ビッケブランカ、キャリア史上最大の日米大陸ツアーが大阪で終幕 オフィシャルレポートが到着

2025年9月1日 / 20:00

 ビッケブランカのキャリア史上最大の日米大陸ツアー【VK Blanka North America & Japan Tour 2025】の最終公演が、8月30日に大阪・フェスティバルホールで開催された。

 同ツアーは、5月にカナダ、アメリカ、メキシコの北米3カ国を回り、6月より日本へ。この日は、東京、愛知、北海道、福岡、宮城、石川公演を経た4カ月にわたるツアーのファイナルとあって、全国から多くの観客が大阪に集まった。

 摩天楼を思わせる巨大なセットにともされた光が満員のフェスティバルホールを彩るなか、BGMに合わせて大きくなっていく手拍子が、本日の主役をお出迎え。いきなり総立ちのオーディエンスの大歓声に包まれ、ビッケブランカがドラを鳴らし宴は幕を開ける。ヒプノシスマイクへの提供曲のセルフカバー「Old Rivals [A Self-Cover of “Rivals!”]」から軽快にビートが動き出せば、長いツアーを駆け抜けてきたビッケも千秋楽を待ちわびた観衆も、助走などいらないと言わんばかりに冒頭からすぐさま生まれる熱狂。今やポップスターの風格すら漂わせるビッケは、「This Kiss」でも見渡す限りが手を振る絶景を軽々と作り出してしまう。

 「大阪フェスティバルホール、来てくれてありがとうございます! このツアーから初めてベースを弾いたり、小ざかしいことを始めました(笑)。ちょっと懐かしい曲をやろうかな」と、「ファビュラス」ではサンダーバードべースを演奏しながら熱唱するビッケ。「Take me Take out」でも高速スラップで魅せるなど、加速するグルーヴにぐんぐん熱量が高まっていく。

 「今日は北米と日本をつなぐツアーのファイナル、長い道の最後がこのフロアということで。こっちに来る新幹線でも一瞬も起きなかったんで体調も良く(笑)、本番前もいい感じにリラックスできたし、ケータリングには浪芳庵さんのみたらし団子があって。あんまり食べると眠くなっちゃうけど、大好きだからまず一個はエネルギーということで食べて。めちゃおいしい。もう一個食べようか(笑)。葛藤ですよ。最終的には……(と結局食べたしぐさをするビッケ)。だから今は元気モリモリですから!」

 気合も十分に腕まくりして鍵盤を奏でた「Natural Woman」や「Broken」で再び躍動したかと思えば、世界照準のクールなトラックに身も心も揺れる「Never Run」や「Snake」と緩急自在に踊らせたビッケは、広い会場を見渡し気持ち良さそうに喝采を浴びる。

 MCでは、「僕が作ったんですよこのベース!」と舞台上で出番を待つピンク色のジャズベースをうれしそうに自慢したビッケは、続けてツアーの思い出を振り返っていく。カナダ公演で前から4列目ぐらいにいた仮称トニーが、とにかく「アイライキュー」を歌ってほしいとしきりに話しかけてきたエピソードや、昨年の南米ツアーでメキシコを訪れた際、ファン一同からもらったテキーラをライブ中に飲み干しフラフラになったビッケを見たからか、今回の差し入れはアルコール度数が下がっていた話などでも場を沸かせる。

 そして、気持ちも新たに「せっかく海外から影響も受けたし、今からカッコつけゾーンで潜りますので」と宣言したビッケは、「Stray Cat」では巧みにパッドを操り、流麗なファルセットボイスを響かせる。「Daddy (Dying in NY)」でも、その影響が意欲的なチャレンジとなって色濃く反映。自身の音楽的変遷やトレンドを落とし込み、随時アップデートされていくソングライティングやアレンジは、ビッケブランカのライブから目が離せない要素の一つとも言えるだろう。

 ここで、「さっき座ってみましたけど、フェスティバルホールのシートはふかふかでしたので、座ってみてはいかがでしょうか」と優しく促し、サポートの横山裕章(Key)の美しいピアノと共に切々と歌い上げた迫真の「白夜」に息をのみ、温かな空気の中で披露した「伝言」の、何とも言えない幸福感に満たされる。続く「Bitter」しかり、時にベンチに腰掛け、時に動き回り歌唱したこのブロックはまるでミュージカルを見ているようでもあって、あくまで音楽を主軸としつつもただのライブでは終わらない感動は、エンターテイナーたるビッケブランカだからこそ成し得る業か。

 来年10月26日から再来年にかけてのデビュー10周年を見据えて意気込み、「いろんなことを経験し、いろんな曲を作ってきた集大成を今から見せつけようと。ツアーファイナル、世界中の思いを背負って、最高潮の盛り上がりを作っていこうと思います!」と告げれば、場内の熱気はあっという間に爆発寸前。クライマックスは祝祭感たっぷりの「蒼天のヴァンパイア」を皮切りに、パーカッシヴなリズムがめくるめくエクスタシーへといざなった「×L×C×A×」、イントロの時点で幾千もの手が挙がった最強アンセム「Ca Va?」で、飛んだり跳ねたりの大盛り上がり!トドメの「ウララ」ではステージを右へ左へと横断したビッケが、最後まで愛おしそうに客席へ手を振り続ける。

 舞台袖からいち早く聴こえてきた「アイライキュー」の一節に反応し、拍手が歓声へと変わったアンコール。ついに自作のベースを手に取り、誰にも伝わらないこだわりを熱弁したビッケは、年末のスペシャルイベント【VK Blanka presents RAINBOW ROAD -開-】の実施も発表。ラストは愛機を爪弾いた「またね」で、世界を股に掛けたツアーのエンドロールに再会の約束をささげた。

 なお、今後のビッケブランカは、10月18日に大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場で【Chillin’ Vibes 2025】に出演後、アジアツアー【VK Blanka Tour 2025 × Hermes × Asia】でバンコク、香港、台北、ソウルを巡り、【VK Blanka presents RAINBOW ROAD -開-】を12月26日に東京・Kanadevia Hallで開催する。

Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by オイケカオリ

◎公演情報
【VK Blanka presents RAINBOW ROAD -開-】
2025年12月26日(金)東京・Kanadevia Hall
OPEN 18:00 / START 19:00


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