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THE BEAT GARDENが自身最大キャパとなる東京・Zepp DiverCityTOKYOでワンマンライブ【good error】を4月13日に開催した。
開演が近いことを知らせるマイ・ケミカル・ロマンスの2006年の大ヒット曲「ウェルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード」が響きわたり、オーディエンスの気分を徐々に温めていく。一緒にツアーをまわるDJのkowta2がプレイを始め、本日の主役の3人が颯爽と登場すると、観客は大きな拍手でお出迎え。記念すべき初のZeppライブの幕開けに彼らが選んだのは「マリッジソング」で、序盤からU、REI、MASATOがステージを左右に行き来し、フロア全体そして2階席の奥まで目を配る姿が印象的だった。
「THE BEAT GARDENです。声出していこうぜ!」というUの呼びかけとともに始まった「Never End」では、Uの「飛べ!」の合図でジャンプ&シャウトが起こる。レーザーライトの演出が印象的で、火照る身体と比例してレスポンスも大きくなっていくのが感じられた。
「Zepp DiverCityTOKYOへようこそ! 初めて東京でライブしたのは六本木のライブハウスで、オープニングアクトでした。その時のお客さんはゼロ人でしたが、今日は満員御礼です!」と、喜びと成長をUが代表してファンに報告。「初めての人も幾度目の人も、安心して暴れまわってください。よろしくお願いします!」と、多くの人がTHE BEAT GARDENを知ったと言っても過言ではない「Start Over」が早くもここで登場した。パク・ソジュン主演で韓国ドラマブームの再燃を起こした『梨泰院クラス』を竹内涼真でリメイクした『六本木クラス』のテーマソングとして、2022年夏以降、この曲とともに3人はお茶の間や全国各地を賑わせてきた。駆け抜けるサウンドと3人の再起をかけた歌詞がオーディエンスの気持ちを一気に高め、全員が〈ウォ!〉と拳を突き上げる光景が目いっぱいに広がった。
続く「初めて恋をするように」ではREIのキーボード演奏をバックにUとMASATOが歌唱するという、ライブならではのシーンが見られた。軽やかなギターサウンドから始まった「サイドディッシュ」のファンキーなサウンドに合わせて3人とkowta2が揃ってステップする姿は、見ていて自然と笑顔になる楽しい時間だ。そして、ここでバラード「遠距離恋愛」をしっとり聞かせるという、感情の波の振り幅をも楽しませる。
「後ろも2階席も、端から端まで見えてますよ」とオーディエンスに優しく話しかけるMASATOは「上京して12年。埼玉の所沢で初めて路上ライブをした時は、一人のお父さんに向かって7時間くらい歌い続けました」と、上京時のエピソードを告白。「そんな日々も最高のミスだったと思えるくらい、たくさん失敗をしてきた僕らです。皆さんのおかげでいい日もあると思わせてもらっているので、その思いを込めて、【good error】というタイトルを付けました。すでにそんな気持ちにさせてもらっています。ありがとう!!」と喜びをアピールした。
REIは「半年ぶりの単独ライブで、ライブがなかった間にあらためてTHE BEAT GARDENとみんなで作るライブが好きなんだと、みんなの存在の大切さを感じた時間でした。今日来てくれて本当に嬉しいです。最後まで楽しんでいってください」と、Beemerと築いた絆を噛み締める時間を過ごしたようだ。
ミラーボールの輝きが曲の美しさを倍増させた「Snow White Girl」、スピード感のあるkowta2のDJプレイをはさんで、今度はMASATOがステージ上手側でギターを演奏するというサプライズが。そこにREIもキーボーディストとして参加し、二人のセッションを目の前にするBeemerたちの興奮も一段と高くなる。普段から楽曲制作を行う2人のクリエイターとして顔を見た気がする。暴れるようなブルーのレーザーライトとともに、EDM調の「High Again」でこれまた違う空間を作り出した3人だが、会場を煽りつづけるパワーは変わらない。体中に溜め込んだエネルギーを全細胞が爆発させているようなインパクトが終始あった。
「皆さんのおかげでめちゃくちゃ楽しいです。ありがとう! 誰も認めてくれない。誰の話も聞きたくない。そんな不貞腐れた時もありました。それでも手を離さずにいてくれた人への歌を歌います」というUのMCから始まったのは、3人の感情が溢れ出た「ぬくもり」。今日ここに至るまでの長い道のりを歌声と言葉で思い思いに表現する姿が、今回のツアータイトルを掲げた理由を体現していた。
