<ライブレポート>iri 【Hall Tour “Seek”】の旅のなかで――音楽とともに少しずつ、ナチュラルに変わる今(ネタバレあり)

2025年6月19日 / 19:00

 6月16日に、iriが【iri Hall Tour 2025 “Seek”】の東京・国際フォーラム ホールA公演を開催した。7月21日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催される追加公演まで全国10か所を回る同ツアーは、彼女にとって約2年ぶりのホールツアー。どんなステージが繰り広げられたのか、16日公演の様子をレポートしたい。なお、一部ネタバレを含むため、ご注意いただきたい。

 バンドメンバーがステージに上がると暗転。5月21日にリリースされたニューEP『Seek』と同タイトルの公演ということもあり、幕開けは『Seek』収録曲「harunone」だ。一気にiriの歌声が響き渡り、会場を包み込む。楽曲の雰囲気、そしてボーカルエフェクトも相まって、どことなく神秘的な空気を感じる。渾身の歌声を聴かせると、すっとステージの前方に出て、手を振るiri。衣装はピンクのシャツにグレーのパンツというシンプルでナチュラルなものだ。その衣装のごとく、軽くリズムに乗りながらステージを歩きつつ、リラックスして歌う姿がかっこいい。

 一息ついて「こんばんは」と挨拶をすると「国際フォーラムは3年前に一度やらせていただいて。、節目のような感覚。特別な気持ちです」と語る。そのままアップテンポな楽曲が続いていく。「ニューEP『Seek』は、自分から変わりたいというか、避けていた場所や環境にも足を踏み入れて、その先に新しい自分がいるんじゃないかなと思い、いろいろトライした中で作りました。その一歩踏み出した時にちょうど書いていた曲を」と語ってスタートしたのは、「Butterfly」。温かなサウンドに乗りながら、観客に言葉を届けるように歌っていくiri。途中、ゆっくりとステージ上を歩いたり、寄り道するかのように客席のほうに近づいてみたり。その姿はまるで散歩しているかのよう。同曲を語る時に言っていた、「東京をひたすら歩きながら書いてました」という彼女の言葉が可視化されたかのようなステージだった。

 その後、代表曲「会いたいわ」を経て、同ツアーで初披露となる「Faster than me」へ。照明の光が広がり、その中から響いてくる歌声がオーディエンスたちを包みこんでいった。その雰囲気のまま「river」へと続く。もちろん、同曲の特徴のひとつでもある子どもたちのコーラスもしっかり流れていたのだが、音源で聴くよりもiriの声との対比が際立って聴こえ、改めて同曲の良さを味わうことができた。

 彼女の音楽に引き込まれていると、「もう後半戦に入ってきているんですけど、まだまだいけますか?」というiriからの問いかけ。オーディエンスたちも声を出し、拍手を送り、準備は万端だ。アップテンポのナンバーが続いたこともあり、会場のボルテージは上がりっぱなし。iriも「ホールのライブとは思えないテンション。最高です」と笑顔を見せていた。

 さらに「Wonderland」などで緩く身体を揺らすナンバーも披露され、iriの音楽を余す所なく楽しんだところでラストナンバーの「otozure」へ。アップテンポで景色が見えてくる楽曲でありつつも、どこか静かに滲むような感覚も受ける。会場もじっとその世界観に浸っていた。そんなiriらしい美しい楽曲で魅了すると、「ありがとうございました。すごく特別な時間になりました。また会いましょう」と、ライブの幕を下ろした。

 彼女らしい唯一無二の音楽性がたっぷり楽しめたことはもちろん、キュートさが垣間見えたのもライブならでは。パブリックイメージとして「クール」というワードが出てきがちなiriだが、彼女の飾らないナチュラルさ、音楽に溶け込みつつも輝きを放つ存在感、それこそが多くの人を惹きつける理由なのかもしれない。そんなことを感じたライブであった。

Text:高橋梓
Photo:後藤壮太郎

◎公演情報
【iri Hall Tour 2025 “Seek”】
2025年6月16日(月) 東京・国際フォーラム ホールA


iri

音楽ニュースMUSIC NEWS

GLAY、最新アー写&最新アートワーク&63rdシングルの収録内容公開

J-POP2025年11月18日

 GLAYが、夜景をバックに撮影された最新のアーティスト写真を公開した。  そして今回のアー写解禁に伴い、12月3日発売となる63rdシングル『Dead Or Alive』の収録内容とジャケットが公開された。  ジャケット写真はタイトルの世 … 続きを読む

NiziUのメンバー全員出演、3rdAL『New Emotion』リリース記念特番をLINE VOOMで独占配信

J-POP2025年11月18日

 NiziUの3rdアルバム『New Emotion』のリリースを記念したスペシャルトーク番組が、本作発売日の11月19日20時30分より『LINE』アプリ内のショート動画プラットフォーム『LINE VOOM』にて独占配信される。  Niz … 続きを読む

mikah、三部作“Homesick”が完結 幻想的なオルタナティブ・ポップに進化した主題曲「Dream」のMVも解禁

洋楽2025年11月18日

 mikah(ミカ)の“Homesick”三部作が、主題曲「Dream」をもって完結する。  今回の三部作“Homesick”は、mikahが自らの実体験をもとに書き上げた“Home(居場所)”をめぐる心の旅。「Escape」「In Bet … 続きを読む

ロード、『ストレンジャー・シングス』のセイディ・シンクと「Green Light」をロンドン公演で披露

洋楽2025年11月18日

 ロードが、現地時間2025年11月16日に英ロンドンのO2アリーナで開催された公演で、俳優のセイディ・シンクをステージに呼び、一緒に「Green Light」のエネルギッシュなパフォーマンスを披露した。『ストレンジャー・シングス』で知られ … 続きを読む

映画『ATEEZ VR CONCERT : LIGHT THE WAY』、東京/愛知/大阪で公開決定&サブポスタービジュアル解禁

J-POP2025年11月18日

 ATEEZの初めてのVRコンサート『ATEEZ VR CONCERT : LIGHT THE WAY』が、2025年12月5日より東京、愛知、大阪にて順次公開されることが決定し、あわせてサブポスタービジュアルが解禁となった。  『ATEE … 続きを読む

Willfriends

page top