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【バンドやろうぜROCK FESTIVAL THE BAND MUST GO ON!!】と題したイベントが、9月2日Zepp Hanedaで開催された。
出演したのは岸谷香、筋肉少女帯、JUN SKY WALKER(S)。このタイトルと出演者たちに、80年代後半の熱狂を思い出す人は多いだろう。一斉を風靡したバンド・ブームが生んだ人気雑誌『バンドやろうぜ』は、まさにバンドをやりたい若者の合言葉となっていたものだ。この雑誌名の元に、各地で顔ぶれを変えて組まれた東名阪ツアー・ファイナルが、このイベントだった。
冒頭でMCちわきまゆみが登場、この日のために復刊し来場者に配布された冊子『バンドやろうぜ(特別編集版)』を紹介、そして「今日はどのバンドも箸休め的な曲がありません」と煽って、トップ・バッターの岸谷香をコール。SEにレピッシュの「パヤパヤ」が流れると当然のように手拍子が起こり、この日のオーディエンスの世代とノリの良さを感じさせた。総立ちで待つオーディエンスの前に岸谷は、赤白のボーダーシャツにレザーパンツ、髪はポニーテールにして飛び出してきた。彼女とともにステージに立ったのはYuko(Gt.)、HALNA(Ba.)、Yuumi(Ds.)と組んでいるUnlock the girls。ソロ作「49thバイブル」を幕開けに、プリンセス プリンセスの代表曲「Diamonds <ダイアモンド>」「M」などでオーディエンスを惹きつける。変わらぬキュートな歌声を聴かせる岸谷のパワーが会場の熱気をぐいぐい高めていった。曲によってギターも弾けばキーボードにも向かう彼女からは、まだ女子バンドが少なかった頃から続けてきた自負と自信といったものが感じられる。後半はUnlock the girlsのナンバーを続けたが、おそらく初めてこれらの曲を聴いた人も多かったはず。でも知らない曲でも自分が気に入ればすんなり乗れるのがバンド・ブーム世代。新たな出会いにワクワクする楽しさを知っている。そんなオーディエンスを前に岸谷は「私は本当にバンドが好き!」と変わらぬ音楽への思いを吐露。そしてこのバンドでの楽曲「Signs」でラストを飾った。
2番手は筋肉少女帯。ステージセットの転換で4個2段重ねのマーシャルアンプが運び込まれると、MCをしていたちわきが「壁が登場しました!」と驚き、客席でもどよめきが起こった。準備が揃うと、6月に出した新曲「50を過ぎたらバンドはアイドル」が流れ、客席では色とりどりのペンライトが振られる中をメンバーが登場。ヘヴィな「サンフランシスコ」で一気にテンションを上げたかと思うと、MCで大槻ケンヂは「ちわきさんが、筋少は新曲やらずに攻めたセトリでとネタバレしてくれたので、今日は「さよなら人類」「紅」あと「お江戸-O・EDO-」!」とバンド・ブーム時代の人気曲を挙げて笑わせる。そして筋少の人気曲「踊るダメ人間」では「ジャンプしなくていいです」とオーディエンスを気遣ったが、むしろ気合いを入れて皆ジャンプしたのはいうまでもない。再結成時の心境を歌にした「新人バンドのテーマ」をアコースティック・セットで聴かせた後は「日本印度化計画」「釈迦」を続けてオーディエンスとのコール&レスポンスを続けてもはや場内はカオス。そして再び「50を過ぎたらバンドはアイドル」に送られて筋少ステージを降りた。
トリのJUN SKY WALKER(S)は、「すてきな夜空」の歌い出しで「いくぞ羽田!」と宮田和弥が気炎を吐き、一気に会場のテンションを上げた。「僕たちみんなの時代です!」との言葉に続いたのは「MY GENERATION」。森純太のご機嫌なギターソロに最前列の腕が伸びる。森をはじめドラムの小林雅之、ベースの市川勝也も一言ずつ挨拶した最初のMCで宮田が、筋少で皆が振ったペンライトを自分たちにも振って欲しいと、このイベントでしかありえない無茶振りをした。「でも次に歌う『風見鶏』はバラードだからやめてもらって」と断りもついたが、新曲「もう一度 歩いていこう」「声がなくなるまで」と曲が進むほどに、遠慮がちに振られていたペンライトが次第に大きく高く振られ、宮田も前列の人から借りて一緒に振っていた。時間が押していると言いながら宮田は35周年になる自分たちの事を話したり、「若い時に聴いた曲は宝物」などと名言を口にしながら進めていく。後半「START」「全部このままで」と畳み掛けると、オーディエンスのテンションもマックスに。誰もが35年分の笑顔で腕をあげペンライトを振りタオルを掲げている。こんな光景を見られるとはステージの上の面々も思っていなかったに違いない。
「これからも一緒に生きて行こう!」と宮田はオーディエンスに呼びかけると、岸谷と筋少のメンバーを呼び込み「歩いていこう」をセッション。この曲を宮田とともに岸谷と大槻が歌っている一方、森の側に筋少の橘高文彦と本城聡章が並び、市川の隣に内田雄一郎が立つという光景に胸が熱くなった。大槻が「僕らはノスタルジー配達人」と言っていたが、懐かしい曲は歌い演奏し続けられることで月日を超えて命をつなぎスタンダードになっていく。この日ここで演奏された曲は、間違いなくそうした曲だ。そのことを一番実感しているのは、この会場にいたオーディエンスだろう。
Text 今井智子
Photo umihayato
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