そして、Uから「愛って難しいと感じたことがあると思います。愛を感じていなければ、ここに立てていないと思います。気づけていないだけで、本当はずっとそばにあるのかもしれない。次の曲はドラマのために書いた曲ですが、自分の中で答えを見つけられた曲です」という思いが明かされた「present」は、ドラマ『アイのない恋人たち』の主題歌。脚本家の遊川和彦とドラマスタッフ側と会話を重ねて完成させた渾身のバラードが自身のライブで初披露され、オーディエンスもしっかりとその姿を目に焼き付けた。
アカペラからスタートした「ラブレター」、夢を持って上京した頃から変わらない3人の思いを綴った「光」で心温まる時間を届けた後は、「B.E.T」で再びダンスホールに様変わり。レスポンスがステージと客席を行き来した「本当の声で」は、両者がいて完成した珠玉のナンバーで、本編最後のアップテンポな「Sky Drive」はそれぞれのエネルギーがぶつかり合った。加速を止めない3人に観客も一生懸命に並走し、歌って踊ってジャンプして、ゴールまで一緒に駆け抜けた。
アンコールを求めるコールが鳴り響き、ツアーTシャツに着替えた4人が姿を現すと、疲れ知らずのBeemerが大きな歓声で迎える。「Don’t think, feel.」で繰り広げられる、THE BEAT GARDENとオーディエンスの有り余る熱気がすごい。
「僕らの音楽から何かを感じて、今日来てくれた方、今まで一緒に歩んできてくれた方がいると思います。これまでの10年を思い返すと、しんどいことのほうが多かったですし、これからも辛いことはいっぱいあると思います。でも、今日は間違いなく幸せでした。俺が、私が、こいつらを幸せにしたんだって思って、会場を後にしてほしいです。そして、自分のことも時々、幸せにしてあげてください。また会いましょう!」(U)
一緒に上京して切磋琢磨してきた戦友をたたえる「エピソード」の〈隣に並んで歌う日々は鳴り止むことなんてない/ずっと響いていく〉を3人が呼吸を合わせて歌う姿は、どんな会場であっても、これからも見せていってほしいと思えるほど、感動的なパフォーマンスだった。正真正銘のラストはオーディエンスと鼓動を合わせた「心音」。“あなた”がいて“僕ら”がいる――切っても切り離せないTHE BEAT GARDENとBeemersの絆がさらに強くなった瞬間だった。
10年以上のキャリアを経て、過去最大のキャパ公演を成功させたTHE BEAT GARDEN。4月20日には、「Start Over」のオリジナル曲「はじまり」を歌う韓国シンガーソングライター、Gahoのジャパンツアーの東京公演にゲスト出演することが決まっており、日韓コラボレーションに期待が高まる。
Text by Mariko Ikitake
(C) id ENTERTAINMENT / UNIVERSAL SIGMA
◎セットリスト 【THE BEAT GARDEN one man live at Zepp DiverCityTOKYO「good error」】
1. マリッジソング
2. Never End
3. 花火
4. Start Over
5. 初めて恋をするように
6. サイドディッシュ
7. 遠距離恋愛
8. Snow White Girl
9. High Again
10. ぬくもり
11. present
12. ラブレター
13. 光
14. B.E.T
15. 本当の声で
16. Sky Drive
<アンコール>
1. Don’t think, feel.
2. エピソード
3. 心音
◎公演情報
【Gaho 1st JAPAN Tour at Billboard Live】
2024年4月20日(土)ビルボードライブ東京
1stステージ 開場15:00 開演16:00
2ndステージ 開場18:00 開演19:00
2024年4月22日(月)ビルボードライブ大阪
1stステージ 開場17:00 開演18:00
2ndステージ 開場20:00 開演21:00
※THE BEAT GARDENの出演は、4月20日のみ(ゲスト出演)
※記事初出時に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
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