<ライブレポート>TAKU INOUE、なとり/水槽/ナナヲアカリらと一夜限りの “バトル”ステージ開催 3年ぶりEPリリースも発表

2025年3月16日 / 18:00

 サウンドプロデューサー、コンポーザー、DJ、サポートギタリストなど様々なフィールドで活躍するTAKU INOUE。彼が主催するクラブイベント【TAKU INOUE EXHIBITION MATCH】がZepp Shinjuku (TOKYO)にて開催された。コンセプトは「TAKU INOUEがDJをするなかで様々なアーティストが出演する“バトル”ステージ」。豪華ゲスト&ボーカリスト、満員のフロアとタッグを組んで、2時間半ノンストップのエキサイティングかつプレミアムな一夜を作り上げた。

 まず登場したのはTAKU INOUEがファンであると公言しているPAS TASTA。サウンドプロデューサー&トラックメイカー6人によるJ-POPプロジェクトで、この日はDJセットで登場した。各メンバーがDJを代わる代わる担当しながら、曲によってウ山あまねが歌唱をし、会場を盛り上げる。DJ以外のメンバーもDJのサポートをしたりフロアの一員のように踊り続けるなどしてプレイを楽しみ、会場をフラットにさせるステージングも観客を沸かせた。

 PAS TASTAが「Tell Your World」のリミックスでkz(livetune)にバトンタッチすると、VJのヤコーによる360度LEDモニターを使った華やかな映像演出で空間が彩られた。kzはTAKU INOUEとイベントや番組での共演も多い旧知の仲で、盟友への激励のように自身の楽曲やリミックスを手掛けた楽曲はもちろん、他者の手掛けた自身の楽曲のリミックスなどをエッジの効いたDJプレイでつないでいく。観客がシンガロングできるパートなども効果的に演出し、音楽への没入感を高めることで会場の一体感を作り出した。

 kzは止まらない熱気のなか「TAKUさんにつなぐにはクレアさん(※シスター・クレア)しかないかなと思って」と告げ「sumire iro amulet(kz remix)」でバトンをつなぐと、それを受け取った主催者であるTAKU INOUEは「MUSIC♪(Remix)」「ダンス・ダンス・ダンス」と『アイドルマスター』シリーズの楽曲を届けて会場を沸かす。そして「ベータソング」のイントロに乗せて、ゲストボーカルのトップバッターとしてARuFaを呼び込んだ。「インターネットから来ましたARuFaでーす!」と高らかにフロアへ呼び掛けた彼は、ステージを縦横無尽に動きながらハイテンションなハイトーンなボーカルを響かせる。観客もそれに触発されるように、心に湧き上がる興奮をさらに解放した。

 「ミラーボール・ラブ」を挟み“ネクストバトル”として呼び込んだのはシンガーのWON。TAKU INOUEの提供曲「Unique」「ありきたり」を立て続けに披露した。観客に歩み寄る彼女の明朗で人懐っこいキャラクター、切なさとたくましさを併せ持つエモーショナルなボーカル、ダイナミックなステージングが観客のハートを掴むと、彼女が去るや否やモニターには森カリオペのビデオメッセージが流れ、その後TAKU INOUEは森カリオペがボーカルを務める「Yona Yona Journey」をプレイする。目まぐるしく情景が変わるというDJならではの心地よさ、生歌唱という躍動感、この日しか観られない貴重な瞬間が合わさる非常に贅沢で刺激的な展開に酔いしれていると、続いてステージに登場したのは音楽原作キャラクタープロジェクト『電音部』の東雲和音役を務める天音みほ。キュートさのなかに甘い色気を感じさせるボーカルでラブソング「Mani Mani」「トアルトワ」を色付け、歌詞に綴られたふたりだけの世界にフロアを包み込んだ。

