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パリス・ヒルトンとシーアほど名声について語れる権威者はほぼいないだろう。両者とも、長年にわたって世界的な知名度を誇ってきた。 シーアはその音楽、ソングライティング、そして唯一無二の歌声で、ヒルトンは2000年代半ばのパーティー・ガールとしてのペルソナ、リアリティTVシリーズ『シンプル・ライフ』、広がりを増すビジネス、2020年のドキュメンタリーと2023年の回顧録(どちらもヒルトンの名声が頂点にあった時期に舞台裏で何が起きていたかを描いている)、そしてもちろん2006年の名ポップ・バンガー「Stars Are Blind」だ。
これらが全て融合されたのが、ヒルトンとシーアが共作し、デュエットしたコラボ曲「Fame Won’t Love You」だ。2024年4月19日にリリースされたこの胸が高鳴るアンセムは、ヒルトンのセカンド・アルバムからのリード・シングルで、名声は結局のところ本当の愛よりも空虚であることを説いている。18年ぶりのアルバムとなる今作は6月にリリースされ、シーアがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた。2023年の大晦日、2人はマイリー・サイラスのホリデー特番で、サイラスとともに「Stars Are Blind」を披露するために集まったが、この偶然の出会いがコラボへと発展していった。
これがきっかけとなり、ヒルトンは米LAにあるシーアの自宅を訪れ、パスタを食べ、世間話をし、犬たちと一緒に過ごし、音楽を作ることになった。タイトルがまだ発表されていないヒルトンのアルバムに収録される他の曲タイトルは「ADHD」や「Bad Bitch Academy」など興味をそそるもので、シーアはこれらのいくつかは、“2000年代初期のブリトニー的なクールな”雰囲気を持っていると語っている。また、5月にはヒルトン、ラブリンス、チャカ・カーンらとのコラボレーションが収録予定のシーアによるニュー・アルバム『リーズナブル・ウーマン』がリリースされる。
米ビルボードのZoomインタビューに応じたヒルトンとシーアが、名声やそれについて書いた曲、「Stars Are Blind」の人気再熱などについて語った。
ーーまず、この曲について話しましょう。お2人はどのように一緒に仕事をすることになったのですか?
シーア:一昨年のお正月に(マイリー・サイラスの大晦日特番で共演)しました。パリスはすごく緊張していて、私はウィッグをかぶっていたのですが、マイアミだったので茹だるような暑さでした。パリスは緊張で死にそうで、私は暑さで死にそうだった。彼女のそばに行き、「大丈夫だよ。最高のパフォーマンスになる。あなたならできる」と伝えたら、彼女は扇風機を当ててくれて、涼しくしてくれました。その瞬間に友情が芽生えたと感じましたね。ギブ&ギブではなく、ギブ、テイク、ギブの関係でした。私が関わりたいと感じるような相互関係だったんです。
ーーその後、どうしたのですか?
シーア: その夜、パリスに“あなたの大きな夢は何?”と聞いたら、彼女は“アルバムを出すこと”と答えました。「それなら実現できる。私が何曲か提供して、いくつか曲も書いて、あなたのアルバム制作を手伝う。全然やれると思うよ」と私は話しました。彼女はとてもスウィートで、「私を信じてくれてありがとう」って言いました。
ーーパリス、当時のやり取りで覚えていることはありますか?
パリス・ヒルトン:マイリーから電話がかかってきて、大晦日に彼女とシーアと一緒に「Stars Are Blind」を歌わないかって誘われた時は、“オー・マイ・ガッド”って感じでしたね。本当は、夫とマウイ島でのんびり年越しをするつもりだった。でも、連絡をもらったら、「あまりにも最高だから断れない。やるしかない」って感じでしたね。
ーー緊張しましたか?
パリス:ものすごく緊張しました。でも、シーアとマイリーがとても親切にサポートしてくれたのでとても安心できて、みんなで最高のパフォーマンスができました。次の日、シーアが自家用機で一緒に帰らないかって誘ってくれたので快諾したら、「あなたはポップスターになるために生まれてきたんだ」って言われました。“それがずっと私の夢だった”と答えたら、彼女が、“じゃあ、レコードを出したらどう?”って。ずっと大ファンだったので、すごく興奮しましたね。シーアは、私たちの世代を代表するソングライターです。彼女はとても素晴らしくて、才能に溢れていて、とにかくアメイジング。だから、まさに夢のような気分ですよ。彼女は最高に優しくて、スウィートな天使の一人で、私の人生に現れたのには理由があると感じています。
ーーこの曲は、タイトルどおり名声が本当の愛を与えてくれないことについてです。超有名人のお2人は、このメッセージについてどう感じますか?
パリス:私は、長い目で見れば家族ほど重要ではない、名声や美しさなどが自分にとって最も価値があり、幸せをもたらしてくれると幼い頃から考えていました。今、妻になり、息子と娘を持つ母親になって、人生で何が大切か、何が本当に私を幸せにしてくれるかがわかりました。自分が大切だと考えていたことは、多くの場合私を空虚で孤独な気分にさせてきたからです。
今、私の人生に深い充実感をもたらしているのは、(夫の)カーター(・リーム)と一緒に家庭を築き、家族や友人との関係を深めていることです……多くの人が名声や有名になろうと努力することに幸せや自分の価値を見出しているのを見てきたので、確かに素晴らしい部分もあるけれど、それがすべてではないということが伝えたい。それが本当の幸せをもたらすわけではありません。
ーーサビには、「名声はあなたを母親のようには愛してくれない」という歌詞があります。2人とも母親ですが、母親になったことで名声の関係はどう変わりましたか?
