<ライブレポート>Shiggy Jr.、普遍のポップスで喜びを分かち合った再集結ライブ「みんなと会えるこの景色をずっとずっと夢見ていました」

2024年6月12日 / 12:00

 Shiggy Jr.が6月2日、東京・渋谷WWWでワンマンライブ【Shiggy Jr. 11th Anniversary ONE MAN LIVE “LIFE GOES ON”】を開催。この日を待ちわびた満員の観客とともに大いに盛り上がり、最高の音楽で過ごす時間を分かち合った。

 2019年9月7日にマイナビBLITZ赤坂で開催されたラストライブから約5年ぶりに再集結した池田智子(Vo.)、原田茂幸(Gt./Vo.)、森夏彦(Ba.)、諸石和馬(Dr.)の4人。雨が激しく降るなか、会場には大勢の人が列をなしていた。BGMが止まり、「I Want You Back」(帰ってほしいの)のSEに乗って、諸石、森、原田が順番にステージのお立ち台に上がり、サポートを務める花井諒(Key./Gt./Manipulator)も定位置についた。最後に池田が登場して笑顔で大歓声に応えると、諸石のフィルインが森のベース、原田のカッティングを呼び込んで、始まったのは「Saturday night to Sunday morning」。いきなりのヒットチューンに湧きあがるフロアを前に、池田はサビに差し掛かると「せーのっ!」と呼び掛け、早くも大合唱。「うれしい、これは!」と思わず呟いた池田は1曲目から心底楽しそうだ。原田が鋭いソロを聴かせてからキーボードソロを経て、池田がお立ち台でコール&レスポンス。再集結ライブの喜びに溢れたオープニングとなった。

 「4月リリースの新曲を聴いてください!」と、新たにリリースしたEPの表題曲「LIFE GOES ON」へ。森のベースを軸にしたタイトな演奏が心地良いミディアムテンポのグルーヴに観客は手を振って応える。さらにアッパーなライブ定番曲「oh yeah!!」が飛び出した。「タオルを回して楽しみましょう!」と池田に煽られて、フロアがタオルでいっぱいに。
間奏では原田がステージ前に出てギターソロを弾き、大歓声を浴びた。

 曲が終わるとフロアから「おかえりー!」と声が掛かる。「あらためましてShiggy Jr.です!5年ぶり! みんな元気だった!? 知ってる顔もいるし、今日初めてだよっていう人!?(あちこちから手が上がる)解散してから知ったよっていう人もいるのかな。“解散新規”とでも名付けようか(笑)。今日はお越しいただきありがとうございます!」

 諸石、森はShiggy Jr.解散後も様々なアーティストのサポートでライブ活動を行っていたが、原田、池田はライブ自体久しぶりとのこと。原田は「でも意外と緊張していない」と心境を吐露。池田は眩い照明のステージに立ち、「1年分の光量を浴びている気がする! 今日はヘアメイクもバッチリ、高校の友だちにやってもらって」と話すと「かわいいー!」と一斉に声援が飛んだ。

 池田がタンバリンを叩き、原田がアコギで軽やかさを演出する「day tirp」、ワイルドなジャングルビートからモータウン・サウンドへ突入する「サンシャインモーニング」、さらに弾むような演奏の「ホットチリソース」と、王道ポップスを次々と披露。卓越した演奏力と繊細で表現力豊かな歌声が一体となり、これぞShiggy Jr.という楽曲たちだった。直球でグッとバンド感のある演奏に乗って歌う池田は「渋谷ー!」と度々呼び掛けて、マイクを向けるとコーラスで応える観客たち。「oyasumi」では激しくパンキッシュなサウンドでガラリと雰囲気が変わり、「全員でジャンプ!」と煽ると、ヘヴィなリズムに合わせてフロアが揺れる。

 MCではあらためてメンバー紹介が行われた。「ただいま! 今日は普段のモヤモヤしたものを全部丸めてその辺に捨てて、純度100%で楽しんでいきましょう!」(諸石)、「みなさんお久しぶりです! ただいま! まだ前半戦、これからどんどん盛り上げるんで最後までブチ上がる準備できてる!?」(森)、「またどこかかで会えたらいいなと思っていたので、今日はまたこうして会えて良かったです。みなさんありがとうございます!」(原田)

 「今日はみんなに会えることを楽しみにやってきました! 新しいEPから聴いてください」と池田が歌い出したのは「ウラオモテ」。疾走感のあるサウンドに原田のボーカルもフィーチャーした曲だ。憂いのあるメロディと躍動する諸石のドラムと森のベースが対照的な、新しいShiggy Jr.を感じさせる1曲だった。「you are my girl」では、リードボーカルを取る原田にスポットライトがあたる。ジャズファンクなアンサンブルの妙も味わえる大人のラブソングで酔わせると、「Do you remember」へと続く。池田のソウルフルな歌唱から乾いたギターのカッティングを挟んで原田のボーカルへとリレー。バンドのクールな一面に引き込まれるコーナーとなっていた。

