Ayumu Imazu、多くの挑戦を盛り込んで“新たな時代”の始まりを宣言した初の野音ワンマン

2025年5月12日 / 15:00

 3月20日の東京・LINE CUBE SHIBUYAを皮切りに、福岡・愛知・大阪を巡った、Ayumu Imazu初のホールツアー【Ayumu Imazu HALL TOUR 2025 “ERA”】。その追加公演であり、ツアーファイナルとなる【Ayumu Imazu LIVE 2025 “ERA-FINAL”】が5月11日、東京・日比谷公園大音楽堂で開催された。

 今年2月に経験した次世代ポップアーティスト・MAXとのアメリカ3大都市ツアーと、念願だったという国内でのホールツアーを経て臨む初めての野音でのワンマンは、これまで築き上げてきたAyumu Imazuのライブスタイルの集大成であると同時に、新たなフェーズへの突入を感じさせる革新的で、挑戦に満ち溢れた一夜となった。

 開演時刻となった野音のステージにまず現れたのはギター、ベース、ドラム、キーボードからなる4人のバンドメンバー。そう、この日の最大の挑戦となったのは、Ayumuにとって初めてとなるバンドセットでのライブであったこと。バンドが繰り出す壮大なサウンドに導かれて登場したAyumuは1曲目「Stranger」でライブをスタートさせた。生演奏と呼応することで引き出される、より生々しく、リアルでエモーショナルな歌声に一瞬で引き込まれる、これまでのライブとは明らかに違うオープニング。それは、<さあ行こう/Into a brand new day>という象徴的なフレーズを伴って、観客たちをAyumu Imazuの新たな時代(=ERA)へと誘っていく。

「野音、盛り上がってますか!」

 そんな一言ともにおなじみのダンサーズチーム“AI‘M Creative”の面々を呼び込み、バンドメンバーとAyumuを含めた総勢12名で2曲目「BANDAGE」へとなだれ込む。ダンサーとの息の合ったパフォーマンスも生バンドならではのグルーブにより、いつも以上にテンションが高ぶっている印象だ。しっとりとしたピアノのイントロを経てスタートした「PARADISE」では、「この空間を“パラダイス”にしようと思います!」という言葉通り、野外ライブにふさわしい心地よいムードを創り上げていく。

 「念願のバンドです! リハーサルをやっていくうちに、『これがAyumu Imazuの100%なんだな』と思えたので、今日は全力でパフォーマンスさせていただきます」

 ファイナル公演に賭けた意気込みを語ったAyumuは、アコギの音色が切なさを増幅させる「浮遊夢」を披露。サビではハンズアップを促し、前後に揺れる観客たちの手が大きな波を生み出していく。曲のラストではマイクを客席へと向け、大合唱も生まれた。続く「Butterfly」では蝶のように自由に揺れ動きながら心を震わせる歌声を放っていく。曲の後半ではダンサー3人が加わり、セクシーでクールなダンスで魅了。イントロで歓声が沸き上がった「HONEYCOMB」では、ストップモーションを織り交ぜた冒頭で曲の世界へと一気に引き込む。間奏ではダンサーとともにエアギターを演奏するかのような振りを見せ、大きな拍手を巻き起こした。

 バンドとダンサーが一旦、ステージを後にし、1人になったAyumuが話し始める。「今までの僕のライブは観て楽しむっていうのが大きくて。でも今回、ライブで初めて、こんなにちゃんと音楽を伝えているっていう気持ちになるのがすごく新鮮で。歌っていてもめちゃめちゃ気持ちいいし。もっと楽曲に気持ちがのっかるというか。それを今日はみんなに感じてもらえたらいいなと思っています」と、バンドセットでのライブへの手ごたえをあらためて伝える。さらに、「デビューからやってきた4つのツアーで一区切りつくなと思って。だからこそ次のステップに行かないといけないなという思いもあったので、”時代の終わり”という意味で“ERA”というタイトルをつけました。その上で今日のファイナルは“時代の始まり”というテーマでやらせてもらい、Ayumu Imazuの真骨頂を届ける日にしたいと思います」と、ツアータイトルに掲げられた“ERA”に込められた思いも語ってくれた。

