スピッツ/小田和正/佐野元春らが出演、【日比谷音楽祭2024】レポート到着

2024年6月10日 / 17:30

 6月8日、9日の2日間に渡り、日比谷公園とその周辺施設にて無料の音楽イベント【日比谷音楽祭 2024】が開催された。

 【日比谷音楽祭】は、音楽の新しい循環をみんなでつくる、フリーでボーダーレスな音楽祭として、2019年からスタート。夏の始まりを感じさせる陽気の中、6年目の今年も「世代やジャンルや好みを超えてさまざまな音楽に出会える、誰に対しても開かれた場を作りたい。これまでの枠を超えて“新しい音楽の循環”を“みんなで”つくり、音楽文化を育んでいきたい」という想いのもと、世代もジャンルも異なる総勢58組ものアーティストたちが日比谷に集結し、計5つのステージで音楽祭を盛り上げた。

 また、今年はサテライト会場である東京ミッドタウン日比谷にて、初のビアガーデンも開催。さらに、日比谷公園内では、森枝幹シェフ監修による多彩なフードも展開するなど、2日間で合計17万5千人が来場し、音楽を中心とした空間で誰もが楽しめるボーダーレスなイベントとなった。

 初日の開会に先立ち、実行委員長を務める亀田は「本当に素晴らしいアーティストたちが、心を込めた音楽やパフォーマンスで自分達の表現を伝えてくれます。トップアーティストが伝える感動を、人生の宝物にしてくれると嬉しいです。日比谷公園、そして配信の向こうで、日本中で、音楽がある素敵な2日間を楽しんでください!」と、開催する度にアップデートし続けている本イベントへの想いを語るとともに、参加者にあらゆる方法で自由に楽しんでもらいたいと呼びかけた。

 開会宣言後のトップバッターを務めたのは、全身を使って音楽を楽しむダンスワークショップ「EXILE TETSUYA with EXPG」。その後も豪華アーティストによるステージライブが次々に行われた。野音で開催された「Hibiya Dream Session」では、初出演となるスピッツや小田和正をはじめ、石原慎也(Saucy Dog)やキタニタツヤ、石川さゆり、東京スカパラダイスオーケストラ、田島貴男(Original Love)、ハラミちゃんらが登場し6回目の開催となる今年も、世代やジャンルを超えた日本のトップアーティストたちが日比谷に集結し、特別な2日間を盛り上げた。

<Hibiya Dream Session 1>
 初日の夕方に行われた「Hibiya Dream Session 1」は、亀田実行委員長がスピッツを呼び込むと大歓声が沸き起こり、名曲「チェリー」でスタート。「スピッツとして野音に立つのは21年ぶり、ライブ自体も4か月ぶり、会場だけじゃなく、音漏れの人も含めて、受け取る全ての人に音楽っていいなと思ってもらえるように頑張ります」と草野マサムネが語り、久々に野音ステージに上がった喜びを噛み締めながら、「ロビンソン」や「美しい鰭」など、全7曲を披露した。スピッツの後に登場したAile The Shotaは、夕暮れから夜空に移り変わる景色の中、野音のステージに映し出される鮮やかなライトアップの演出とともに、シティポップ「AURORA TOKIO」を熱唱。続くキタニタツヤは昨年大ヒットしたアニメ主題歌「青のすみか」を熱唱し、会場をさらに盛り上げた。Z世代を中心に人気を集める2人の後も、新妻聖子の美しい歌声やKREVAの熱のこもったパフォーマンスが披露され、最後には、日比谷音楽祭が始まって以来、初めてのアンコールが行われ、「Hibiya Dream Session 1」に出演した全アーティストでスピッツの「空も飛べるはず」を披露。演奏が終わると出演アーティスト全員が手を繋いで客席に向かって挨拶をし、大きな拍手に包まれながら幕を閉じた。

<Hibiya Dream Session 2>
 2日目の昼に行われた「Hibiya Dream Session 2」は、東京スカパラダイスオーケストラによる華やかなバンド演奏からスタート。演奏に乗せたコールアンドレスポンスやダンス、手拍子ではじめから観客を巻き込んだ。続いて、華やかな洋装の石川さゆりを迎えた「虹が見えるでしょう」や、田島貴男(Original Love)とコラボ楽曲「めくれたオレンジ」といった豪華セッションで、会場のボルテージは最高潮に。東京スカパラダイスオーケストラの後は、田島が名曲「接吻」を、TOMOOが「あわいに」「Super Ball」を披露。次に登場した石原慎也(Saucy Dog)は、東京スカパラダイスオーケストラとお揃いの衣装に身を包み、コラボ楽曲「紋白蝶」の歌唱中にチューバを演奏するなど、【日比谷音楽祭】ならではのセッションで、会場を大いに盛り上げた。石原はさらに、立教大学手話サークル・Hand Shapeとのコラボレーションで、大ヒット曲「シンデレラボーイ」を披露。野音に集まった観客は、その圧倒的な歌唱力と力強い歌声に酔いしれた。そして、「Hibiya Dream Session 2」の最後には佐野元春が登場。石川さゆり、石原慎也(Saucy Dog)、TOMOOも再度ステージに登場すると、全員で名曲「SOMEDAY」を熱唱。その場にいた観客全員が、野音に響き渡る音色に身を任せながら、リズムに合わせて身体を左右に揺らすなど、温かな空気感に包まれながらステージを締めくくった。

