irienchy、3周年記念ライブのレポートが到着&新曲「ソルジャー」配信決定

2023年1月23日 / 20:00

1月22日@下北沢WAVER (okmusic UP's)

4人組ポップバンドのirienchyが、結成3周年記念ライブ『irienchy ONEMAN LIVE 〜こたつとみかんとイリエンチー〜』を1月22日(日)に東京・下北沢WAVERで開催した。

元MOSHIMOの宮原颯(Vo&Gu)と本多響平(Dr&Cho)が、諒孟(Gu&Cho)と井口裕馬(Ba&Cho)を迎えて2020年1月に結成。その後すぐに世の中がコロナ禍となってしまったものの、バンドの方向性を模索しながらポップで温かな楽曲を生み出し、苦難の時期を粘り強く乗り越えてきたirienchy。2022年はライブを果敢に行なう一方、初の全国流通盤『AMPLITUDE』を発表、配信シングルの連続リリースも実施するなど、精力的な活動を重ねてきた。本公演は彼らにとって約1年ぶりのワンマンとなる。

下北沢WAVERの入口でおもてなしとして来場者にみかんが配られ、ライブハウス内の壁にメンバーのオフショット写真、彼らがしたためた書き初めが飾られていたりと、アットホームな雰囲気が漂う中、開演時にはスタッフが用意したサプライズムービーの上映も。ここまでの軌跡を振り返りつつ、事務所が人知れずしていた苦労やirienchyへの大きな期待が語られたほか、全国各地のライブハウスの店長をはじめとするたくさんの関係者、仲間のバンドマンからのビデオレター、宮原の母親からのメッセージ(!)も届けられた。

愛されているバンドなのがひしひしと伝わってくるイントロダクションを経て、いよいよirienchyがステージに登場。「しっかりついてこいよ!」と宮原が発破をかけ、「スーパーヒーロー」から勢いよくライブがスタートした。満員のお客さんを前に4人は清々しい笑顔を見せ、オープニング映像や輝くミラーボールで気分もより高まったのか、メンバー同士が顔を見合わせながら早速アグレッシブにパフォーマンス。諒孟が弾き倒す豪快なギターソロ、井口と本多が興奮を抑えきれない感じで繰り出す力強いビート、irienchyの温かな音楽性の軸を担う宮原のボーカルが、熱気あふれるフロアにグッと染みわたっていく。
場内に満ちたお祝いムードに乗せて、1月18日にリリースしたばかりの新曲「ずっと」も軽やかに演奏。夢の実現を強く信じるポジティブなメッセージを、irienchyならではの真摯に寄り添ってくれる言葉とどこかホッとするメロディ、朗らかなバンドサウンドで紡いだこの曲は、“間違いなく進んでく時 大切にしよう今しかないから”といった歌詞の一節一節がよりやさしい印象を残す。

最初のMCでは、宮原が「みんなのおかげで4年目を迎えられました。本当にありがとうございます!」と挨拶。加えて、ライブ当日の朝に母親から「颯ちゃん、ごめんなさい。事務所の方からサプライズメッセージをお願いされたけど、面白いことが言えませんでした」とネタバレLINEが届いてしまった事実を明かし、メンバーと会場の大爆笑を誘う。こういう飾らないキャラクターもirienchyの大きな魅力だ。

「ここまで続けてこられたのは、来ていただいているみなさん一人ひとりが僕らの音楽を聴いて、こうして足を運んでくれるおかげです。今日はその恩返しじゃないけど、とんでもねえライブをやって帰ろうと思ってます!」と本多も感謝を伝え、続いては「ライライライ」。“ここ誰ん家!?”“イリエンチー!!”のコールで始まる、ワンマンには欠かせないナンバーで、公演タイトルどおりのあったかさがいっそう増す展開に。
シューゲイザーやレゲエも感じさせる心地よいアンサンブルの「お別れの日が来ました。」、諒孟の華麗な高速タッピングソロも決まった「ヒトミシリ流星群」を味わい深く聴かせたあとは、「ひさしぶりのワンマンだから、アコースティックでカバー曲をやりたい」と宮原が切り出し、子供の頃に車でよく流れていたという松任谷由実の「やさしさに包まれたなら」を披露するレアな一幕も。アコギで弾き語る宮原を、諒孟がカウベル、井口がタンバリン、本多がシェイカーで盛り上げてコーラスを重ねるほのぼのした演奏によって、彼らが放つ親近感は高まるばかり。

