンナ
・9作 ザ・ローリング・ストーンズ
アルバム・チャート“Billboard 200”は、2014年12月からチャートの算出方法を変更し、週ごとのアルバム・セールス(フィジカルおよびデジタル・ダウンロードの売上)に加えて、ストリーミングによるアルバム換算ユニット(SEA)、トラックによる換算ユニット(TEA)を総合した「アルバム換算ユニット」に基づくチャートとなった。
以下は2014年12月以降の「アルバム換算ユニット」に基づく週間最多記録で、上位10作中6作をテイラー・スウィフトの作品が占めている。
()は獲得ユニット数/獲得週
語尾に※の付いているアデルの『25』以外は全て初登場週の記録
・テイラー・スウィフト『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』 (4,002,000ユニット/2025年10月18日付)
・アデル『25』 (3,482,000ユニット/2015年12月12日付)
・テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2,610,000ユニット/2024年5月4日付)
・テイラー・スウィフト『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』 (1,653,000ユニット/2023年11月11日付)
・テイラー・スウィフト『ミッドナイツ』 (1,578,000ユニット/2022年11月5日付)
・テイラー・スウィフト『レピュテーション』 (1,238,000ユニット/2017年12月2日付)
・アデル『25』 (1,193,000ユニット/2016年1月9日付)※
・アデル『25』 (1,162,000ユニット/2015年12月19日付)※
・ドレイク『ヴューズ』 (1,039,000ユニット/2016年5月21日付)
・テイラー・スウィフト『ラヴァー』(867,000ユニット/2019年9月7日付)
先述の通り、『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』は初週のアルバム・セールス(デジタル・ダウンロード、CD、アナログ盤、カセットテープの累計売上枚数)が3,479,500枚を記録した。これは、1991年にルミネイトが集計を始めて以降、週間セールスとしての最高記録となる。
初日に売り上げた2,700,000枚は、発売日に到着するように発送された各フィジカルの事前予約分、および発売日に引き換えられたデジタル・ダウンロードの予約分による影響が大きい。
凄まじい記録を達成した本作は、27種類のフィジカルと11種類のデジタル・ダウンロードの全38種類のバージョンがあり、フィジカルの内訳はCDが16種類、グッズとCDがセットになったデラックス・ボックス・セットが2種類、アナログ盤(LP)が8種類、カセットテープが1種類リリースされている。
公式ウェブサイトでは10種類のCDが独占販売された。その内容は、コレクション・チャームとフォトカードが付いたプレミアム仕様のデラックス版が4種類、直筆サイン入りエディションが4種類、ブランドグッズとCDがセットになったデラックス・ボックスセットが2種類ある。これらのウェブサイト限定版は、8月の予約開始以降販売期間が限定されていた。
その他には、Target限定のCDが1種類、一般販売されたCDの通常版が1種類あり、発売週にはボーナス・トラックが追加されたCDが4種類リリースされている。この4種類は当初公式ウェブサイト限定で販売されたが、その後インディーズ系レコード店でも取り扱われるようになった。
公式ウェブサイトでは、アナログ盤(LP)が7種類、カセットテープが1種類が独占販売され、Target限定のアナログ盤も1種類リリースされている。
デジタル・ダウンロードは11種類リリースされていて、一般販売された通常版、ボーナス映像特典がついたiTunes限定版、トラックごとの解説付きエディションには、それぞれクリーン・バージョンとエクスプリシット・バージョンがリリースされている。その他、ボーナス・トラックを収録したiTunes限定版が4種類、ボーナス・トラックを追加した公式ウェブサイト限定版が1種類ある。
限定のデジタル・ダウンロード・アルバムは発売日以降にリリースされていて、発売日当日に購入可能だったのは一般販売された通常版とボーナス映像付きのiTunes限定版の2種類のみだった。
1週間で100万枚以上を売り上げたのは、テイラー・スウィフトにとって『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』が以下に続く通算8作目のタイトルとなる。
・『スピーク・ナウ』(2010年)
・『レッド』(2012年)
・『1989』(2014年)
・『レピュテーション』(2017年)
・『ミッドナイツ』(2022年)
・『1989 (テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年)
・『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年)
・『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』(2025年)
