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YUKA(vo,lyrics)の心を揺さぶる天真爛漫かつエモーショナルな歌声と、MASAKI(composer)の多種多様なポピュラリティ溢れる楽曲で老若男女に愛されている音楽ユニット・moumoonが、5年ぶりとなるバンドを従えたツアー【moumoon FULLMOON LIVE TOUR 2024 ~FELT SENSE~】を今春開催した。この記事では、4月21日にSpotify O-EASTで行われた東京公演のレポートをお届けする。
<冒頭から涙を誘う「たった一つのみちしるべ」>
昨年秋に開催された【moumoon FULLMOON LIVE SPECIAL 2023 ~中秋の名月~】でも圧倒的な包容力と攻撃力で観る者たちを魅了したmoumoonだが、今回のツアーでは「夢のような時間だった」とYUKA自身も語るほどのライブをお届け。eji(key)、河村吉宏(dr)、なかむらしょーこ(b)、真壁陽平(g)といった大好きなメンバーを従え、そのバンドサウンドをメイキングするMASAKIと、暖かい拍手で迎えてくれたオーディエンスに見守られながら、YUKAが1曲目に歌い始めたのは最新アルバム『FELT SENSE』収録曲「Polaris」だった。
北極星のごとく会場中を優しく照らすサウンドスケープ。「真っ暗な夜の中 あなたの音色が 僕だけの、たった一つのみちしるべ──」と繰り返し歌われるそのフレーズは、これまでmoumoonの音楽を指標としてきたリスナーの心情にも重なるが、きっとmoumoonにとってもファンの拍手や歓声、存在そのものが「たった一つのみちしるべ」と考えるとよりドラマティックに響き、冒頭から涙が溢れそうになってしまった。そんな互いが互いを愛おしく想うオープニングナンバーからの「The Best Day」。これほど今この瞬間のシチュエーションに適した楽曲があるだろうか。その歌詞通り、今日は最高の日。こころに虹がかかっていく感覚を味わいながら、誰もがその音楽に身を委ねて幸せそうに揺れていた。
<愛の塊のような音楽、重厚で尊い音楽コミュニケーション>
「皆様、こんばんはー。お久しぶりでーす。元気でしたかぁ? みんな会いに来てくれてありがとうございます。昨年リリースした『FELT SENSE』というアルバムを携えて、バンド編成のツアーが久しぶりに実現しました。5年ぶりのツアーなんですよね。ヤバいね! ライブハウスでスタンディングのライブってめちゃくちゃ久しぶりでしょ。「今日の為に足腰を鍛えています」って言いながら(笑)頑張って来てくれた人もたくさんいると思うので、最後まで楽しんでいって下さーい!」と心底嬉しそうにYUKAが語れば、その後も「ゆいいつむに」「Heart」「ブルーアワー」と聴き手の心を多種多様なアプローチでポジティブな方向へ導いていく音楽が畳み掛けられていく。
そして、前半のハイライトとも言えた「君の隣、太陽の下で」。愛と戦い続けては傷つき、罪と罰を繰り返しながらも、それでもまだ愛そうと立ち向かっていく者にしか生み出せない「強くなれるよ 変わっていくよ 愛に迷わぬ人になるよ この手をずっと離さないまま」などのフレーズたちを純度120%の歌声で届けていくYUKA。その在り方=生き様に呼応するように構築されていく愛の塊のような音楽。それは聴く者たちの愛の歴史をも浮き彫りにし、それを全肯定したうえで「愛に迷わぬ人になるよ」と鼓舞させる。今のmoumoonでしか生み出せない重厚で尊い音楽コミュニケーションの形だった。
<相思相愛=歌い手と聴き手が完全に映し鏡になっている>
「前回『NEWMOON』というアルバムをリリースして、それから全国ツアーをまわって。それが2019年。そこから本当にいろんなことがどんどん変わっていって、たくさんのことが起こって、2020年から2023年にかけて曲を溜めて「アルバムを作っていこう」ってなったんですけど、本当に目まぐるしい今日までの5年間があって。こうしてライブで『FELT SENSE』の曲を歌うと、作っていたときのこととか、その中で出来た曲を初めてみんなに発表したらみんなが「良いね」と言ってくれたことを思い出したりして。
