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トラヴィス・スコットの『デイズ・ビフォア・ロデオ』が登場4週目で1位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
『デイズ・ビフォア・ロデオ』は、 2014年8月18日に無料でリリースされた2作目のミックステープで、これまでは正式にリリースされていなかったが、今年10周年を記念して8月23日にデジタル・ダウンロードとストリーミングが解禁され、9月7日付で2位にランクインした。
8月23日から8月29日にかけては、ボーナス・トラックと特典の異なる様々な形態のデジタル・アルバム、公式ウェブサイト限定のCDがリリースされたため、361,000ユニット(そのうちセールスが331,000枚)という好記録を打ち出し2位にランクインしたが、それらの売上が減少したことで翌週(9月14日付)には30位にランクダウンして、先週(9月21日付)は106位まで急落した。
今週(9月28日付)登場4週目で1位にジャンプアップしたのは、集計期間中(9月13日~9月19日)にアナログ盤が出荷されたからで、セールスは前週から4,608%増加の150,000枚、ユニット数は1,295%増加の156,000に急増した。なお、ストリーミングは前週から25%減少の6,000(794万回)に下降している。
今週の週間セールス150,000枚のうち149,000枚がアナログ盤による売上で、LPの週間セールスとしては自己最高となった。また、ルミネイトが集計を始めた1991年以降、ラップ・アルバムとして史上最高記録を打ち立て、6番目に高いアナログ盤の週間セールスを更新している。
『デイズ・ビフォア・ロデオ』のアナログ盤は、デジタル・ダウンロードとCDがリリースされた8月23日より前から公式ウェブサイトで予約を受け付けていて、通常盤とデラックス盤の2種類、パーカーと通常盤、Tシャツとデラックス盤がそれぞれセットになった2種類のボックス・セットと2種類のファンパックがある。なお、アナログ盤とCDは現時点で公式サイトでのみ購入可能で、一般販売は予定していない。
トラヴィス・スコットは、これで『バーズ・イン・ザ・トラップ・シング・マックナイト』(2016年)、『アストロワールド』(2018年)、『ユートピア』(2023年)に続く4作目、4作連続で首位を獲得。ジャックボーイズ名義のコンピレーション・アルバム『ジャックボーイズ』(2019年)を含めると5作目に記録を更新した。
デビュー週以降に初めて首位を獲得したのは、今年の2月17日付で訃報を受けてジャンプアップしたトビー・キースのベスト・アルバム『35 Biggest Hits』以来で、本作は2008年5月24日付で2位に初登場したが、首位を獲得するのは今年が初だった。それ以前に達成したのは、映画『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックで、本作は2021年12月11日付で197位に初登場した後、登場9週目の2022年1月15日付で1位に到達した。
1位へのジャンプアップ記録としては、2022年4月30日付で前週の120位から1位に上昇したタイラー・ザ・クリエイターの『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』以来の最大記録で、本作も集計期間中にアナログ盤がリリースされたことで売り上げが急増し、2021年7月10日付以来約9か月ぶりに返り咲き、2度目の首位を獲得した。
『デイズ・ビフォア・ロデオ』との接戦を制し、9月7日から21日付まで3週連続で1位を獲得したサブリナ・カーペンターの『ショート・アンド・スウィート』は今週2位にダウンしたが、週間ユニットは108,000(8%減少)と高水準を維持していて、ストリーミング・アルバム・チャートでは4週連続で首位を獲得している。
3位は、チャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』(64,000ユニット / 13%増加)が先週に続き同位をキープ。ポスト・マローンの『F-1 トリリオン』(60,000ユニット / 16%減少)は2位から4位、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(52,000ユニット / 1%増加)は4位から5位、テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(51,000ユニット / 1%減少)も5位から6位にそれぞれランクダウンした。
今週7位には、エミネムの『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』が前週の42位からジャンプアップしてTOP10に返り咲いている。本作は、7月27日付で1位に初登場した後、7位にランクインした8月10日付を最後にTOP10圏外にランクダウンしたが、9月13日にボーナス・トラックを追加したデジタル・ダウンロードとストリーミングのデラックス盤、2種類のCDがリリースされたことでセールスが急増し、今週再ランクインを果たした。セールスは前週から3,328%増加の24,000、ストリーミングは43%増加の23,000(3,164万回)、トラックによるユニットは210%増加の1,000にそれぞれ上昇し、累計48,000ユニット(180%増加)を獲得している。
以下、ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(44,000ユニット / 5%減少)は先週の6位から8位、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(38,000ユニット / 2%増加)が8位から9位、ザック・ブライアンの『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』(ほぼ38,000ユニット / 1%減少)も7位から10位にそれぞれランクダウンした
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは9月27日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『デイズ・ビフォア・ロデオ』トラヴィス・スコット
2位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター
3位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン
4位『F-1 トリリオン』ポスト・マローン
5位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
6位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
7位『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』エミネム
8位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
9位『スティック・シーズン』ノア・カーン
10位『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』ザック・ブライアン
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