【米ビルボード・ソング・チャート】ケンドリック・ラマー＆シザ3週連続1位、チャペル・ローンがデジタル・ソング・セールスで初No.1

　今週の米ビルボード・ソング・チャートは、ケンドリック・ラマー＆シザの「Luther」が3週目の首位を獲得。先週に続き8位にランクインしたチャペル・ローンの「ピンク・ポニー・クラブ」は、デジタル・ソング・セールス・チャートで初のNo.1タイトルを獲得した。

　R&B界のレジェンド＝故ルーサー・ヴァンドロスへのオマージュとし　て名付けられた「Luther」は、ケンドリック・ラマーにとってソング・チャート“Hot 100”での通算6曲目の首位獲得で、同3週間を記録した「ライク・ザット」、「ノット・ライク・アス」と並ぶ最長記録を更新した。

【ケンドリック・ラマー 首位獲得曲】
・「バッド・ブラッド（テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー）」（2015年6月6日付）
・「HUMBLE.」（2017年5月6日付）
・「ライク・ザット（with フューチャー＆メトロ・ブーミン）」（2024年4月6日～4月20日付）
・「ノット・ライク・アス」（2024年5月18日付、7月20日付、2025年2月22日付）
・「Squabble Up」（2024年12月7日付）
・「Luther with シザ」（2025年3月1日～3月15日付）

　シザにとっては通算3曲目のNo.1タイトルで、それぞれ1週間を記録した「キル・ビル」、「Slime You Out」を上回る最長記録となる。

【シザ 首位獲得曲】
・「キル・ビル」（2023年4月29日付）
・「Slime You Out with ドレイク」（2023年9月30日付）
・「Luther with ケンドリック・ラマー」（2025年3月1日～3月15日付）

　3週目の首位を獲得した「Luther」は、今週の集計期間（2025年2月28日から3月6日）にラジオ・エアプレイが5,390万回（前週比6％増加）、ストリーミング再生回数が3,420万回（前週比12％減少）、週間セールスは3,000（前週比14％減少）をそれぞれ記録。

　ストリーミング・ソング・チャートでも3週連続で1位を獲得して、エアプレイ・チャート（総合）では先週に続き現時点での最高位となる3位をキープ。デジタル・ソング・セールス・チャートでは先週の12位から今週8位にTOP10復帰した。

　ジャンル別のエアプレイ・チャートでは、R&B／ヒップホップ・エアプレイとアダルトR&Bエアプレイの両チャートで2週目の首位を獲得。ラップ・エアプレイ・チャートでは2週間前に首位を獲得していて、アダルトR&Bエアプレイとラップ・エアプレイの両チャートで首位を獲得した初のタイトルにも輝いた。

　その他、メインストリームR&B／ヒップホップ・エアプレイ・チャートとリズミック・エアプレイ・チャートでも1位を獲得していて、幅広いジャンルのラジオ・チャートを席巻している。

　「Luther」は、R&B／ヒップホップ・ソングとラップ・ソングの両チャートで通算11週目の首位を獲得。両チャートでは、ケンドリック・ラマーがそれぞれ7曲目、シザはR&B／ヒップホップ・ソング・チャートで通算4曲目、ラップ・ソング・チャートでは自身初の首位を獲得した。

　先週のチャート（2025年3月8日付）で最高位となる8位に上昇したチャペル・ローンの「ピンク・ポニー・クラブ」は、今週も同位をキープ。ソング・チャート“Hot 100”でのTOP10入りは、2024年9月に最高4位を記録した「グッド・ラック、ベイブ！」に続く自身2曲目のランクインとなる。

　「ピンク・ポニー・クラブ」は、前週から4％増加の6,000を売り上げて、今週のデジタル・ソング・セールス・チャートで1位に上昇（前週5位）。同チャートでは、自身初のNo.1タイトルを獲得した。

　1月から2月にかけて5週間（非連続）首位を獲得したレディー・ガガ＆ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は、先週に続き2位をキープ。前週から2％増加の6,470万回を記録して、エアプレイ・チャートでは5週目の首位を獲得した。

　ブルーノ・マーズは、BLACKPINKのロゼとのコラボレーション・シングル「APT.」が6位に、今週も2曲をTOP10に同時ランクインさせている。

　ケンドリック・ラマーは、「Luther」の他に「ノット・ライク・アス」が3位、「TV Off feat. レフティ・ガンプレイ」が4位に、今週は3曲をTOP5に送り込んだ。

　ケンドリック・ラマーの曲がTOP5に3曲同時（同週）にランクインしたのは今週が通算5週目で、同じアーティストの曲が3曲以上TOP5を独占したのは、以下のアーティストに続く3番目のタイ記録となる。

• 8週間　ザ・ビートルズ（1964年）
• 6週間　ドレイク（2018年～2023年）
• 5週間　ジャスティン・ビーバー（2015年～2016年）
• 5週間　ケンドリック・ラマー（2024年～2025年）
• 3週間　テイラー・スウィフト（2022年～2024年）
• 2週間　50セント（2005年）
• 2週間　サブリナ・カーペンター（2024年）
• 1週間　21サヴェージ（2022年）
• 1週間　アリアナ・グランデ（2019年）

　なお、上記のうちザ・ビートルズ、ドレイク、ケンドリック・ラマー、テイラー・スウィフトの4組は、TOP5を独占（5曲ランクイン）したことがある。

　昨年7月からソング・チャート“Hot 100”史上最長記録となる通算19週間首位を獲得したシャブージーの「ア・バー・ソング（ティプシー）」は、先週に続き今週も5位にランクイン。カントリー・ソング・チャートでは37週目の首位を獲得した。

　7位にランクインしたビリー・アイリッシュの「バーズ・オブ・ア・フェザー」は、ロック＆オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ31週目の首位を獲得。前者では同30週で並んでいたザック・ブライアンの「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」（2023～2024年）を上回り、後者では女性アーティストの最長記録を更新した。

　先週9位に返り咲いたテディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」は、今週も同位にランクインしてTOP10のランクイン総週を81週目に更新。この記録は、以下に続く史上4番目に長い記録となる。

※（）は最高位到達年度
• 91週　グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」（2022年／最高1位）
• 90週　ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」（2020年／最高1位）
• 87週　イマジン・ドラゴンズ「レディオアクティヴ」（2013年／最高3位）
• 81週　テディ・スウィムズ「ルーズ・コントロール」（2024年／最高1位）

　今週10位には、2週間前に10位にデビューしたドレイクの「Nokia」が返り咲き、2週目のTOP10入りを果たしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月14日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「Luther」ケンドリック・ラマー feat. シザ
2位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ＆ブルーノ・マーズ
3位「ノット・ライク・アス」ケンドリック・ラマー
4位「TV Off」ケンドリック・ラマー feat. レフティ・ガンプレイ
5位「ア・バー・ソング（ティプシー）」シャブージー
6位「APT.」ロゼ＆ブルーノ・マーズ
7位「バーズ・オブ・ア・フェザー」ビリー・アイリッシュ
8位「ピンク・ポニー・クラブ」チャペル・ローン
9位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
10位「Nokia」ドレイク

Photo: Dave Free