シーア:どんなドラッグにもかなわないと言えます。私のジョークに笑ってくれる人よりいいですし、私の歌に拍手してくれる人よりいいですし、賞をもらうよりもいいですし、100万年来の憧れの人と歌うよりいいです。これらすべてに勝りますね。心が豊かになるんですよ。
パリス:泣きそうです。オーマイゴッド。
ーーシーアも言っていましたが、ポップスターとして再びアルバムを作ることは、パリスにとって長年の夢でした。なぜ今実現したんだと思いますか?
パリス:私はずっと前進してきました。11:11メディアというメディア会社を立ち上げ、30のフレグランスと19のプロダクト・ラインを持っています。私はビジネスを運営して、大立者であり続けてきたんです。
ですが、音楽はずっと私の情熱であり、常に私を幸せにしてくれるものでした。自分が大好きなことなんです。ビジネスウーマン、起業家であることも大好きですし、素晴らしいことですが、私を一番幸せにしてくれるのはステージでパフォーマンスして、音楽を作ることなんです。
ーーレコーディング・セッションで最も思い出に残っているのは?
パリス:シーアの自宅で一緒にスタジオ入りしたとき、自分がこんな風に歌えるなんて知りませんでした。彼女は、私から今まで誰も引き出せなかったものを引き出してくれたんです。他の人とスタジオ入りした時、居心地がいいと感じたことがなかった。あまり知られていないことだけど、私はとてもシャイな人間なんです、痛々しいほどに。でも彼女といると、とても居心地がいいので、自分でも可能だと思っていなかったような歌い方ができたんです。
シーア:あなたは 恥ずかしがらずに本当の自分の姿を見せてくれた。素晴らしかったよ。拳を下ろして、地面を踏みしめながら、これまで私が聞いたことのないような大声で歌っていて。とても美しくて、ある種の解放のようだった。
ーーパリス、自分の声域のさらなる可能性を知ったとき、どのように感じましたか?
パリス:この1年間は、感情面、肉体面、あらゆる面において自分の声を取り戻すためのものだったように思いますね。みんなが期待しているようなセクシーで、少し吐息のようなベビードールみたいな声ではなく、本当の自分の声が音楽に反映されたような気がしています。
ーー2020年に公開されたドキュメンタリーでは、一般的には知られていなかったあなたの過去がたくさん明らかになりました。あの映像作品を公開したことで、自分の声や新たなレベルの権威を見つけることができたのでしょうか?人々があなたの考え方をより知れたという点で、名声との関係は変わりましたか?
パリス:そうですね。監督のアレクサンドラ・ディーンには感謝しきれません。 私のそばにいてくれて、私が彼女に心を開くことができるようにしてくれました。あのとき初めて、私はリアルな自分になれた。ドキュメンタリーは私の人生を変え、その後回顧録を書き、現在のアドボカシー活動に至るまで、私を導いてくれた。私の人生はいろいろな意味で変わりました。そして、この曲のように、私の最も美しい部分は自分の心だと気づくことができました。
シーア:そのとおり!
パリス:美しさや名声は関係なくて、内面と優しくあることがすべてです。私にとって本当に大切なメッセージで、親切であることをアイコニックなものにしたいですね。
シーア:私はパリスのことを本当に知る前にあのドキュメンタリーを観て、彼女とトラウマを通じた絆を感じました。やっと彼女に会えたとき、本物の人間に出会ったような気がした。吐息っぽい声に関して、彼女は演技をしているし、知らない人は騙されている。彼女は何が起こっているのか本当はわかっているし、実生活ではとんでもない天才であることを知れたのはとても素晴らしいこと。彼女がそうしなければならないとき、そうする必要がないときの違いを見るのはアメイジングで、彼女の領域の広さにはとてもインスパイアされましたね。
ーー大晦日に「Stars Are Blind」を披露したとおっしゃっていましたね。最近、映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観たばかりなのですが、劇中でとても見事に使われていました。パリス、あの曲の人気が再熱するのはどのような経験でしたか?
パリス:「Stars Are Blind」は常に私の人生において大きな部分を占めてきました。私の人生のアンセムのようなものなんです。人々に時を超えて愛され、人々が一番好きな曲だと言ってくれたり、結婚した曲だと言ってくれたり、(『プロミシング・ヤング・ウーマン』のような)映画に使われたりするのは、とても誇らしいことです。
シーア:あの曲大好きです。だから飛行機の中で、「あなたはポップスターになるために生まれてきた。なぜやめてしまったのかわからない」と言ったんです。私たちはそれを正せましたね。
ーーパリス、あなたのアルバムは6月に、シーアのアルバムは5月に発売されます。ストリーミングやチャートでの記録などの面で、2人にとってこの2枚のアルバムの成功とは?
シーア:ああ、そんなことは気にしてない。アルバムがリリースされて、一人の心に響くだけで嬉しいです。パリスはどう?
パリス:私にとって夢が叶った瞬間です。それもシーアと一緒にやれるなんて。私のファンは前作からずっと待ってくれていました。ファンたち全員に捧げるアルバムです。私はただ、みんなが笑顔になって、素晴らしい気分になって、エンパワーされて、もしかしたら泣いてしまうような音楽を作りたいだけです。
シーア:なるほど、私もそうしたい。私もファンのためにそうしたいです!
パリス:音楽はものすごく癒しを与えてくれます。音楽はいろいろな意味で私の人生を救ってくれた。だから、ファンのためにこのアルバムを作り、自分がとても好きなことを祝って、シーアや私たちの友人たちみんなと一緒にこのレコードを作ったという最高の思い出ができました……なので、私にとってはもう大成功です。
Interview: Katie Bain / Billboard.com掲載
◎リリース情報
シングル「Fame Won’t Love You (feat. Paris Hilton)」
配信中
https://sia.lnk.to/famejpn
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