ルミネイトが集計を始めた1991年以降、1週間で100万枚以上を売り上げた週(アルバム)は通算27週間あり、8作をもつテイラー・スウィフトが現時点での最多記録となる。そのうちアデルの『25』のみ3週にわたってそれぞれ100万枚以上を売り上げた(アルバム数としては25作品となる)。
1週間に100万枚以上を売り上げた上位10週のうち5回はデジタル・ダウンロードやストリーミングが普及する前、CDが最盛期を迎えていた2000年代初頭で、当時はアルバムを聴く唯一の手段がCDやLPを購入することだった。2000年はCDによるアルバム・セールスのピークで、アメリカ国内では1年で7億8,500万枚のセールスが記録されている。
一方、2025年(10月2日時点)の累計アルバム売上枚数は6,243万枚にとどまっていて、そのうち約半数の3,000万枚はアナログ盤(LP)による売上枚数だった。
以下は、ルミネイトが集計を始めた1991年以降のアルバム週間セールス上位10作品
順位/アーティスト/タイトル/売上枚数/チャート日
()は週間売上枚数/獲得週
・テイラー・スウィフト『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』 (3,479,500枚/2025年10月18日付)
・アデル『25』 (3,378,000枚/2015年12月12日付)
・イン・シンク『ノー・ストリングス』(2,416,000枚/2000年4月8日付)
・テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(1,914,000枚/2024年5月4日付)
・イン・シンク『セレブリティ』(1,880,000枚/2001年8月11日付)
・エミネム『ザ・マーシャル・マザーズLP』(1,760,000枚/2000年6月10日付)
・バックストリート・ボーイズ『ブラック・アンド・ブルー』(1,591,000枚/2000年12月9日付)
・テイラー・スウィフト『1989 (テイラーズ・ヴァージョン)』(1,359,000枚/2023年11月11日付)
・エミネム『ザ・エミネム・ショウ』(1,322,000枚/2002年6月15日付)
・ブリトニー・スピアーズ『ウップス!…アイ・ディド・イット・アゲイン』(1,319,000枚/2000年6月3日付)
『ザ・エミネム・ショウ』は発売日と集計期間がずれていたため初登場週(2002年6月8日付)は販売期間が短く、6月15日付チャートが実質的な初週分の売上枚数としている。
『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』は、8種類のアナログ盤による売上枚数が1,334,000枚という驚異的な記録を打ち出し、ルミネイトが集計を始めた1991年以降におけるLPの週間最高セールスを更新した。テイラー・スウィフトは、1991年以降のLP週間売上TOP10のうち8作(8週)を独占していて、そのうち上位6作(6週)はすべてテイラーのアルバムが占めている。
2024年の年間LP売上枚数TOP10のうち5作品がテイラー・スウィフトの作品で、年間のLP累計販売枚数でも全アーティスト中最多記録を達成した。なお、2024年はアナログ盤の売上枚数が18年連続で増加した年でもある。
以下は、ルミネイトが集計を始めた1991年以降におけるLPの週間セールスTOP10
()は週間売上枚数/獲得週
語尾に※の付いている『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』以外は全て初登場週の記録
・テイラー・スウィフト『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』 (1,334,000枚/2025年10月18日付)
・テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(859,000枚/2024年5月4日付)
・テイラー・スウィフト『1989 (テイラーズ・ヴァージョン)』(693,000枚/2023年11月11日付)
・テイラー・スウィフト『ミッドナイツ』(575,000枚/2022年11月5日付)
・テイラー・スウィフト『スピーク・ナウ(テイラーズ・ヴァージョン)』(268,000枚/2023年7月22日付)
・テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(191,000枚/2024年12月14日付)※
・ハリー・スタイルズ『ハリーズ・ハウス』(182,000枚/2022年6月4日付)
・テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(164,000枚/2024年12月21日付)※
・テイラー・スウィフト『ラヴァー:ライヴ・フロム・パリ』(161,000枚/2025年1月25日付)
・サブリナ・カーペンター『マンズ・ベスト・フレンド』(160,000枚/2025年9月13日付)