別々の時間を生きてきた、離れた場所で過ごしてきたそれぞれの毎日があったと思うんですけど、不思議と音の中にいると急にみんなとすごく近いところにいられるような気がして、胸がいっぱいになります。皆さんもすごく大変なことがあったり、生活の中でいろんな環境の変化があったりしたと思うんですけど、でも「一緒に生きてきたんだな、一緒に歩んできたんだな」って。だからこうしてまたここで再会できたんだなと思うと、そのことがすごく愛おしくてたまりません! moumoonの音楽をまたこうして聴きにくれて本当にありがとうございます!」
そんな愛する者たちと共に進んできた実感を胸に、みんながいたから今日まで強く生きてこれたという想いを溢れさせながら『FELT SENSE』より「Beautiful Sky」をお届け。真壁のバイオリンのごとく弓で奏でるギターをはじめ、そのタイトルのままの空を創造するバンドサウンドの中で、力強く飛び交うように熱唱するYUKAの姿。それこそ「愛おしくてたまりません!」と誰もが思っていたであろう。
その後の「金の砂漠、銀の星空」「マイサンクチュアリ」「Will you?」でも感じたが、moumoonのライブは歌い手と聴き手が完全に映し鏡になっており、相思相愛ぶりが手に取るように分かる。moumoonが奏でる、YUKAが歌う1曲1曲に込められたファンへのメッセージがそのままファンからmoumoonへのメッセージになっていると感じる瞬間だらけで、その曲や歌の表情と同じ表情で誰もがステージを見つめている。まさしく共に歩んできた同志だからこそ築き上げれた関係性だ。
<20周年直前に感じた「私たちはこう生きたいんだ!」>
「みんながリズムに乗って揺れてくれたりしている姿が見れるのってしあわせですね。moumoonは来年で結成20周年になるんですって。その次の年はデビュー20周年っていう。凄いですね。ここまで音楽を続けてこれたのは、本当に音楽を必要としてくれる皆さんのおかげだなって……すごく噛み締めています。20年のあいだにいろんなことがあったけれど、時に協力し合い、時にぶつかり合って、MASAKI大先生と素敵な仲間に囲まれながら音楽を続けてこれたこと。すごくしあわせです。皆さん、ありがとうございます!」
そんな今日に至るまでのストーリーを追体験させるように、デビュー当時から歌い続けている「Cinderella」を皮切りに「フィリア」「FELT SENSE」「DREAMER DREAMER」「エメラルドの丘」「未来よ、私を追いかけろ」と新旧キラーチューンを織り交ぜながら、本編最後の畳み掛けにあらゆるエモーションを爆発させていくmoumoon。その熱唱と音像に身を委ねながら頭に浮かび上がるYUKAとMASAKI、そして、自分自身のこれまでの旅路。moumoonの音楽と出逢ったデビュー当時には気付かなかったけれど、ふたりはずっと自らの人生を音楽化してきていた。享楽的に感じるダンスミュージックやおとぎ話のように感じるファンタジックな楽曲さえも、その時々の現実とぶつかり合いながら「私たちはこう生きたいんだ!」と叫ぶように音楽を創り続けてきた。だから、僕らもその音楽に自分自身の人生を重ねながら魅了され続けてきたんだろうし、今もこんなに心を揺り動かされながらmoumoonの音楽と一体化してはしゃいでいるんだろう。moumoonと歩んできた旅路の先にこんなにも光と歓喜に溢れる瞬間が待っていたこと、それに喜ばずにはいられないんだろう。
<moumoonのひとつの到達点とも言える「わたしに還ろう」>
「最後は『FELT SENSE』の中からこの曲をお届けしたいと思います。この曲は今の自分が思うこと、感じていること。すごく等身大な気持ちで歌詞を書くことができた曲だと思っています。このアルバムに込めた想いと同じなんですけど……みんなと同じでいることってすごく難しくて。自分の心の中にはいろんな想いが生まれるし、自分の中にある感覚を大切にして、ひとつひとつのことを選んでいけたらいいなって、毎日を生きていけたらいいなっていう想いが込められています。自分以外の誰かになるんじゃなくて、自分に戻っていく。わたしに還っていく。そういうメッセージを込めています」