 その後、スペシャルゲストとしてFurui Rihoを呼び込み届けられたのは、4月23日に配信リリースされたばかりの新曲「LIVE IT UP! (feat. Furui Riho)」。Ayumuのボーカルと掛け合うキュートなFuruiの歌声に客席が大きく沸く。サビでは全員で飛び跳ね、かけがえのない楽しい時間を共有した。次の「Don’t Mind Me」ではAI’Mメンバーを交えて、キャッチ―でポップなシーンを描き出していく。オーディエンスはクラップで参加、曲が持つ高揚感にさらなる彩を添えていく。

 ステージバックに設置された大きなLEDモニターを使って、AyumuやAI’M Creativeにまつわる日常のオフショットを紹介するコーナーを挟み、その後のパートでは2月に配信リリースされた「THRIFTED」や、『第66回輝く!日本レコード大賞』企画賞 受賞曲として大きな話題を集めた「Obsessed」という、Ayumuのワールドワイドな音楽的センスが遺憾なく発揮された横ノリナンバーを連続で披露。会場が心地よく、グルーヴィに揺れていく。日が傾き、照明の光が鮮やかになると、「めったにやらないバラード曲を」と告げ、「雨跡」を。イスに座り、バンドの演奏の上で情感に満ちた歌声が切なく、優しく流れていく。後半に向け、バンドの演奏と共に感情を強く解き放っていくボーカリゼーションは大きな感動を呼び起こした。

 続いてライブ初披露された「あなたといたい」は以前、SNSのみで公開されていた未発表曲。元々、完成させる予定はなかったが、この日のライブを観に来ていた結婚したばかりの親友夫妻に届けるためにフルバージョンに仕上げたのだという。パーソナルな思いから生まれた楽曲ではあるものの、そこに込められたたっぷりの愛情と、Ayumuの思いのこもった歌声により、会場にいるすべての人の心があたたかく満たされていく。さらにもう1曲、SNSのみで聴くことができていた未発表曲「Strawberry kiss」も歌われた。ここではバンドと共に、Ayumu自らもエレキギターを演奏しながら歌うという、この日ならではのパフォーマンスを展開。そこで見せたロックアーティスト然とした姿は実に新鮮で、Ayumuの持つ幅広い魅力をあらためて実感させてくれるものだった。そこから最高の歌声で会場を包み込んだ「Sunshower」を歌い切ったAyumuはステージから一旦去り、AI’MによるDance Breakへ突入。そのスキルフルなダンスで大きな歓声を巻き起こすと、気づけばそこに衣装チェンジをしたAyumuが加わり、8人での圧巻のダンスを魅せながら「Over You」へとなだれ込む。そして、「後半戦、盛り上がる準備できてますか?」と投げかけたAyumuは、客席を半分にわけ、「Hey!」「Ho!」の声出しでその場の熱量をぐいぐいと高め、クラップで会場をひとつにした「Light Up」、すべての人がタオルを回し、隣同士で肩を組んでヘドバンも繰り出した「Where Do We Go!」、バンドメンバー&AI’M&Ayumuが圧巻のソロプレイを叩きつけた「Tangerine」と、キラーチューンの連発でクライマックスを盛り上げていく。高まり続ける熱量を注いでラストにドロップされたのは「Superstar」。冒頭をアカペラで届けたAyumuは、「俺が目指すのはまだまだ上。みんなの“スーパースター”になれるまで、よろしくお願いします」と心の中に広がる大きな決意を吐き出し、その思いを歌にしっかりと乗せ、届けて本編を終了させた。

 「Ayumu」コールに呼び込まれ、再びステージに現れたAyumu。翌日の5月12日が25歳の誕生日であることを告げると、客席から「ハッピーバースディ」の歌が贈られる。さらにライブ当日が母の日であったことを受け、会場の全員で「お母さん、いつもありがとう!」と大きく叫ぶシーンも。Ayumuのライブに存在している、そこにいるすべての人が家族であるような関係性があたたかくて心地いい。アンコールとして披露された「ATARI」で大きく盛り上がった後には、AI’MのメンバーであるRIKIが今回のライブをもってチームを離れることが発表された。涙をこらえながら感謝を伝えるRIKIと、その思いを受け止め、あたたかく包む込むAyumu。その後に歌われた、この日のラストナンバー「Colors」に込められたメッセージはRIKIへのはなむけであったと同時に、すべての人にとっての未来を照らす指針になっていくはずだ。

 デビューからの輝かしい時間を噛みしめ、統轄した上で次の一歩を踏み出す強い意志を感じさせた初の野音。ここから本格的に始まるであろうAyumu Imazuの“新時代”への期待がますます高まる最高のライブだった。

Text:もりひでゆき
Photo:ハタサトシ


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