 解散から今に至る5年間についてのトークでは、森から結婚、子どもが生まれたことが報告されると大きな拍手が贈られた。諸石は「そのときどきで、いろんな人たち、天才な仲間たちに救われてきた5年間でした。その愛と感謝を伝えたいです。今が一番楽しいし、ドラムが叩けるだけで幸せ」。原田は「コロナ時期も曲を作ったりしてあんまり変わらない生活でした。ついこないだ解散ライブした感じだから、あんまり緊張してないのかも」。池田はそのあいだ会社で働き、人生経験を積んだとのこと。「でも、やっぱり歌うのが好きで、みんなと会えるこの景色をずっとずっと夢見ていたんです。だから今日は本当にみんなに会えて嬉しいです! ありがとうございます」と、この日を迎えるまでの気持ちを伝えた。

 「baby I love you」は、アコースティック・ギターのストロークを基調とした、オリジナルとは違ったアレンジで披露。池田と原田のハーモニー、柔らかな演奏がメロディの良さを際立たせていた。「インディーズ時代に作ってデビューしてから音源化した大事な曲」との曲紹介から歌われた「約束」では、優しく穏やかなムードが会場を包み、歌い終わると盛大な拍手が沸き起こった。

 ベース、ギター、キーボード、ドラムのソロを聴かせたインタールードを挟み、「まだまだいけますかー!?」と「TUNE IN!!」へ。サーチライトが飛び交うなか、ダークな音像の16ビートで興奮を煽る。手拍子が続くなか、「恋したらベイベー」へと続くと沸き立つオーディエンス。コール&レスポンス、ハンドクラップ、池田、原田、森が揃いのステップを決めて盛り上げる。さらに「LISTEN TO THE MUSIC」へとDJプレイのように次々と代表曲を繋げていくステージングで、盛り上がりは最高潮に。途中、森がマイクを取り「我々も5年の時を経て歳を取ったので(笑)、このへんで肩の体操をしましょう」と呼び掛けて、「LISTEN TO THE MUSIC」のMVで見せる肩を上下する動きを求めて一体化。その効果なのか、次の「ピュアなソルジャー」では全員が元気に右腕をブンブン振って、フロアは興奮の坩堝と化した。オープニングから終始、観客たちがバンドに応えてステージに返す熱量がすごい。お立ち台に立って歌う池田は一瞬、感極まった表情を見せた。

 歌い出しにドッと沸いた「サマータイムラブ」では、クラップが自然発生。諸石が重たくも爽快なリズムでバンドを牽引すると、森と原田が笑顔を突き合わせながらプレイ。池田はステージの端まで行って観客と触れ合いながら歌い、最後のサビで天を仰ぎながらシャウトした。「バンドを通してみんなに伝えてきたメッセージが、一番素直に入っている曲」として、新曲「今が幸せであれ」へ。力強く疾走するメロディに乗せて<いつだって 今が幸せであれ>と、歌詞に込められた今の4人の想いを歌い上げるとステージを後にした。

 アンコールの1曲目で歌われたのは「TOWN」。大きくあたたかいサウンド、キメを連発してバンドの一体感を見せる演奏、口ずさみたくなる親しみやすいメロディが胸に残る名曲だ。「楽しい時間はあっという間。みんなのために歌いたいと思います」と「サンキュー」で満員の観客にあらためて感謝を示すと、【Shiggy Jr. 11th Anniversary ONE MAN LIVE “LIFE GOES ON”】の追加公演を10月7日に恵比寿リキッドルームで行うことをサプライズ発表して、どよめきにも似た歓声に包まれた。

 「今日はすごい雨だったよね」との池田のひと言から「keep on raining」でエンディングへ。「みんなの声も聴かせて!」とマイクを向けて求めると大合唱。迫力のあるサウンドと流れるようなメロディで、爽やかな余韻を残してライブは終了した。「ありがとうございました! また会おうね! 本当にどうもありがとう!」(池田)。最後は記念撮影からあらためてメンバーを紹介し、全員で両手を繋いでフロアに一礼。ライブ中、池田のMCでも触れていたが、解散後に曲を聴いてファンになった人も多かったのであろうこの日のライブ。いかにShiggy Jr.の音楽が普遍的なポップスであるかを証明していたとともに、今後も彼らの活動に期待したくなるライブだった。

Text:岡本貴之

◎公演情報
【Shiggy Jr. 11th Anniversary ONE MAN LIVE “LIFE GOES ON”】
2024年6月2日(日)東京・渋谷WWW
<セットリスト>
1. Saturday night to Sunday morning
2. LIFE GOES ON
3. oh yeah!!
4. day trip
5. サンシャインモーニング
6. ホットチリソース
7. oyasumi
8. ウラオモテ
9. you are my girl
10. Do you remember
11. baby I love you
12. 約束
-interlude-
13. TUNE IN!!
14. 恋したらベイベー
15. LISTEN TO THE MUSIC
16. ピュアなソルジャー
17. サマータイムラブ
18. 今が幸せであれ
EN1. TOWN
EN2. サンキュー
EN3. keep on rainning

◎公演情報
【Shiggy Jr. 11th Anniversary ONE MAN LIVE 追加公演 “LIVE GOES ON”】
2024年10月7日(月)東京・恵比寿リキッドルーム
OPEN 18:00 / START 19:00


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