そうYUKAが語って歌い出した楽曲は「わたしに還ろう」。moumoonのひとつの到達点とも言えるこのナンバーは、これぞmoumoon≒自分を象徴するメッセージのみで構成された歌となっており、冒頭の「今の自分の生き方が 今のわたしのこころの中が 完璧じゃないと分かることは 自分らしさに変わってゆくよ」から後半の「何度でもつまづきながら 今わたしにしか歩めぬ道をゆこう 迷いなき人生など どこにもない 傷つき、もがきながら 輝く命であろう」、そして、最後の「どこまでも歩いてゆこう 夢までの道は果てなく思えても 日々の泡と喜び 笑顔のかけら 拾い集めるうちに景色は作られてく 一人じゃないこと気づかせてくれた もう一度自分を信じられる気がした」に至るまで、全フレーズがYUKAの人生から導き出された言葉でありながら、聴き手=自分の人生をも「そう生きたかったんだ! そう生きたい!」と導いていく。その熱量と純度が生で体感すると尋常じゃなく、共鳴したであろう観客ひとりひとりがいつまでも拍手を贈り続けていた。
<それぞれの人生の先で一緒にこの輝きに辿り着いた実感>
その想いに導かれるように「しあわせ過ぎてたまりません。アンコール、数曲歌わせてもらいます」と再登場したYUKAは、ツアーグッズ紹介を挟みつつ「楽しいやつをやりましょう!」と、まずは代表曲である「Sunshine Girl」でみんなを癒しながら笑顔にしていく。そして「本当に最後の曲なんですが、アルバム『FELT SENSE』からこの曲をお届けしたいと思います」と、ejiと真壁陽平との3人編成で「ヒライス」を披露。賛美歌にも通ずる世界観のその音楽は、あまりにも幻想的で、ちょっぴり切なくて、けれども心を温かくしてくれて、この上なく優しい光の歌として僕らを包み込んだ。
いろんなことがあって辿り着いた今。moumoonもそうだったのか、私もそうだよ。それぞれの人生の先で、一緒にこの輝きに辿り着いたんだね。そんな実感を覚える瞬間がたくさんあった(その余韻が消えなくて、この音楽空間にずっと身も心も置いていたかったと思うほど)今回の【moumoon FULLMOON LIVE TOUR 2024 ~FELT SENSE~】。きっとYUKA自身にとっても特別な体験になったであろうと思い、彼女からツアーの感想とファンのみんなへのメッセージを寄せてもらったので、最後にぜひご覧頂きたい。
<YUKAがツアー終了後に寄せてくれたメッセージ>
FELT SENSEツアーが終わってしまったこと、夢のような時間だったからこそ、今は寂しいです。
このツアーは、会場へ駆けつけてくれたmoumoonファンの皆、今回は参加できなかったけれども、応援してくれていた皆の想い、愛すべきミュージシャンの皆さん、素晴らしいスタッフの方々との出逢いがなければ達成できなかったと思います。奇跡的なまでに、全てがカチッとはまった気がしました! 今のmoumoonのサウンドを、ファンの皆に向けて、とても良い形でお届けできたのではないかと思います。
moumoonの楽曲を深く理解してくれ、本当に無くてはならない存在であるバンマスのejiちゃんとの、ブレスひとつで繋がれる無敵の信頼&安心感。よっちのドラムは型に嵌ることのない、自由で野生的な自分をとり戻させてくれるし、しょーこちゃんは深く純粋な気持ちを思い出させてくれる。大きな海みたいに、変化し続ける色彩豊かな波が真壁さんから放たれ、胸が苦しくなるほどに! MASAKIくんの音がとても力強く存在感を放っていて、この6人と、ファンの皆とで、ひとつの塊になれた気がしました。
これまでにない新鮮な感覚、破壊的なサウンド、そしてやさしく包み込まれていくようなエネルギー。その空間いっぱいに、愛が満ちていくのを感じて。ステージから見えた客席のみんなの笑顔、よかったなぁ。
終演後に、コンポーザーのMASAKIくんが「いい音だった!」と駆け寄ってくれ、とても嬉しそうに笑うのを見ると、心底「あぁ、よかった」と思えました!!!
3公演はあっという間で、でも本当に人生の宝物としてずっと忘れたくない時間でした。あの会場にいてくれた皆も、いられなかった皆も。みんな、それぞれの毎日を別々の場所で過ごしていて、大変なことも、嬉しいことも味わいながら、これまで一緒に生きて、歩んできたから。こうしてLIVEで再会し、お互いの心の真ん中に流れている「変わらない大切なもの」を確かめ合える、そんなLIVEがこれからもできたらいいなと思います。
大事なことほど、言葉にするのは難しいから、今回わたしは「FELT SENSE」という“言葉にならない感覚”をテーマにアルバムの歌詞を書きたいと思ったんだな、と改めて思い出されます。
私の言葉で伝わらない部分は、これからも音楽に乗せて、柾くんと一緒に、皆へ届け続けていきたいです。
みなさん、本当にありがとうございました!!!
