<ライブレポート>Alborg/Homecomings/スカート、渋谷CLUB QUATTRO 35周年×カクバリズムの夏祭り

2023年8月30日 / 18:00

 【”SHIBUYA CLUB QUATTRO 35TH ANNIV. “NEW VIEW” ×カクバリズムの夏祭り” 】が、8月17日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて開催された。

 本イベントは、今年で開店35周年を迎えた渋谷CLUB QUATTROのアニバーサリーを記念した特別企画【NEW VIEW】の一環として開催され、ライブアクトとしてÅlborg、Homecomings、スカートの3組が出演した。

 会場にはステージと別にDJブースが設けられ、オープン後からカクバリズム社長・角張渉とmei eharaのセレクトによるゆったりとしたDJタイムがスタート。天井には提灯が飾られており、渋谷CLUB QUATTROは“夏祭り”感満載だ。「今日はみんなで楽しむぞ! お~!」と社長の軽快な掛け声とともにオーディエンスから温かい拍手が贈られ幕を開けた。

 この日のトップバッターを務めたのは、2022年に横浜で結成された5人組バンド“Ålborg”。岩方ロクロー(Dr.)がドラムを刻むなか、ステージに夏祭りとのこともあって浴衣姿のMiya(Gt. / Vo. / Fl.)、安田くるみ(Tb. / Cho.)、アロハシャツを身にまとった功刀源(Gt.)、かまたたつや(Ba.)が登場。そのままメンバー5人はイントロを奏で「Blend」でスタート。夏のじめっとした暑さを忘れる、のびやかな心地良いバンドサウンドが渋谷CLUB QUATTROを包み込んでいく。カクバリズムで最もフレッシュなバンドとのことだが、そのバンド歴を感じさせない堂々としたパフォーマンスと、どことなくアンニュイな雰囲気が印象的だ。 

 立て続けに「I Listen to you」「Window」などを披露。Miyaの透き通る魅力的な歌声と、功刀のスティールギターや安田の伸びやかなトロンボーンとコーラス、リズム隊が奏でるゆるいポップさが絶妙にマッチし、ひたすら心地良くオーディエンスの体をゆらした。ラストは今年7月にリリースされた「Change」で会場を温め、ステージを後にした。

 再びDJタイムが始まり、2番手に登場したのは“Homecomings”。SEが流れるなか、畳野彩加(Gt. / Vo.)、福富優樹(Gt.)、福田穂那美(Ba. / Cho.)、石田成美(Dr. / Cho.)の4名が登場。ステージ上にセットしてあるアンプの上には、カラフルなぬいぐるみたちが飾られていて可愛い。「Homecomingsです。よろしくお願いします」と畳野が口にすると、石田のドラムの4カウントから「ラプス」をドロップ。1曲目から畳野の芯のあるまっすぐな歌声と、バンドメンバーの唯一無二なサウンドは抜群に安定していて、どこか温もりを感じる。

 MCパートでは「今日はQUATTRO 35周年ということで、本当におめでとうございます!」と畳野がコメントするシーンも。4ピースバンドだが、彼女たちが奏でる音圧は十分すぎるほどで、その後も最新アルバム『New Neighbors』の楽曲を中心に、緩急あるセトリでオーディエンスを魅了した。

 再びのDJタイムで「カクバリズムを支える最高のバンドを紹介させてください! スカート~!」とほろ酔い状態で少し陽気な社長の紹介を受け、夏祭りのトリを務めたのはスカート。すかさずアンセムナンバー「CALL」をドロップし、会場のボルテージはうなぎのぼり。この日のメンバーは澤部渡(Gt. / Vo.)、佐久間裕太(Dr.)、岩崎なおみ(Ba.)、佐藤優介(Key.)、シマダボーイ(Perc.)の5名で、1曲目から抜群の爽やかポップサウンドで会場中を包み込んでいった。ギターをかき鳴らしながら歌う澤部をはじめ、メンバー全員楽しそうにパフォーマンスをしてる姿がとても印象的。オーディエンスもスカートの織りなす音楽に身をまかせ、会場は熱気を帯びていた。

 そこから立て続けに「いつかの手紙」「視界良好」や2022年11月にリリースされたアルバム『SONGS』の楽曲など、スカートらしさ全開なアクトをこれでもかとドロップ。エネルギッシュで体当たりな圧巻のパフォーマンスを繰り広げ、会場中を魅了した。

 良い流れで迎えたアンコールには、Ålborgから安田くるみ(Tb.)、Homecomingsから畳野(Vo.)が参加し、スカートの代表曲「ストーリー」をセッション。心身に染み渡る優しいサウンドと、この日しかできない特別なアクトは目に焼けつけるしかなかった。そして鳴り止まない拍手のなか、“澤部コール”が始まり、社長の「もう一曲聴きたいな澤部さん!」と急遽のおかわりアンコールへ。観客からのリクエストに応えることになり、すぐに一人の男性が「静かな夜がいい!」と瞬発的に届けると澤部は「よしやろう!」と応え、勢いよくギターを掻き鳴らし、スポットライトに照らされるなか熱唱。それはもう圧巻のパフォーマンスで、会場には自然と一体感が生まれていた。約3時間におよぶイベントは、カクバリズムの音楽愛と渋谷CLUB QUATTROの長い歴史への感謝溢れる特別な一夜となったに違いない。

Text:Rumi Miyamoto
Photo:廣田 達也

◎公演情報
【”SHIBUYA CLUB QUATTRO 35TH ANNIV. “NEW VIEW” カクバリズムの夏祭り”】
2023年8月17日(木)東京・渋谷CLUB QUATTRO
<Ålborg>
1. Blend
2. I Listen to you
3. Window
4. Memory
5. Girl
6. Change

<Homecomings>
1. ラプス
2. ヘルツ
3. US / アス
4. Shadow Boxer
5. euphoria / ユーフォリア
6. Here
7. Blue Hour

<スカート>
1. CALL
2. いつかの手紙
3. 視界良好
4. 十月(いちおう捨てるけどとっておく)
5. Aを弾け
6. サイダーの庭
7. アンダーカレント
8. さかさまとガラクタ
9. 背を撃つ風
10. ODDTAXI
11. 海岸線再訪

-En
En1. ストーリー(セッション)
En2. 静かな夜がいい(スカート澤部弾き語り)


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