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いきものがかりの水野良樹が主宰するプロジェクト・HIROBA。これまで音楽アーティストの垣根を越えて、さまざまな領域で活躍するスペシャリスト達との対談企画や楽曲制作、自身が手掛ける小説など多岐にわたる作品を発表してきた。
2019年よりプロジェクトがスタートして約4年、その活動の集大成的な作品として、2023年の2月15日にはセルフタイトルアルバム『HIROBA』をリリース。ミュージシャンのみならず、日本で活躍する俳優・女優や小説家の名前もクレジットされ、共創プロジェクトの側面も持つHIROBAならではの作品でリスナーからも「カッコいい。」「あたたかさが詰まっている」などの声が多く集まっている。
そんな中、HIROBAの初となるライブイベント『HIROBA FES 2022×2023 –FINALE! UTAI×BA−』が3月18日(土)東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催された。
開演前のステージには、アルバム「HIROBA」のジャケット写真にも使用されたオブジェが設置され、印象的なステージセットが広がる中、会場が暗転するとオープニング映像が放映される。バンドメンバーがステージに登場し、1曲目に披露されたのは「ステラ2021」のセルフカバーバージョン。ピアノに向き合う水野の姿も印象的で、終了後のMCでは「今日はよろしくお願いいたします」とファンに呼びかけ、続いて最初のゲスト、“崎山蒼志”を呼び込み、「風来」を披露。勢いそのままに、“長谷川白紙”をさらにステージに招くと、三者で制作した楽曲「透明稼業」を披露しステージの温度が高まっていく。
続いて、“吉澤嘉代子“を迎え彼女の代表曲のひとつでもある「人魚」を、続いて”世武裕子“を迎えアルバムにも収録されている「哀歌」と立て続けにパフォーマンス。改めて、ステージ上で水野と世武が息の合ったトークを展開し、「みらいのこども」「幸せのままで、死んでくれ」を披露。
続いてステージには、いきものがかりの楽曲も多数手がける”亀田誠治“が登場。HIROBAの活動初期にリリースされた「僕は君を問わない」を、続いて「南極に咲く花へ」をセルフカバーバージョンで披露。観客も一体となった空気の中、ステージ上には水野自身が楽曲提供でかかわりのある”横山だいすけ“が登場。「愛したいひと」「さよならだよ、ミスター」の2曲を披露。続いてLittle Glee Monsterが登場し「夢がはじまる」「君に届くまで」を披露。新体制後間もない6人の美しいハーモニーも印象的であった。
ライブも終盤に差し掛かると、 “伊藤沙莉”がステージに登場。「光る野原」を披露し、会場中が拍手に包まれる。
続いて、”大塚 愛”がステージに招き、共作曲「ふたたび (with 大塚 愛)」を披露。MCでは楽曲に関するトークを展開し、水野自身も好きな楽曲だと語る、大塚の楽曲「日々、生きていれば」を弾き語りでコラボパフォーマンス。本編最後にはバンドメンバーとともに「I」を披露し、ステージを後にした。
アンコール冒頭、水野は「HIROBAを始めたときは、ライブができる日が来るなんて思っていなかったけれど、きょう沢山のアーティストが集まってくれて、皆さんが足を運んでくださってくれたおかげで、こうやって(LIVEという)一つのかたちになって、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」と語り、「HIROBAのきっかけの一つ」である “クリスマスの約束”のテーマ曲としても知られる「この日のこと」をバンドメンバーと共に披露し、続いて“小田和正”と共に制作されたHIROBAの最初の楽曲「YOU」を披露。
会場の熱量も最高潮に達する中、有観客ライブ初のパフォーマンスとなる“橋本愛”がステージに登場し、橋本自身が作詞を手掛けた最新曲「ただ いま(with橋本愛)」を披露。澄み渡った空気の中、儚くも力強いボーカルにオーディエンスの拍手が降り注ぐ。
