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モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』が4週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
1位に初登場した3月18日付から今週(4月8日付)まで4週連続で首位をキープした『ワン・シング・アット・ア・タイム』は、週間ユニットが前週から6%減少したものの、197,000と高水準を維持して4週目で早くも100万ユニットを突破した。
2023年3月18日 501,000ユニット(1位)
2023年3月25日 259,000ユニット(1位)
2023年4月1日 209,500ユニット(1位)
2023年4月8日 197,000ユニット(1位)
197,000ユニットの内訳、アルバム・ストリーミングが177,500(8%減少)、アルバム・セールスが17,000 (36%増加)、トラックによるユニットは2,500 (14%減少) で、週間ストリーミングは全36曲で2億3,576万回を記録して4週連続で2億回を突破した。
男性アーティストのアルバムが初登場から4週以上首位を獲得したのは、2021年1月23日~3月27日付の10週を記録した前作『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』以来約2年ぶりで、Billboard 200での首位獲得週はその前作を含めて通算14週目に更新された。
過去10年間では、テイラー・スウィフトの20週(5作が1位)に続く2番目の記録で、『Un Verano Sin Ti』(13週)と『El Ultimo Tour del Mundo』(1週)で同14週を獲得したバッド・バニーと記録を並べている。
続いて今週2位には、BTSのJIMINによる1stソロ・アルバム『FACE』が初登場。デビュー作の初登場の順位としては、2021年6月5日付で1位にデビューしたオリヴィア・ロドリゴの『サワー』以来の最高位となる。
『FACE』の初動ユニットは164,000で、その内訳アルバム・セールスが124,000、アルバム・ストリーミングが13,500(1,951万回)、トラックによるユニットは26,500をそれぞれ記録した。
2023年の記録では、週間ユニットが1位の『ワン・シング・アット・ア・タイム』が初週3月18日付で打ち出した501,000に続く2番目の記録で、週間セールスは3番目(ソロ・アーティストとしてはトップ)、トラックによるユニット(TEA)では今年最大の週間記録を更新している。
トラックによるユニット26,500の内訳は、そのほとんどが「Like Crazy」によるものだった。同曲は、韓国語バージョン、英語バージョン、ダンス・リミックス2曲、インストゥルメンタルの5つのバージョンがあり、ヒットに繋げた。また、リード・シングルの「Set Me Free Pt. 2」は、先週4月1日付のソング・チャート“Hot 100”で30位にデビューして、ソロとしては初のランクインを果たしている。
トラックによるユニットの記録としては、テイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』が2022年11月19日付でマークした34,000以来の高記録で、本作もリード曲の「アンチ・ヒーロー」がリミックスなど計7つのバージョンをリリースした週に高記録を打ち出した。
TEAとは収録曲ごとのダウンロード数をアルバム・セールスに換算したトラック・イクイバレント・アルバムのことで、曲単位の数字が伸びればアルバムのユニット数も上昇する。
本作も、多くのK-POPアルバムと同様特典の異なる数種類のCDと、デジタル・ダウンロードも異なるアートワークのバージョンがリリースされていて、124,000枚の内訳79%がCD、残りの21%がダウンロードによる売り上げだった。
BTSのメンバーとしては、それぞれ2作をリリースしたRM、J-HOPEに続く3人目のランクインで、ソロとしては現時点での最高位となる。
JIMIN
2位『FACE』(2023年)
RM
26位『Mono』(2018年)
3位『Indigo』(2022年)
J-HOPE
38位『Hope World』(2018年)
17位『Jack in the Box』(2022年)
上記のうち『Jack in the Box』はCDはリリースされず、ストリーミングとデジタル・ダウンロードのみ可能だった。また『Indigo』も発売当初はストリーミングとデジタル・ダウンロードのみ可能で、2週間後にCDがリリースされている。
K-POPアーティストはCDの売り上げが特に高い傾向にあり、昨年の米国CD売り上げTOP10のうち7作はK-POPアーティストによる作品だった。なお、2022年のCD売上年間1位はテイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』で923,000枚、2位がBTSの『Proof』で917,000枚を売り上げている。
チャートに戻り、3位にはラナ・デル・レイの新作『ディド・ユー・ノウ・ザット・ゼアズ・ア・トンネル・アンダー・オーシャン・ブルバード』が初登場して、以下に続く通算9作目のTOP10入りを果たした。
10位『パラダイス』(2012年)
2位『ボーン・トゥ・ダイ』(2012年)
1位『ウルトラヴァイオレンス』(2014年)
2位『ハネムーン』(2015年)
1位『ラスト・フォー・ライフ』(2017年)
3位『ノーマン・ファッキング・ロックウェル!』(2019年)
2位『ケムトレイルズ・オーヴァー・ザ・カントリー・クラブ』(2021年)
8位『ブルー・バニスターズ』(2021年)
3位『ディド・ユー・ノウ・ザット・ゼアズ・ア・トンネル・アンダー・オーシャン・ブルバード』(2023年)
『ディド・ユー・ノウ・ザット・ゼアズ・ア・トンネル・アンダー・オーシャン・ブルバード』の初動ユニットは115,000で、その内訳アルバム・セールスが87,000、 アルバム・ストリーミングが28,000、トラックによるユニットは残りのわずかだった。週間ストリーミングは全16曲で3,614万回を記録し、週間記録としては自己最高を更新した。