 「クレイジークレイジー」「ちゅ、多様性。(Remix)」の後はPAS TASTAが登場しyuigot とTAKU INOUEのギターバトルが白熱したアグレッシブでロマンチックな「My Mutant Ride」、ナナヲアカリの溌溂とした高音が鮮烈に響き渡った「チューリングラブ(Remix)」「雷火」と強烈にボルテージを上げるなか、星街すいせいのビデオコメントが流れてTAKU INOUEと星街による音楽プロジェクト・Midnight Grand Orchestraの「Midnight Mission」「Allegro」をプレイする。会場はたちまち爽快感と透明感に包まれ、続いて登場した水槽は「README(prod. TAKU INOUE)」で曲にしたためた思いを切々と歌い上げた。どの楽曲もキャッチーかつフロアを高揚させられるという共通点を持ちながらも、楽曲に込められたメッセージ性や感情、音色の組み合わせがまったく異なるのが興味深い。それもTAKU INOUEの手掛けるサウンドデザインの振れ幅やDJとしての手腕によりなし得るものだろう。

 ビートボックスクルーのSARUKANIが4声のビートボックスを披露すると、そこに春野がボーカルとして加わり「ハートビートボックス」へとなだれ込む。5人の声とTAKU INOUEのサウンドが織りなすドラマチックな高揚感に包まれていると、SARUKANIがステージから去りTAKU INOUEと春野のふたりで「Spring Has Come」を届けた。春を間近にした寒さの残るこの日、切なくも愛に溢れた歌声とトラックに会場もじっくりと身を委ねた。

 「3時12分」の後にはシークレットゲストのなとりが登場し、「ライツオフ」を衝動的に歌い上げ気魄でもって観客を巻き込む。白と黒を効果的に扱ったVJも、彼のミステリアスかつエッジの効いたムードを引き立てた。そして最後のゲストとして再度kzが登場し、ふたりで「Radio Happy(kz Remix)」を祝祭感たっぷりに届ける。両者のセンスの摩擦によりきらめく同曲を、肩を組んで楽しむふたりの姿は少年のように純粋で無邪気だった。

 感慨に浸るTAKU INOUEは「めっちゃ楽しかったから、またこんな感じのやつやりたいっす」と晴れやかな表情を浮かべ、星街すいせいへの提供曲「Stellar Stellar」でこの日を締めくくる。ドラムンベースの性急なビートと華やかなストリングスの音色が、未来に駆け出すような鮮やかな情景を想起させた。TAKU INOUEがステージを去るや否や、モニターにて2nd EP『FUTARI EP』のリリースが発表されると、会場からは大きな歓声が沸く。約3年ぶりのEPはどんな内容になるのか、“FUTARI”が意味するものとは何か、様々な期待を呼び起こす情報に観客も目を輝かせた。TAKU INOUEの歴史をダイジェストで届けるような、情熱的でポジティブなバトルの数々。今後も彼が様々な仲間とともに精力的に多彩な楽曲を生み出していくことを予感させた、非常に濃密かつエネルギッシュな時間だった。

Text:沖さやこ
Photo:横山マサト

◎セットリスト
【TAKU INOUE EXHIBITION MATCH】
2025年3月6日(木)東京・Zepp Shinjuku (TOKYO)
1. MUSIC♪ Remix
2. ダンス・ダンス・ダンス
3. ベータソング(ARuFa)
4. ミラーボール・ラブ
5. Unique(WON)
6. ありきたり(WON)
7. Yona Yona Journey
8. Mani Mani(天音みほ[東雲和音役])
9. トアルトワ(天音みほ[東雲和音役])
10. クレイジークレイジー
11. ちゅ、多様性。 Remix
12. My Mutant Ride(Gt. yuigot)
13. チューリングラブ Remix(ナナヲアカリ)
14. 雷火(ナナヲアカリ)
15. Midnight Mission
16. Allegro
17. README(prod. TAKU INOUE)(水槽)
18. ハートビートボックス(春野/SARUKANI)
19. Spring Has Come(春野)
20. 3時12分
21. ライツオフ(なとり)
22. Radio Happy kz Remix(kz)
23. Stellar Stellar

◎リリース情報
EP『FUTARI EP』
2025/6/25 RELEASE


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