オンユ(SHINee)、日本ソロ公演で日本語の新曲など披露「SHINeeの活動も準備中」

2023年3月16日 / 16:55

 オンユ(SHINee)のオフィシャル・ライブレポートが到着した。

 SHINeeのONEW(オンユ)が、昨年の9月以来、約半年ぶりとなるソロコンサートを開催。【ONEW CONCERT “O-NEW-NOTE” in JAPAN】を、3月14日、15日の2日間、東京・国立代々木競技場 第一体育館にて行った。

 ONEWは3月6日に韓国にて1stフル・アルバム『Circle』をリリースし、3月3日~5日には、韓国では初となるソロコンサート【ONEW 1st CONCERT “O-NEW-NOTE”】を実施。今回の公演は同名コンサートの日本公演という位置付けとなっている。

 開演時間を迎え、メインステージ背面の大型ビジョンに、色とりどりの花が咲く温室に迷い込むONEWの映像が映し出される――実は、今回のコンサートはかなりコンセプチュアルな構成となっており、映像の要素が、続くステージのイメージとリンクしていく。

 花々に囲まれたONEWは、やがて香水の調合を始める。フローラル系の香りがしてきそうな、ピンク色の花を使った香水が完成すると映像が終わり、ピンク色の光で満たされたステージ上にONEWが登場。ビジョン裏に配されていた、とてもきれいなオブジェの前に立ち、リズミカルなダンスナンバー「Sunshine」からライブをスタートさせる。

 ついに歓声が解禁となっただけに、ダメージジーンズにホワイトのブラウス、視線を引き付ける蛍光グリーンのカーディガンを羽織ったONEWの姿が視界に入った瞬間から、感動を声にする観客たち。その声にポーズを決めていたONEWの表情も緩む。そこからは、<ハッハッハッハッ>と胸の高鳴りを表すかのようなフレーズに合わせて、ONEWが胸を動かすセクシーな振りを見せると、そこにも歓声、ステージ左右の花道を端まで歩いて手を振るONEWにまた歓声と、これまでたまったエネルギーのすべてを発散させるかのように観客は歓声をあげ続ける。

 のちのMCで「(半年前のライブと)気持ちがちょっと違うのが、何だろうかと考えてみたら、みなさんの歓声ができるじゃないですか。会いたかった! 皆さんの声、おかえり!」とONEWも感激を露わにしていたが、前半はその戻ってきた歓声とともに作る明るく楽しい楽曲の数々を立て続けにパフォーマンスする。

 シャボン玉がふわふわと浮くメルヘンな世界観で、ダンサーが演じるカップルたちのBGMを奏でるような雰囲気も演出した「Sign」、アリーナ席の中央にあるセンターステージで歌い、観客の掛け声のタイミングもばっちりハマった「On The Way」、さらには『Circle』からの新曲「Anywhere」「Paradise」も披露。ONEWも観客も常に笑顔の、幸せな時間が流れた。

 ONEWのダンサブルでポップな一面を表す代表曲の一つとも言える「DICE」で前半を締めくくると、映像を挟んで中盤戦へ。映像のONEWはグリーンをメインにした香水を作っているようだ。そこから森の中に降る雨の景色がビジョンに映し出されると、その裏からロングのトレンチコートを羽織り、全身をブラウンで統一したスタイルのONEWが現れる。前半とは一転して大人の男性の雰囲気が漂い、椅子に座って幻想的な「Yeowoobi」を聴かせる。

本人もMCで触れていたが、今回は韓国でのライブを基にしてるため、ほとんどの楽曲を韓国語で歌唱している。それだけに歌詞の細かな意味までは理解できない観客もいただろうが、そして、この「Yeowoobi」を筆頭に、バラード曲を中心とした中盤ブロックは、ONEWの歌に込めた感情が言葉より雄弁に、心に真っ直ぐ伝わってきた。時には声を絞り出すように、時には穏やかな微笑みを浮かべ、何かを語りかけるかのように――特に新曲の「Cough」「Always」の2曲含めて、歌い終えたあとの拍手の音はとても大きく、ONEWも「皆さんが何も言わなくても、その心が伝わった」と言葉を越えてONEWとファンがつながった瞬間となった。