<Hibiya Dream Session 3>
 2日目の後半、日比谷音楽祭のラストを飾る「Hibiya Dream Session 3」では、先ほどと変わって鮮やかな波模様の着物を身に纏った石川さゆりによる力強い「ソーラン節」でスタート。続いて登場したハラミちゃんは、【日比谷音楽祭】のコンセプトを体現するように、全世代が楽しめるアニメソングメドレーを演奏。「ルパン三世」や「タッチ」などの昔懐かしい名曲から、「Bling-Bang-Bang-Born(Creepy Nuts)」といった最新のヒット曲まで、全13曲をメドレーで披露した。さらに、ハラミちゃんの強い要望で実現した、実行委員長の亀田と東京スカパラダイスオーケストラホーンセクションとのセッションによる「丸の内サディスティック」が流れると、力強さと繊細さが表現された圧倒的なパフォーマンスに観客たちは自然と引き込まれていった。続いて、今年95歳を迎えたレジェンド・クラリネット奏者の北村英治が登場し、「Memories Of You」を披露。その後は、歳の差81歳、14歳にして世界で活躍するドラマーYOYOKAと、東京スカパラダイスオーケストラホーンセクション、日比谷ブロードウェイ(井上芳雄、石丸幹二、遙海)が、ジャズ界の名曲「Sing, Sing, Sing」を演奏。まさに親子孫3世代に匹敵する多様な年齢のアーティストたちが繰り広げる豪華なセッションに、観客も手拍子をしながら身体を揺らし、全身で音楽を楽しんでいた。2日間に渡って開催された本イベントの大トリを務めたのは小田和正。「言葉にできない」「たしかなこと」の2曲が披露されると、その優しい歌声に観客は息を止め、聴き入っていた。最後に日比谷ブロードウェイを迎えトリを飾ったのは、名曲「ラブ・ストーリーは突然に」。イントロがかかった瞬間に会場中が立ち上がり、手を挙げてクラップをしながら共に熱唱し、感動の渦につつまれた。最後に、実行委員長の亀田が、「1年をかけて準備してきましたが、あっという間の2日間でした。今日はここで終わりとなりますが、これからも【日比谷音楽祭】の想いを伝えていきます。これからの【日比谷音楽祭】をよろしくお願いします!」と、感謝と今後の開催実現に向けた熱いメッセージを口にし、2日間に渡る【日比谷音楽祭 2024】は幕を下した。

<日比谷公園内プログラム>
 今年の【日比谷音楽祭】は、日比谷公園の改修工事に伴い、従来とは異なる形で実施。新たに「HIDAMARI(健康広場)」や「おんがく KADAN(第一花壇)」を解放し、サテライト会場の「東京ミッドタウン日比谷」を合わせて、計9つのエリアで開催された。

 EXILE TESTUYA、中務裕(GENERATIONS)、Dream Amiによるダンスワークショップ「EXILE TETSUYA with EXPG」では、集まった約900人の参加者とともに「Choo Choo TRAIN」などの名曲を、全身を使ったダンスで盛り上げ、Dream Amiは「Follow Me」「トライ・エヴリシング」を披露。朝の澄み渡る日比谷公園に、爽やかなエネルギーのある歌声を響かせた。会場を埋め尽くすほどの観客が集まったHIDAMARI(健康広場)では、UKULELE GYPSY(キヨサク from MONGOL800)がゆったりとしたウクレレの音楽に乗せて、名曲「小さな恋のうた」を披露。集まった観客はウクレレの心地よいサウンドとゆったりと流れる音楽に心を寄せて癒しの時間を共有した。MANABI(日比谷図書文化館 B1F 大ホール)では、音楽業界を目指す人たちを増やしたいという想いのもと、アーティストマネージャーたちによるトークショー「音楽業界のお仕事のススメ~マネージャー編~」を開催。音楽業界の仕事の魅力やマネージャーになるためのヒントなどを現場の目線から語り音楽業界に憧れる人々へ勇気や希望を与えた。サテライト会場の日比谷ステップ広場では、 2日間にわたりDJ KING MASA=DREAMS COME TRUE 中村正人/S+AKS-2による「ドリカムディスコ 2024」を開催。会場を2グループに分けてダンス対決を行うなど、観客を巻き込んだダンスステージでサテライト会場からも日比谷の街を盛り上げた。

 また、多くの親子で賑わうASOBI(草地広場)では、バリ舞踊で活躍している深川バロン倶楽部が子ども向けワークショップ「からだとおとあそびのまき」を開催。異国情緒漂う音楽に合わせてイスとりゲームやダルマさんがころんだを実施し、その場にいた多くの子どもたちが普段聞くことのできない音楽に触れながら、ゲームを楽しんだ。その他にも、ASOBIでは子どもたちの歌声が響くキッズファミリーカラオケや、DJ ダイノジのキッズディスコも開催。各エリアを繋ぐ沿道や KADAN(第一花壇)では、箏やハープ、太鼓、小さな子供も楽しめるトイ楽器など、普段触れることのない楽器が体験できるスポットも充実しており、“東京の街から日本を元気にする、親子孫三世代、誰もが音楽に触れ合える”音楽祭として大きな盛り上がりを見せた。

(c)日比谷音楽祭実行委員会

◎公演情報
【日比谷音楽祭 2024】
2024年6月8日(土)、9日(日)
東京・日比谷公園、東京ミッドタウン日比谷ほか
料金:無料 ※飲食出店等、一部有料プログラムあり

【日比谷音楽祭 2024 HIROBA MUSIC WEEKEND】
2024年6月15日(土)、16日(日)、22日(土)、23日(日)
東京・東京ミッドタウン日比谷、日比谷ステップ広場ほか
料金:無料


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