バンド名の由来について「僕らは入江(諒孟の苗字)さん家で組んだからirienchyなんですよ」と改めて宮原が話したり、“諒孟”というステージネームを付けた経緯についても「irienchyの入江だと恥ずかしいし、島根から上京するわけだし。かっこいいギタリストの人って多いじゃん? 東京事変の浮雲さんとか。じゃあ、俺は諒孟かなって(笑)。うちのお母さんが姓名判断にハマってて、ちゃんといい画数の名前を考えてくれました」と本人がぶっちゃけたりと、楽しい時間はさらに続く。

前半をそのままアコースティックで、後半はバンドサウンドで奏でた「藁人形の館」もスペシャル感満載。本多と宮原がオリジナル歌唱を交えてブチかましたハイテンションなラップに加え、マスク着用の上で声出しOKという状況のおかげで、コール&レスポンスでも盛り上がることができた。新たなスタートを誓う「メイビー」を経て、ライブは後半へ。
ここに来て未発表の新曲「ソルジャー」でファンを喜ばせ、臆病な自分を奮い立たせて今を生き抜くことをパワフルに歌ってくれるあたりもirienchyらしい。オーディエンスの盛大なハンドクラップを巻き起こしたアッパーチューン「ドリームキラー」、そして本編ラストはライブの締めとして定着しつつある「バイバイ」。

「毎日生きとったら、悔しいことやふざけんなってこともたくさんあるわけやん。でもね、この時間くらいはみんなに嫌なことを忘れさせてあげたいなんて、いっさい思ってません。もがく日々とかも全部ひっくるめて生きててよかったなって時間を、俺たちは共有したいです。会えるのは今日が最後かもしれんやん。だから、後悔しないように歌います!」という宮原の叫び、今この瞬間の喜びを爆発させるバンドの熱い演奏が印象的だった。

アンコールでは、「バンドを続けられてきたことがすごく嬉しい」と宮原が改めて話し、irienchyを始めるきっかけになった曲で、自分らしく生きてほしいというメッセージを込めた「Message」を披露。最後はスタッフから3周年を祝うケーキも差し入れられ、アニバーサリーのライブを大成功に収めた。

なお、irienchyはこのライブで披露した新曲「ソルジャー」を3月1日に配信することを発表。併せて、リリースを記念した東名阪福ツアー『僕らの闘いは続いていく』も3月から4月にかけて決定しているので、詳細はオフィシャルサイトをチェックしてみてほしい。

Text by 田山雄士
【セットリスト】

01.スーパーヒーロー

02.ずっと

03.ライライライ

04.お別れの日が来ました。

05.ヒトミシリ流星群

06.やさしさに包まれたなら

07.藁人形の館

08.メイビー

09.ソルジャー

10.ドリームキラー

11.バイバイ

En 01.Message
【ライブ情報】

■『irenchy Digital Single ソルジャー リリース記念 「ボクらの戦いは続いてゆく」ツアー』

4月16日(日) 東京・TSUTAYA O-Crest

出演:irienchy 、ワンダフル放送局、YENMA

■『irienchy 2023 春ツアー』

3月22日(水) 大阪・Pangea

3月23日(木) 福岡・Queblick

4月13日(木) 愛知・名古屋UPSET

4月16日(日) 東京・TSUTAYA O-Crest  

※チケットサイト、対バン情報は後日発表


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