<ライブレポート>RAISE A SUILEN、新時代の幕開けとなった【REVEAL】開催「目の前の壁を壊しながら突き進む」

2023年11月19日 / 18:00

 2023年11月3日から5日の3日間にかけて、東京ガーデンシアターにて【BanG Dream! 12th☆LIVE】が開催された。

 今回は最終日に行われたRAISE A SUILEN(RAS)による【REVEAL】のレポートをお届けする。“REVEAL”とは英語で「公開する・明らかにする」といった意味を持つ単語だ。今宵、RASがリスナーに向けて新時代の到来を高らかに宣言した。力強く握りしめ、突き上げた拳と共に全員で叫び、誓った一夜の記録をここに記そう。

 ステージが暗転すると、ライブのキービジュアルを使った呼び込み映像と共に1人ずつメンバーが姿を現す。このキービジュアルは、もちろん今回のライブの為に描き下ろされた新規イラストだ。この日の1曲目は先日リリースされたばかりのミニアルバム『REVELATION』から「Apocalypse」だった。みんなで「DA DA DA DA DA」と声を揃えたり、「1・2・3」とカウントしたり、その他に声出しできる箇所が何箇所もあったりで、暖機運転にはピッタリの選曲だ。そして聞き慣れた「EXPOSE ‘Burn out!!!’」のイントロが聞こえてくると、つられてアクセルをさらに奥まで踏み込んでしまう。チュチュのMCに乗せられてフロアのヘッズたちもアクセル全開のヘドバンで応える様が見ていて頼もしい。

 2曲続けた所で、ここでメンバー紹介。各パート、プレイヤーとしても実力者揃いのRASのメンバー紹介は毎回アツい演奏のリレーでステージを華やかに彩ってくれる。そのまま「JUST THE WAY I AM」へ突入し、そして「TWIN TALE」ではパレオがキーボードを弾いていたかと思えば、ショルキーに持ち替えて鍵盤を叩き、今度はショルキーを担いだまま再びキーボードに戻ったりと大忙しのソロプレイで魅せる。「Invincible Fighter」では落ちサビのポイントで、せーので合わせて会場が飛び跳ねて、「HELL! or HELL?」のイントロも恒例のチュチュのスクラッチがあったり、RASのライブは見せ場が多く、こうしてライブのハイライトをレポートしようにも、どのシーンを切り取るか悩んでしまうほどで、なんともレポートのしがいがある。

 さてここでライブも折り返し地点。一度メンバーはステージから姿を消し、客席も着席して給水などで後半戦に備える。暗転明け、今度はマスキングによるドラムソロの音が会場にこだまする。ポツリポツリとタムをひとつずつ叩き、その余韻が静寂の中へと溶け込んでいく。そしてマスキングをフィーチャーした楽曲「STRAY CERBERUS」へ。続いてパレオの情熱的なソロから始まった「Takin’ my Heart」だが、まさに心に直接語りかけてくるような胸を打つ演奏だ。「A DECLARATION OF ×××」の”RAISE YOUR HANDS, NOW!”のフレーズが聞こえてくると「今日もアンコールは無しだから、全力でみんなの声、聴かせて!」とコールアンドレスポンスへ。全力のコーレスの後は全力のジャンプ、全力で拳を突き上げ、フロアとステージ、互いを高め合う。繊細さの中に確かな力強さを感じさせるブルージーなサウンドのギターソロからロックをフィーチャーした楽曲「BERSER-KEY」を披露すると、その後もノンストップで「-N-E-M-E-S-I-S-」「SOUL SOLDIER」と続く。勝手知ったる「DRIVE US CRAZY」の軽快なエイトビートが聞こえてくると、レイヤに促されることなく会場全体でシャウト。「お前たち、そんなもんじゃないだろ!かかってこい!」とレイヤが檄を飛ばし、より一層、場内は熱を帯びていく。

 再び暗転し、ラストスパートに向けて一時の静寂が訪れる。衣装替えをして再登場の後の「R·I·O·T」は、まさに静寂をつんざく一筋の稲妻のよう。そして「UNSTOPPABLE」を演奏し終えるとレイヤが赤裸々に語り出す。「みんな、今日は来てくれて本当にありがとうございました。これからもRASらしく、目の前の壁をぶち壊しながら突き進んでいくので、応援よろしくお願いします。」とひと言残すと「POLARIS」のサビをアカペラで歌い出す。「みんな歌って!」と促し、全員で大合唱。高く拳を突き上げ、ネクストステージへ突き進むRASに、必死にしがみつくように、その拳を握りしめ、そしてこの日1番の声で叫び続けた。「ありがとう、これからもついてきて」と演奏に突入。まさにこの曲の歌詞の通り、鳴り止まない喝采と歓声の中、RASの新たな幕開けを予感させる圧巻の堂々たるパフォーマンスをオーディエンスへ見せつけた。逆光の中、1人、また1人とメンバーのシルエットが舞台から姿を消す。大音量の余韻がまるで電源を落とすかのようにプツリと消えると共に終幕の時はやってきた。

 やはりRAISE A SUILENの音で語る姿勢がカッコいい。そして何よりファンもそれを求めていると思う。UNSTOPPABLEの歌詞になぞらえれば、まさに”DNA疼く”、自然と血湧き肉躍るような、そんなパフォーマンスをいつも届けてくれると感じている。バンドリ!で1番暴れられるバンド、それがRAISE A SUILENなのだ。付け加えると最新のミニアルバムから各キャラフォーカスした楽曲を全曲やってくれたのも嬉しかったポイントだ。”音で語る”RASだからこそ、キャラクターの心象を深掘りするような楽曲をぜひこれからもライブで届けて欲しい。そして何より、最後に披露した「POLARIS」は本当に鳥肌が立つパフォーマンスだった。コールアンドレスポンスでこんなに声が揃うのかと思うくらいに、会場全体にオーディエンスの声が響き渡っていたし、何よりその歓声は力強かった。あの光景は絶対に忘れてはいけない。きっと近い将来、伝説の始まりとして語り継がれることになるだろう。

 メンバーたちのエネルギッシュな演奏と、レイヤの力強い歌声が、これまでも、これからもRAISE A SUILENを引っ張り続ける。その船に乗ったからには一蓮托生だ。RASという船の行き先は、まだ彼女たちにしか分からないけど、砕氷船のように「これからも目の前の壁を壊しながら突き進む」と誓ってくれたのだから、険しい道のりでも目的地まで運んでくれるはずだ。大船に乗ったつもりで、次のライブを楽しみにしたいと思う。

Text by 前田勇介

◎公演情報
【BanG Dream! 10th☆LIVE DAY3 : RAISE A SUILEN「REVEAL」】
2023年11月5日(日)
東京・東京ガーデンシアター
出演:RAISE A SUILEN(Raychell、小原莉子、夏芽、倉知玲鳳、紡木吏佐)
<セットリスト>
M1 Apocalypse
M2 EXPOSE ‘Burn out!!!’
M3 JUST THE WAY I AM
M4 TWIN TALE
M5 Invincible Fighter
M6 HELL! or HELL?
M7 STRAY CERBERUS
M8 Takin’ my Heart
M9 A DECLARATION OF ×××
M10 BERSER-KEY
M11 -N-E-M-E-S-I-S-
M12 SOUL SOLDIER
M13 DRIVE US CRAZY
M14 R·I·O·T
M15 UNSTOPPABLE
M16 POLARIS


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