KIRITO、急遽“一人”ステージとなったアコースティックライブを完遂

2023年4月2日 / 12:00

4月1日@大手町三井ホール (okmusic UP's)

KIRITOが4月1日、大手町三井ホールにて『KIRITO Acoustic live 23’「Phantom III – Connected dots -」』を開催した。この「Phantom」と冠したアコースティックライブは昨年7月に始動し、KIRITOがライフワークとして継続的に実施していくことが公言されているものであり、今回が9月以来となる第3弾公演。本来であれば、これまでと同様に二人編成で行われるはずだったが、サポートを務めるギタリストJOHNの新型コロナウイルス罹患により、公演3日前というタイミングで急遽KIRITO一人での弾き語り公演に変更されることとなった。

実は、いずれ一人でステージに立つこともあるかもしれないと彼自身が以前口にしていたこともあるのだが、その機会が思わぬ形で早く訪れたのだ。とは言え、元々予定されていたものと、そうではないものとでは当然事情が変わってくる。これまでの「Phantom」公演においてもKIRITOは全曲ギターを弾きながらの歌唱であったゆえ、それ自体は無謀なことではないにせよ、様々な面で変更せざるを得ない部分があったはず。ただ、この日「緊張感や絶望感を楽しみに変えるマインド」という発言もあったように、逆境や突発的な出来事にこそ燃えるのがKIRITOという人物。その本領がステージで遺憾なく発揮されたのだった。

シャンデリアが煌めく舞台の中央にはKIRITOとギターの存在のみ。「BUTTERFLY」(Angelo)で幕を開け、ソロ名義、Angelo、PIERROTそれぞれから選出された楽曲たち全16曲が披露された。単純に言えばこれまでツインギターだったものがワンギターになったわけで、音数が減ることはもちろん、装飾的なギターフレーズが省かれることとなり、KIRITOは主に弾き語りの基本であるストローク奏法でギターを奏で歌ったのだった。「Phantom」公演においては、KIRITO曰くギターは歌のために最低限あるという感覚とのことで、まさにそれがわかりやすい形で示される結果にもなった。すなわちこれは歌で勝負する極致と言っていい。

いつにも増して感情が溢れていた歌の表現は、少ない音数の中ダイレクトに響くこの状況下と、オーディエンスに届けようとするKIRITOの思いが表れたものであったに違いない。様々な楽曲を通して示した、生かされる理由、道を切り開いていくこと、選んだのはここに立つこと…その全ての根本にあるのは深い愛情で、それらがこの日一段とリアリティをもって熱量高くまっすぐに届けられたのだった。なお、名義を問わずあらゆる時代に自身が生み出してきた楽曲を演奏するのがKIRITOのアコースティックライブのスタイルで、この日は「Lotus bloom」(Angelo)が久々の披露となったことも付記しておきたい。

また、ここで語られたKIRITOらしい数々の言葉も印象深く、それらの内容こそ本公演が実現できた大きな要因であったに違いない。本編最後に最新作『NEOSPIRAL』収録の「I BLESS YOU」を演奏する直前には「できるかできないかではなく、やるかやらないか、この2択だけで生きてきました。やると決めた以上、それ以外の選択肢はなく、やると決めたらやるんです。それがKIRITOです」と。そして、短い準備期間でこの日を迎えたことに対し、スタッフへの思いを述べる場面もあり、「決して一人で戦っているわけじゃない。一緒に戦ってくれる仲間がいるんです。ファンの皆もそう。僕にできることはステージで音を届けること。最高をどんどん塗り替えていきたいなと思います。これからもよろしくお願いします」と告げたのだった。