セールス87,000枚の内訳、58,500枚がアナログ盤(LP)による売り上げで、全体の67%を占めた。LPの週間セールスとしては2023年の最高記録で、また自身の週間セールスとしても過去最高売上枚数を更新している。
そのアナログ盤は、AmazonやTarget、公式ウェブサイトなどで販売されたパッケージの異なる6種、CDはカバー・アートや特典の異なる9種、カセットテープもカラー・バリエーションの異なる5種がリリースされた。
アルバムからは、ロック・オルタナティブ・ソング・チャートでタイトル曲が23位、「A&W」が10位、「ザ・グランツ」が45位にランクインし、プロモーションに繋げた。
続いて4位にはルーク・コムズの新作『ゲッティン・オールド』がデビューし、デビュー作から5作連続のTOP10入りを果たした。
4位『ディス・ワンズ・フォー・ユー』(2018年)
4位『ザ・プリクエル』(2019年)
1位『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』(2019年)
2位『グロウイン・アップ』(2022年)
4位『ゲッティン・オールド』(2023年)
『ゲッティン・オールド』の初動ユニットは101,000で、前作『グロウイン・アップ』が初週で記録した74,000を大きく上回った。本作からは、カントリー・ソング・チャートで「グロウイン・アップ・アンド・ゲッティン・オールド」が20位、「ラブ・ユー・エニウェイ」が3位、「ジョー」が22位、「5リーフ・クローバー」が15位をマークし、アルバムのヒットに繋げた。
101,000の内訳、アルバム・ストリーミングが66,000、アルバム・セールスが32,500、トラックによるユニットは2,500をそれぞれ記録。アルバムの週間ストリーミングは全18曲で8,540万回を記録し、2023年では3番目に高い記録を打ち立てた。また、自身の記録としても過去最高を更新している。
フィジカルは、CDが公式サイト限定と通常の2種、アナログ盤が標準、デラックス・エディション2種、Amazon限定、Walmart限定などの5種、カセットテープは赤いパッケージの1種がリリースされている。
週間ユニットが10万を突破したカントリー・アルバムは、1位の『ワン・シング・アット・ア・タイム』に続く今年2作目の快挙で、2022年は1作も達成しなかった。2021年は、テイラー・スウィフトの『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』、『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』、それからモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』の3作が達成している。
今週は1位から4位までのアルバムがすべて10万ユニットを超えていて、上位4作が10万ユニットを突破したのは2020年8月8日付以来、約2年半ぶりのチャート・アクションとなる。
新作の登場によりシザの『SOS』は先週の2位から5位にダウンしたが、週間ユニットは70,000(3%減少)で安定している。
続いて今週6位にはフォール・アウト・ボーイの新作『ソー・マッチ・(フォー)・スターダスト』がデビューし、通算7作目のTOP10入りを果たした。
9位『フロム・アンダー・ザ・コーク・ツリー』(2005年)
1位『インフィニティ・オン・ハイ』(2007年)
8位『フォリ・ア・ドゥ』(2008年)
1位『セイヴ・ロックンロール』(2013年)
1位『アメリカン・ビューティー/アメリカン・サイコ』(2015年)
1位『マ ニ ア』(2018年)
6位『ソー・マッチ・(フォー)・スターダスト』(2023年)
『ソー・マッチ・(フォー)・スターダスト』の初動ユニットは64,000で、その内訳アルバム・セールスが49,000、アルバム・ストリーミングが14,500(1,865万回)、トラックによるユニットは500だった。本作も、9種類のアナログ盤、8種類のLPボックス・セット、特典の異なる計11種類のCDデラックス・ボックス・セット、2種のカセットテープがリリースされている。
『ソー・マッチ・(フォー)・スターダスト』のリード・シングル「ラブ・フロム・ジ・アザー・サイド」は、今年2月に オルタナティブ・エアプレイ・チャートで1位を獲得し、バンド初のNo.1タイトルに輝いた。なお、同チャートでのこれまでの最高位は、2006年に2位をマークした「ダンス、ダンス」だった。
以下、テイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』(59,000ユニット / 4%減少)が3位から7位にダウンし、メトロ・ブーミンの『Heroes & Villains』(45,000ユニット / 14%増加)が8位をキープ。モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(43,000ユニット / 3%増加)が7位から9位、カロルGの『Mañana Será Bonito』(40,000ユニット / 12%減少)も6位から10位に順位を下げている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは4月7日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
2位『FACE』JIMIN
3位『ディド・ユー・ノウ・ザット・ゼアズ・ア・トンネル・アンダー・オーシャン・ブルバード』ラナ・デル・レイ
4位『ゲッティン・オールド』ルーク・コムズ
5位『SOS』シザ
6位『ソー・マッチ・(フォー)・スターダスト』フォール・アウト・ボーイ
7位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
8位『Heroes & Villains』メトロ・ブーミン
9位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
10位『Mañana Será Bonito』カロルG
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