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根津まなみ(Vo.)と井上惇志(Key.&Prod.)から成るユニット・showmoreが、6月25日、初登場となるビルボードライブ大阪にて【showmore Billboard Live Tour 2023 with Strings】の初日を迎えた。
今ツアーは6月28日リリースの「silky」と、それに続く「habilabi」という2つの新曲を携え行われるもので、タイヘイ(Dr.)、玉木正太郎(Ba.)、ZIN(Cho.)のサポートメンバーに加え、伊藤修平(Vc.)、銘苅麻野、三國茉莉(ともにVl.)、角谷奈緒子(Vla.)というカルテットを招いた豪華な布陣で展開。同日1stステージは華やかなツアーの幕開けとなった。
ライブは出だしからストリングスとボーカルのタッグで急激に引きつけ、切ない旋律に足跡を残すようなピアノと風合いあるコーラスをのせ、観客に息をのませる。その後も四弦はスリリングにもあやしげにも変化し、鍵盤は時にジャジーに時に軽快に。根津の歌声も緩急を見せ、カバー曲での畳みかけるような場面から、吐息を混ぜて丁寧に言葉を伝えるナンバーも。ベースの重みがシンバルの波紋となって広がれば、観客も体を揺らして彼らの音楽を堪能。そして“この日のために書いてきました。初公開!”という根津のひと言からお待ちかねの新曲「silky」へ。はかないボーカルに音を重ねてドラマチックに変貌しつつも、ハイトーンはクリアに響いて“ラララ“のハミングは軽やか。曲の起伏で心地よく翻弄し、会場に拍手と歓声を起こす。
だが、MCは根津が「大阪で本当に迷っちゃってさー(笑)」と今日あったハプニングのトークをし親近感が生まれる。大阪での迷子体験を「(観客と)共有して私の気持ちは報われるということで!」と切り替え、雰囲気を一転させるしっとりと清らかなジャズバラードへ。歌声の粘度をストリングスと絡ませたら、次はポップにZINとのハーモニー&掛け合い。クラップも自然発生し、楽しげなバイオリンが観客を弾ませる。さらに追い打ちをかけるように、今宵のスペシャルカクテルにもなったもう一つの新曲「habilabi」を初披露。サビの「habilabila habilabila」が耳に焼きつき、根津の「自由に楽しんで!」の煽りに手拍子が大きくなって一体感も抜群。全員で声をそろえる「habilabila habilabila」は、ハッピーな呪文のように体を突き動かす。
しかもここで「大阪だけのスペシャルゲスト!」とego apartmentのPeggy Dollを呼び込めば、もちろん鳴り出すのは「summer magic」。ツーボーカルが日本語&英語、低音&高音、ラップ&ソウルなどを自由に行き来するダンサブルなサマーチューンは言わずもがなの盛り上がり。Peggyも曲後に「(自身の地元)大阪で(この曲が)できるのもうれしいですね!」と口にして舞台をあとにする。
また、井上は「habilabi」について「今まで歌わせるみたいなのを僕が恥ずかしくてやってこなくて。でもみんなで歌ってみるのも楽しいかなって心境の変化があって……」と話し、今日の様子を「なんか幸せですね!」と言うと、静寂をはさんでゆっくりとウィスパー&ピアノで壮大な音世界へ。熱を上げるボーカル、美しい弦の音色に誰もが没入。じわっと拍手が起こる……が、そこから急上昇するキラーチューン「circus」で締めくくり。根津は端々まで歩きながら語りかけるように歌ってステージと客席の距離をグッと縮め、コーラスが感傷をプラス。解放感あるグルーヴに全員が身を委ねて大いに打ち上がった。
そしてアンコールはメンバー紹介から。途中、根津が「コーラスはZINしかダメだ!」と明かせば、Soulflexで活動するZINは「(サポートコーラスは)showmoreだけって決めてるんで!」と相思相愛。加えて根津は、伊藤率いる、しゅうまいカルテットに関して「修さまのアレンジが本当にすばらしくてレコーディングでも涙して……」と絶賛し、愛があふれるなかもう2曲。根津とZINの会話のような歌、ダイナミックなストリングス、迫力を増すピアノとバンドサウンド、キャッチーなリフレインetc.。最後の最後までオーディエンスを圧倒し、【showmore Billboard Live Tour 2023 with Strings】大阪公演の1stステージは感動に包まれて幕を下ろした。
なお、大阪公演と異なるセットリストで繰り広げられる東京公演は、6月29日にビルボードライブ東京にて開催される。
TEXT 服田昌子
PHOTO 山元裕人
◎公演情報
【showmore Billboard Live Tour 2023 with Strings】
6月25日(日) 大阪・ビルボードライブ大阪 ※終了
6月29日(木) 東京・ビルボードライブ東京
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