 生演奏のピアノとギターとともに披露したメドレーも交えた中盤から、再び映像を挟んでライブは後半戦に突入する。今回はビジョンではなく、ステージ前面を覆う紗幕に映像を投影し、ONEWは海をイメージした香水を調合している模様。そして映像が海の中のような景色に切り替わると、その背後から「In The Whale」を歌うONEWの声が聴こえてくる。演出の効果もあり、幻想的な空間が生まれ、そこに調和するONEWの声の繊細さがより際立つ。そして、曲の中盤で紗幕が落とされると、ダークブルーのセットアップに、腰にスカートを巻いた衣装のONEWの姿をはっきり捉えられるように。そこはかとなく放たれる色気を纏う。続けて女性ダンサーを従えて、新曲の「Expectations」を情熱的にパフォーマンスしたかと思えば、日本語曲「Beauty」も椅子を使った振付でセクシーさを演出。後半戦は攻めの姿勢で観客を翻弄する。

 しかし、その直後のMCはキュートさ全開で、ギャップの大きさに驚き(笑)。先のステージを振り返って「雰囲気がカッコ良く見えました?」とかわいく確認してみたり、センターステージからメインステージに戻る際には、観客によく見えるようにとゆっくりと後ろ歩きをしてみたり、その場でのリクエストに応えてアカペラで「レイニーブルー」の一節を歌ってあげたり、サービス精神も旺盛で、ファンとの距離感が近い。

 続いての曲も「最後の曲です」と紹介しながら、「でも、もしかして皆さんが、アンコールを望むなら出るかもしれない(笑)」といたずらっぽく予告。「雰囲気!雰囲気!」と自ら脱線させた雰囲気を再び戻して、青色の光の中での「No Parachute」で本編を締めくくった。

 アンコールはアルバム『Circle』のリード曲「O (Circle)」から。日常の繰り返しの中で感じる悲しみや喜びついて綴った歌だが、ONEWが“Circle”の中心にいて、そこから光りを放つようなイメージのフォーメーションダンスと、照明の演出が美しく、神々しさすら感じる。かと思えば、2曲目には日本語の新曲「INSPIRATION」をサプライズ発表! J-POP調のキャッチーなメロディで、初公開にもかかわらず、繰り返しのフレーズは観客も一緒に歌えるほど。韓国でアルバムを発売したものの、日本での活動がなかったため「ファンの皆さんと盛り上がりたくて作りました」と、急きょ、22日に配信リリースされることになった経緯も明かした。

 観客とともにペンライトを振りながら歌った「Shine On You」も披露したのち、ONEWは「僕は皆さんが癒されるとか、幸せになるために何でもするから、それで皆さんがちょっとだけでも幸せになったらうれしいな。そして、皆さんの記憶の中で、どこかわからないけど、ちょっとだけもいられる存在になったら、僕はうれしいなと思います。幸せです」と想いを伝える。さらに、11日、12日に大阪でコンサートを行っていたKEYも予告していたが、ONEWも「SHINeeの活動も準備中です。一緒にステージに立てるまで頑張りますね。ちょっとだけ待ってください」とうれしい報告で、観客を喜ばせた。

 ラストはもうすぐ咲き誇るであろう桜を彷彿とさせる紙吹雪が舞う中で、「Your Scent」を歌唱。歌い終えると、ステージの隅々まで出向いて観客にしっかりと頭を下げながら感謝を示し、「Life Goes On」のフレーズでもある“じゃあまたね”と約束してステージをあとにした。

 実は今回のライブでは、聴覚、視覚だけでなく、嗅覚も刺激する演出があったこともここに少しだけ記しておく。タイトルになっている「NOTE」は香りの香調を意味していて、アンコールは会場にONEWが自ら選んだ香りを満たして行われた。また、すべてに触れることはできなかったのだが、ライブ全体を通して視覚的な演出もキャノン砲や、スモーク、レーザー光線、紙吹雪、シャボン玉など多彩で、ONEWの衣装も含めて、歌を引き立たせる趣向がきめ細やかに尽くされていた。ONEW自身のパフォーマンスはもちろんだが、こういった演出、そして観客の持つペンライトの光、歓声まで含めて“ライブ”であることを感じたステージとなった。

 本公演で初披露された「INSPIRATION」と新曲「Knock On My Door」の2曲は、3月22日に配信されるので、ぜひチェックしてほしい。

◎リリース情報
シングル「INSPIRATION」
2023/3/22 DIGITAL RELEASE

シングル「Knock On My Door」
2023/3/22 DIGITAL RELEASE

Photo by 田中聖太郎


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