アンコール最後はふたたび“亀田誠治”を招き入れ、「星屑のバトン」を披露。水野による紹介とともにステージ上に全出演者が集結し、ライブの幕が下りた。
集大成的なアルバムを引っ提げ、豪華ゲストと共にまさに一夜限りのライブを展開した水野良樹主宰のHIROBA。3月22日には、自身が手掛けた小説『おもいでがまっている』(清志まれ)の発売が迫っているなど、今後の活動からも目が離せない。
photo:岸田哲平/Teppei Kishida
<セットリスト>
『HIROBA FES 2022×2023 –FINALE! UTAI×BA−』
3月18日 at LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
M1 「ステラ2021」
M2 「風来」
M3 「透明稼業」
M4 「人魚」
M5 「哀歌」
M6 「みらいのこども」
M7 「幸せのままで、死んでくれ」
M8 「僕は君を問わない」
M9 「南極に咲く花へ」
M10 「愛したいひと」
M11 「さよならだよ、ミスター」
M12 「夢がはじまる」
M13 「君に届くまで」
M14 「光る野原」
M15 「ふたたび」
M16 「日々、生きていれば」
M17 「I」
【ENCORE】
M18 「この日のこと」~ 「YOU」
M19 「ただ いま」
M20 「星屑のバトン」
アルバム『HIROBA』
2023年2月15日(水)発売
【初回仕様限定盤】(CD+Blu-ray)
ESCL-5728~9/¥4,180(税込)
※三方背スリーブケース仕様 (初回仕様のみ)
<収録曲>
■CD
01.ただ いま (with 橋本愛)
02.透明稼業 (feat. 最果タヒ, 崎山蒼志 & 長谷川白紙)
03.哀歌 (feat. 皆川博子, 吉澤嘉代子 & 世武裕子)
04.光る野原 (feat. 彩瀬まる, 伊藤沙莉 & 横山裕章)
05.ふたたび (with 大塚 愛)
06.幸せのままで、死んでくれ
07.僕は君を問わない (with 高橋 優)
08.ステラ2021 (feat. 重松清, 柄本佑 & トオミヨウ)
09.I
10.南極に咲く花へ (feat. 宮内悠介, 坂本真綾 & 江口亮)
11.凪 (with 高橋優)
12.YOU (with 小田和正)
13.星屑のバトン
■Blu-ray
01.ただ いま (with 橋本愛) Music Video
02.ふたたび (with 大塚 愛) Music Video
03.Making of HIROBA SONGS
◎ご購入はこちらから:https://erj.lnk.to/Hdz67a
小説「おもいでがまっている」(清志まれ)
2023年3月22日(水)発売
書籍定価:¥1760(税込)
書籍情報:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916736
<あらすじ>
今は古びた平成初期の新興マンション。
その一室に、ひとりの年老いた男が、孫とともに住んでいた。
彼のもとを訪ねた、市役所の生活福祉課に勤める上村深春。
長い時を経ても変わらない、家具のひとつひとつ。
老人が訥々と語る、心温まる、この部屋の思い出。
孫はここで、ずっと母を待っている。
この部屋に残された母の愛に囲まれて。
しかし深春は戦慄した。
男が語る思い出はすべて“嘘”だった。
かつてこの男は、まだ幼かった深春と兄の駿介から、この部屋を奪った。
男は、兄妹たち家族の過去を漂白し、
孫のために“嘘”の過去をつくりあげていた。
私たちから部屋を奪い、そして思い出までを奪った……。
風吹く部屋で、ずっと誰かを待ち続けた、ある家族と、男の物語。
〈著者からのメッセージ〉
すぐに話せて、すぐに理解できる。
待つことが少なくなったそんな世界において、
人に会えず、先が読めず、いつ終わるかわからない。
待つことを強いられた3年間でもありました。
今という瞬間を侵食する過去との向き合い方。
そして場所に沈殿し、宿り続ける記憶。
人生という自分たちの時間を、
前に進めようともがく人々の物語です。
(清志まれ)
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