『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』が初週で記録したオンデマンド公式ストリーミング再生数は6億8,090万回で、2025年におけるアルバム最大のストリーミング再生数を更新した。なお、これまでの最高記録は自身の『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が記録した8億9,137万回で、デラックス版に収録された31曲によって打ち出されている。
『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』のストリーミングは、12曲を収録した通常版、通常版の12曲に自身の解説トラックを加えた解説版、解説と各曲のリリック・ビデオを収録したバージョンが配信されている。
以下は、アルバムの週間ストリーミング再生数最多記録TOP10
()は週間再生数/獲得週
・テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(8億9,137万回/2024年5月4日付)
・ドレイク『スコーピオン』(7億4,592万回/2018年7月14日付)
・ドレイク『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(7億4,367万回/2021年9月18日付)
・テイラー・スウィフト『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』(6億8,090万回/2025年10月18日付)
・テイラー・スウィフト『ミッドナイツ』(5億4,926万回/2022年11月5日付)
・ドレイク『フォー・オール・ザ・ドッグス』(5億1,401万回/2023年10月21日付)
・ドレイク&21 サヴェージ『ハー・ロス』(5億1,356万回/2022年11月19日付)
・モーガン・ウォーレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(4億9,828万回/2023年3月18日付)
・モーガン・ウォーレン『アイム・ザ・プロブレム』(4億6,263万回/2025年5月31日付)
・リル・ウェイン『カーターV』(4億3,302万回/2018年10月13日付)
今週のTOP10に初登場したのは『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』のみで、2位以下は前週までにランクインしたタイトルで構成されている。
先週2週目の首位を獲得したNetflixのアニメーション映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』のサウンドトラック(96,000ユニット/前週比7%減少)は今週2位にランクダウン。モーガン・ウォーレンの『アイム・ザ・プロブレム』(82,000ユニット/前週比7%減少)は2位から3位、カーディ・Bの『アム・アイ・ザ・ドラマ?』(63,000ユニット/前週比24%減少)も3位から4位にそれぞれワンランクダウンして、サブリナ・カーペンターの『マンズ・ベスト・フレンド』(50,000ユニット/前週比12%減少)は先週に続き5位をキープしている。
バッド・バニーの『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』は、10月4日に放送された米NBC『サタデー・ナイト・ライブ』の出演効果で先週の10位から6位に再浮上。週間ユニットも5%増加の41,000に上昇した。
先週8位にデビューしたオリヴィア・ディーンの『ジ・アート・オブ・ラヴィング』(35,000ユニット/前週比19%減少)は7位に最高位を更新して、アレックス・ウォーレンの『ユール・ビー・オールライト、キッド』(32,000ユニット/前週比6%減少)は11位から8位、シザの『SOS』(32,000ユニット/前週比2%減少)は12位から9位、モーガン・ウォーレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(31,000ユニット/前週比2%減少)は13位から10位に、それぞれTOP10復帰した。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは10月16日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』テイラー・スウィフト
2位『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』サウンドトラック
3位『アイム・ザ・プロブレム』モーガン・ウォーレン
4位『アム・アイ・ザ・ドラマ?』カーディ・B
5位『マンズ・ベスト・フレンド』サブリナ・カーペンター
6位『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』バッド・バニー
7位『ジ・アート・オブ・ラヴィング』オリヴィア・ディーン
8位『ユール・ビー・オールライト、キッド』アレックス・ウォーレン
9位『SOS』シザ
10位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォーレン
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