ビッケブランカ、絢香/緑黄色社会/muque迎えた【RAINBOW ROAD -伝-】オフィシャルレポ到着

2024年5月10日 / 22:10

 ビッケブランカが、5月4日に大阪・フェスティバルホールにて【Vicke Blanka presents RAINBOW ROAD -伝-】を開催した。同公演のオフィシャルレポートを下記にて掲載する。

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 5月4日、ビッケブランカ主催の「Vicke Blanka presents RAINBOW ROAD -伝-」が、大阪市にあるフェスティバルホールにて開催された。この「RAINBOW ROAD」は“1年に1度ファンと集まることができる場所“としてビッケブランカが2022年に立ち上げたイベントで、今回は第3弾。“音楽の偉大さをより伝え広めたい”という思いを込め、自身お気に入りの街・大阪に初上陸した。しかも、これまではワンマンライブだったが、初の対バン形式での実施となり、絢香と緑黄色社会、またオープニングアクトとしてmuque(読み:ムク)を招集。チケットもソールドアウトし、満員の客席の熱気が格式高い会場を満たした。貴重な共演でも沸いた4組によるステージを順に紹介する。

●muque
 開場と同時に続々と入場する観客を出迎えるのは福岡発の4人組。彼らは2022年結成のニューカマーだが、明るい客席を見渡しながらリラックスして堂々のアクトでアピールし、まずは「tape」、「456」と続ける。しなやかさと浮遊感を混ぜつつ、体になじむビートは早くもクラップを引き出したうえ、Instagramを中心に話題を集める「my crush」や、ベースがリードするロックサウンドの「Bite you」でも魅了。バンドのパフォーマンスも小気味よく気分も上々に。そしてラストは「ブルーライト」。熱を帯びるAsakura(Vo.)のボーカルをせつないシティポップにのせ、4人の音世界を存分に印象づけていった。大舞台でも違和感のないポピュラリティは大活躍の予感。この先も彼らから目が離せそうにない。

●緑黄色社会
 ポップアンセム「始まりの歌」で持ち味全開の幕開け。祝祭感やパワフルなプレイ、そして突き抜ける歌声で体感温度をいっきに上げ、次の「Party!!」ではワイパーも発生して壮観な眺めに。加えて「Slow dance」の次々に表情を変える音像や、コーラスで増幅させるスケール感は、聴きごたえもたっぷりだ。そしてビッケブランカとは同郷で普段から交流のある小林壱誓(Gt.)からは仲が良いからこその裏話も飛び出し、観客を笑わせて後半戦へ。まずはキラキラの鍵盤から始まるラブソング「サマータイムシンデレラ」で甘酸っぱい気持ちにすると、のちにビッケブランカが絶賛するバラード「想い人」でエモーショナルに。長屋晴子(Vo. / Gt.)はピンスポットライトを浴び、胸に手を当てて声を放つ。かと思えば、スリリングな「花になって」でアグレッシブな一面も。ストロボが瞳を刺激して拳も突き上がり、そこに「Mela!」で追い打ちをかける。メンバーは華麗にソロをキメ、大観衆は弾み、手を振り、歌ってヒットナンバーを堪能。勢いそのままに最後は「これからのこと、それからのこと」の爽快なポップでご機嫌にライブを締めくくった。

●絢香
 “ビッケバンド”に続いて現れると、イントロから“お~”の声が上がっていきなりのキラーチューン「三日月」。気高いたたずまいとしなやかなボーカルに、だれもが動きを止めて集中する。またMCをはさんだあとは「ツヨク想う」と「突き破る本能」の2曲でロック色をプラス。厚みあるバンドアンサンブルと融合する歌声は自在に高低を行き来して伸びやかだが、高ぶりも見せて迫り来る。そのドラマチックな様子に観客はまたも目と耳を奪われるが、“一緒に歌えたら”と口にして国民的ソング「にじいろ」で温もりにあふれるひと時へ。楽しげな手拍子に加え、大合唱も起こって一体感も抜群。次の「To The Moon」もひと際ポジティブで晴れやかに心に届く。そして、絢香の呼び込みで、ビッケブランカがかなりゆっくりと登場。それにすかさず絢香がツッコミを入れるなど、今回のリハーサルが初対面だとは思えぬ柔らかい空気感で会話を進め、2人一緒のタイトルコールから「みんな空の下」へ。心を震わすマイクリレーと、目を合わせて紡ぐ極上のハーモニーは今日限定。全員がうっとりと聴き入り、特別なラストシーンをしっかりと脳裏に焼きつけた。

●ビッケブランカ
 ライブは「Slave of Love」で冒頭からアッパーに。“ビッケバンド”と共にダイナミックに展開し、舞台を縦横無尽に動き回ってアジテーションも。「ファビュラス」ではファンが跳ねて会場を揺らし、伸ばした手はアップ&ダウン。続く「オオカミなら」では歌心を発揮し、オーディエンスの手拍子もそろって盛り上がる。無論、MCではいつものように笑いを誘って「Want You Back」に突入。コール&レスポンスで楽しませ、エンターテイナーっぷりを見せつけると、次はグローバルサウンドを感じさせる2曲を。まず「Snake」はトリッキーかつなじみ良く、そしてサプライズリリースした新曲「Never Run」をバンド編成で初披露。ビッケブランカのキーボードとストリングスのイントロで引きつけたあとは、軽快なビートに英語詞をのせて人々を踊らせる。加えて直近の北米ツアーで感じたことを曲にしたという「Never Run」の背景も伝え、音楽にかける思いも。“僕が作った曲が、誰かのこんがらがったものを解くことができるとしたら、そんな奇跡はないと思います”と語り、次は春と夏のラブソングを連ねる。センチメンタルなバラード「ポニーテイル」で胸を締めつけたら、「This Kiss」ではポップな美メロに合わせる振り付けでファンと一つに。そして、大詰めは代表曲「Ca Va?」でボルテージを最高潮にし、ラストには「革命」をセレクト。高らかな“革命”のファンファーレが大空間に響き渡り、アンセミックなコーラスで彩るロックサウンドで疾走。消えそうにない高揚感を残して本編は終了した。

 またアンコールでは9月から始まるホールツアーの開催を発表。観客からは歓喜の声が上がり、迎えるオーラスは過去ファン投票1位に輝いたアッパーチューン「ウララ」だ。しかも緑黄色社会の小林がギター&コーラスとして参加するというサプライズも。実は他のアーティストのステージでギターを弾くのは初という小林だが、曲中はビッケブランカの定番となっているジャンプを一緒に左右対象で見せるなど、仲良しの2人ならではのパフォーマンス。さらに緑黄色社会の長屋、peppe、穴見が姿を見せるひと幕もあり、まさに大団円の熱狂で「Vicke Blanka presents RAINBOW ROAD -伝-」は幕を閉じた。

 なお、本公演のセトリプレイリストは下記Spotifyにて公開されており、また6月26日22時からはスペースシャワーTVにてビッケブランカのみのライブ映像のほか、当日のインタビューと密着を加えた特別番組「Vicke Blanka presents RAINBOW ROAD -伝-」がオンエアされる。さらに、ビッケブランカは新曲「Never Run」を本公演翌日にリリースし、9月27日(金)からは全6都市を巡る全国ホールツアー「VK Blanka HALL TOUR 2024」を開催。新たなステージが今から楽しみだ。

Text by 服田昌子
Photo by 渡邉一生、松本いづみ

◎公演情報
【Vicke Blanka presents RAINBOW ROAD -伝-】
2024年5月4日(土・祝) 大阪・フェスティバルホール


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