6月から始まるアコースティックツアーもどんなライブになるかワクワクしています! MASAKIくんのギター、ejiちゃんのピアノ、そして私YUKAのうたが重なり合う響きに、乞うご期待です^^
ぜひ、会場でまたお会いできる日を心から楽しみにしています。
YUKA
取材&テキスト:平賀哲雄
Photo by Taishi Yokotsuka
◎ライブ【moumoon FULLMOON LIVE TOUR 2024 ~FELT SENSE~】
2024年4月21日(日)東京・Spotify O-EAST セットリスト:
01.Polaris
02.The Best Day
MC
03.ゆいいつむに
04.Heart
05.ブルーアワー
06.君の隣、太陽の下で
MC
07.Beautiful Sky
08.金の砂漠、銀の星空
09.マイサンクチュアリ
10.Will you?
MC
11.Cinderella
12.フィリア
13.FELT SENSE
14.DREAMER DREAMER
15.エメラルドの丘
16.未来よ、私を追いかけろ
MC
17.わたしに還ろう
En1.Sunshine Girl
En2.ヒライス
◎イベント情報
ツアー【moumoon -Acoustic Trio Tour 2024- 「mmm!!!」】
6月15日(土)宮城 青葉の風テラス
OPEN 18:30 / START 19:00
6月22日(土)石川 金沢21世紀美術館 シアター21
1st Stage OPEN 15:00 / START 15:30
2nd Stage OPEN 17:30 / START 18:00
7月6日(土)広島 日本福音ルーテル広島教会
1st Stage OPEN 15:00 / START 15:30
2nd Stage OPEN 17:30 / START 18:00
7月13日(土)福岡 九州キリスト教会館 礼拝堂
1st Stage OPEN 15:00 / START 15:30
2nd Stage OPEN 17:30 / START 18:00
7月14日(日)愛知 メニコンシアターAoi
OPEN 17:00 / START 17:30
7月20日(土)北海道 ザ・ルーテルホール
OPEN 17:00 / START 17:30
7月27日(土)兵庫 神戸酒心館ホール
1st Stage OPEN 15:00 / START 15:30
2nd Stage OPEN 17:30 / START 18:00
7月28日(日)京都 紫明会館(登録有形文化財)
1st Stage OPEN 14:30 / START 15:00
2nd Stage OPEN 17:00 / START 17:30
8月11日(日)東京 ルーテル市ヶ谷ホール
OPEN 19:00 / START 19:30
8月12日(月・祝)東京 ルーテル市ヶ谷ホール
1st Stage OPEN 14:30 / START 15:00
2nd Stage OPEN 17:00 / START 17:30
一般発売受付中
<イープラス>
https://eplus.jp/moumoon2024/
<ローソンチケット>
https://l-tike.com/moumoon/
(東京、仙台公演は除く)
<チケットぴあ>
https://w.pia.jp/t/moumoon
(東京、仙台公演は除く)
moumoonの2人とピアニストeji 3人で全国9ヶ所16公演を回るアコースティックツアー。moumoonが揃ってツアーのステージに立つのは5年ぶり。このツアーでしか聴けない音の重なりを、ぜひお楽しみに。
◎リリース情報
Blu-ray/DVD『FULLMOON LIVE SPECIAL 2023 ~中秋の名月~ in LINE CUBE SHIBUYA 2023.11.19』
VAA OFFICIAL STORE限定リリース
https://v-again.stores.jp/items/65fd461afc29e80c78a445f4
MouBD-0002 6,980円(tax in)
収録内容:
DISC1 (Blu-ray)
・本編映像「moumoon FULLMOON LIVE SPECIAL 2023 ~中秋の名月~ in LINE CUBE SHIBUYA 2023.11.19」全曲収録予定
・特典映像「Making of “FULLMOON LIVE SPECIAL 2023 ~中秋の名月~”」
DISC2(DVD)
・本編映像「moumoon FULLMOON LIVE SPECIAL 2023 ~中秋の名月~ in LINE CUBE SHIBUYA 2023.11.19」
※Blu-rayとDVDの本編映像は同内容となりますが、DVDに特典映像は収録されておりません。予めご了承ください。
※5月12日(日)23:59までにご予約をいただいた方にはもれなく「moumoon特製ピクチャーしおり」をプレゼント。
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