トム・モレロ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのツアー再開がいつになるかわからないと語る

2023年3月30日 / 14:30

 トム・モレロでさえ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがいつ、もしくはツアー再開自体があるのかわからないと明かした。

 米ローリング・ストーン誌の最新インタビューで、トムはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが【ロックの殿堂】入りにノミネートされた後、ザック・デ・ラ・ロッチャが北米ツアーの2回目の公演で足に重傷を負ったため、予定していた2022年秋のヨーロッパ・ツアーをキャンセルせざるを得なくなり、今日に至るまでツアーが流動的な状態になっていると語った。

 ザックの足の怪我が回復したらツアーを再開する可能性があるかと聞かれると、トムは「様子を見ることになります。公演があるのなら、バンドとして発表します。私にはわかりません。正直なところ、私もわからないのです。今は治療のための時間です」と回答した。

 昨年7月11日に開催された米シカゴ公演の4曲目でザックが左アキレス腱の断裂に見舞われた。2011年7月に幕を閉じた再結成以来初めてとなる大規模なツアーで、彼は座りながらパフォーマンスを行い、北米ツアーの残りの日程を耐え抜いていたが、それ以降のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの待望の再結成ツアーはキャンセルされることになった。

 公演が行われた日程のステージ上のエネルギーは「最高」だったとトムは述べ、それはバンドが練習のために再び集まった瞬間からわかっていたようだ。「リハーサルのかなり早い段階から、私たちのサウンドは非常に素晴らしいものになると思っていました」と当時を振り返った。「最高の演奏でした。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのパワー、そしてライブ・バンドとしてのレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの超越性を再確認するものでした」と続けた。

 皮肉なことに、トムはツアー前にアキレス腱の断裂から回復したばかりで、リハーサルでは松葉杖をついていた。そのため、米シカゴの公演でザックが怪我をする様子を見た時、これはやばいと思ったと付け加えた。「私はあの足取りに覚えがありました」と彼は言い、「しかし、ザックはその夜、耐え抜きました。そして、その後の17回の公演で、彼はフロントマンとしてステージ中央の箱に座り、歴代の99パーセントのフロントマンより感動的でした」と述べた。

 バンドが全米ツアーを成功させた後、なぜヨーロッパでの公演を中止しなければならなかったについて、彼は医師の指示だったと明かした。「詳しくはわかりませんが、飛行機移動は危険でした。血栓やその他の危険がありましたから」と説明した。「私は部屋にいませんでした。ですが、アキレス腱が断裂したばかりの状態でツアーに出るのは、最善の介護とは言えません」と続けた。このザックの怪我により、バンドは予定されていた2023年の北米ツアーもキャンセルすることになった。

 また、バンドが【ロックの殿堂】入りの5度目のノミネートされたことについて、トムは【ロックの殿堂】入りの「大の支持者」であると述べた。「地球上に、音楽を祝福する場所があるという考え方が好きです」と語り、「多くのバンドの多くのファンと共有しているのは、もし【ロックの殿堂】が多様なジャンルのアーティストを殿堂入りさせるのであれば、多くのジャンルのたくさんのアーティストが殿堂入りに値します。それは、素晴らしいことです。他の多くのバンドと同じように、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは、確実に【ロックの殿堂】入りに値すると思います」と主張した。

 さらに、トムはダイナミック・チケット・プライシングの”酷いアイデア”を巡る論争についても触れ、彼らの公演のチケットはダイナミック・プライシングされた5~10%を除き、すべて125ドル(約16,500円)だったと明かした。彼は、バンドはこれらのチケットの125ドル以上の”すべての金額”を各公演都市の慈善団体に寄付し、ツアー全体で約600万~700万ドル(約8億~9億2,000万円)になったと語った。

 レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはまたもや無期限の活動休止に入るのかという最も切実な質問に、トムはバンドの現状について「言葉では表現できません。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは“ロード・オブ・ザ・リング”の指輪のようなものです。人を狂わせ、ジャーナリストを狂わせ、レコード業界の人たちを狂わせます」と説明し、「彼らはそれを求めています。彼らはそういった物を欲し、そして狂わされるのです。バンドのライブがあるか、ないのか、それはバンドとして発表します。私にはわかりません。ニュースがあれば、バンドとしての共同声明になります。今は、ニュースはありません」とツアーの可能性について答えた。

 「レイジがまたツアーをするのか、それともまた活動休止するのか」という質問が延々と繰り返される中、トムはバンドの不動な沈黙を守り、詳細な説明を避け、厄介な質問に対して、「私たちは他のバンドとは違います」と完璧な回答をした。


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