ピンスポットがKIRITOを照らす中、〈強く響け僕の歌声よ 行き場を無くした君のもと、届くように〉とアカペラで歌う場面があまりにも胸を打つものだった「CHILD」(PIERROT)をもって本公演は幕となったが、既報の通り5月1日には全10公演にわたる全国ツアー『KIRITO Tour 2023「REBUILDED NEOSPIRAL」』がスタートする。また、7月22、23日KANDA SQUARE HALLにてシリーズ第4弾『KIRITO Acoustic live 23’「Phantom IV -A line of conviction-」』が開催されることが新たに決定した。最後にKIRITOの言葉を記そう。「春も夏も秋も冬も、暴れたり泣いたり笑ったり、一緒に過ごしていきましょうね」

text by 金多賀歩美

【SETLIST】

1.BUTTERFLY

2.SIGHT

3.Enter the NEOPHASE

4.逆光

5.ホログラム

6.Voice of the cradle

7.雫

8.Storyteller

9.CRUELWORLD

10.Lotus bloom

11.Beginning

12.壊れていくこの世界で

13.I BLESS YOU

<ENCORE>

1.PRAY

2.TEAR

3.CHILD
【ライブ情報】

『KIRITO Acoustic live 23’「Phantom IV -A line of conviction-」』

7月22日(土) KANDA SQUARE HALL

17:00開場/17:30開演

7月23日(日) KANDA SQUARE HALL 

16:30開場/17:00開演

<サポートメンバー>

Ag.JOHN

『KIRITO Tour 「REBUILDED NEOSPIRAL」』

5月01日(月) Spotify O-EAST

18:15開場/19:00開演

5月04日(木祝) 新宿BLAZE

16:45開場/17:30開演

5月05日(金祝) 新宿BLAZE

16:15開場/17:00開演 

5月13日(土) umeda TRAD

17:00開場/17:30開演

5月14日(日) umeda TRAD

16:30開場/17:00開演 

5月20日(土) 名古屋ボトムライン

17:00開場/17:30開演

5月21日(日) 名古屋ボトムライン

16:30開場/17:00開演

5月27日(土) 福岡DRUM Be-1

18:00開場/18:30開演

5月28日(日) 福岡DRUM Be-1

16:30開場/17:00開演

6月04日(日) EX THEATER ROPPONGI

17:15開場/18:00開演

<サポートメンバー>

Gt月海日(vistlip)、Gt月JOHN、Ba月Chiyu、Dr月Allen


音楽ニュースMUSIC NEWS

故マック・ミラー、遺作AL『バルーンリズム』が『サークルズ』5周年記念日にリリース決定

洋楽2024年11月22日

 故マック・ミラーの遺族が、2020年にリリースされた最初の遺作アルバム『サークルズ』の5周年を記念して、2枚目の遺作アルバムをリリースする予定だ。『サークルズ』は、2018年に急逝したミラーが生前に制作していたアルバムだった。  米ピッツ … 続きを読む

Eve、TVアニメ『アオのハコ』EDテーマ「ティーンエイジブルー」MV公開

J-POP2024年11月22日

 Eveが、TVアニメ『アオのハコ』エンディングテーマとして書き下ろした「ティーンエイジブルー」のミュージックビデオを公開した。  現在配信中の本楽曲は、11月27日発売のニューアルバム『Under Blue』にも収録される。 ◎映像情報 … 続きを読む

TM NETWORKのツアーに密着、デビュー40周年ドキュメンタリー映画の公開決定

J-POP2024年11月22日

 TM NETWORKのドキュメンタリー映画『TM NETWORK Carry on the Memories -3つの個性と一つの想い-』が、2025年春に劇場公開される。  1984年4月21日に、シングル『金曜日のライオン』でデビュー … 続きを読む

モーニング娘。’24が初登場、「恋愛レボリューション21」を披露<THE FIRST TAKE>

J-POP2024年11月22日

 モーニング娘。’24の一発撮りパフォーマンス映像『モーニング娘。’24 – 恋愛レボリューション21 / THE FIRST TAKE』が、2024年11月22日22時にYouTubeプレミア公開される。  一発撮りのパフォー … 続きを読む

tuki.、「15歳になるまでに作った曲」を集めた1stアルバム『15』リリース決定

J-POP2024年11月22日

 tuki.が、2025年1月8日に1stアルバム『15』を発売する。  同作は、tuki.が15歳を迎えるまでに作ったという楽曲が収録されたアルバム。「晩餐歌」をはじめ、「一輪花」「サクラキミワタシ」「ひゅるりらぱっぱ」といった既発曲のほ … 続きを読む

Willfriends

page top