【米ビルボード・ソング・チャート】マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」通算10週目の首位、シザTOP10に2曲送り込む

2022年12月20日 / 12:45

 マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が通算10週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 ホリデー・シーズンの到来により先週約1年ぶりに返り咲いた「恋人たちのクリスマス」は、今週の集計期間中(2022年12月9日~15日)ストリーミングが14%増加の4,140万回、エアプレイが11%増加の3,310万回、セールスが86%増加の11,000にそれぞれ上昇し、今シーズン2週目、通算10週目の首位を獲得した。

 デジタル・ソング・セールス・チャートでは先週の3位から1位に上昇し、2005年、2019年に続く通算3週目の首位を獲得。エアプレイ・チャートでは17位から14位に順位を上げ、4年連続でTOP15入りを果たした。なお、リリース年の1994年には最高12位まで上昇している。再生数は上昇しているが、ストリーミング・ソング・チャートでは後述の「キル・ビル」に首位の座を明け渡し、今週2位にダウンした。

 マライアにとって10週以上首位を獲得したのは「恋人たちのクリスマス」が通算3曲目のタイトルで、3曲以上を記録したのはボーイズIIメン、ドレイクに続く史上3組目、女性アーティストとしては初の快挙となる。

マライア・キャリー
16週「ワン・スウィート・デイ with ボーイズIIメン」(1995~96年)
14週「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年)
10週「恋人たちのクリスマス」(2019~22年)

ドレイク
10週「ワン・ダンス feat. ウィズキッド&カイラ」(2016年)
11週「ゴッズ・プラン」(2018年)
10週「イン・マイ・フィーリング」(2018年)

ボーイズIIメン
13週「エンド・オブ・ザ・ロード」(1992年)
14週「メイク・ラブ・トゥ・ユー」(1994年)
16週「ワン・スウィート・デイ with マライア・キャリー」(1995~96年)

 なお、Hot 100で首位獲得週が10週を超えたのは「恋人たちのクリスマス」が史上43曲目で、1位を獲得した全1,144曲のわずか4%にも満たない。マライアにとって最長記録となる「ワン・スウィート・デイ」は、2017年にルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」が同16週に並ぶまで史上最長記録を保持していた。その後、2019年にリル・ナズ・Xが「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」で19週という記録を打ち立て、現時点での最長記録を更新している。

 「恋人たちのクリスマス」の首位獲得週は以下の通りで、クリスマスイブ(2022年12月24日)、クリスマス(2021年12月25日)の2日間で首位を獲得した初のタイトルという曲のコンセプトにちなんだ記録も達成した。

2019年12月21日
2019年12月28日
2020年1月4日
2020年12月19日
2021年1月2日
2021年12月25日
2022年1月1日
2022年1月8日
2022年12月17日
2022年12月24日

 初めて首位を獲得した2019年12月21日付から今週2022年12月24日付までの期間は3年強で、歴代最長記録を更に引き伸ばしている。また、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2022年12月24日付)までの期間を32年5か月に、1位獲得のブランク記録としても史上最長を更新した。

 首位獲得週も通算89週目に更新し、2位以下と大差をつけてトップを独走している。

89週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
54週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
47週 アッシャー
43週 ビヨンセ
37週 マイケル・ジャクソン
34週 アデル
34週 エルトン・ジョン
34週 ブルーノ・マーズ

 ホリデー・ソング・チャート(Holiday 100)では2015~16年のシーズン以降40週連続、通算55週目の首位をマークし、同チャートの集計が始まった2011年以降の歴代最高記録をさらに更新した。なお同チャートの総週は60週で、そのうちの55週を「恋人たちのクリスマス」が独占している。

 「恋人たちのクリスマス」がリリースされたのは1994年10月だが、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降、年々最高位を更新して、2017年の12月に初めて9位にTOP10入りし、翌18年には3位まで上昇。2019年12月21日付では発売25週年目で通算19曲目の首位に輝き、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目の記録に浮上した。ホリデー・ソングとしては、1958年12月22日から1959年1月12日付まで4週1位をキープした、デヴィッド・セヴィル&ザ・チップマンクスの「ザ・チップマンク・ソング」以来、史上2曲目の首位獲得で、その「ザ・チップマンク・ソング」がもつ4週を上回るホリデー・ソングの歴代最長記録(通算10週目)を更新している。

 「恋人たちのクリスマス」に続き、先週2位に復帰したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(1958年)も同位をキープ。クリスマス効果によりストリーミングが19%増加の4,090万回、エアプレイが2%増のの2,670万回、セールスは4%増加の5,000にそれぞれ上昇した。

 続いて3位には、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位に初登場したシザの新作『SOS』から、前述の「キル・ビル」が初登場。本作からは、10位に「ノーバディ・ゲッツ・ミー」の2曲がTOP10入りを果たしている。

 今週2曲がランクインしたことで、シザはTOP10タイトル数を7曲目に更新し、初登場の順位としては最高位を記録した。なお、これまでの最高位は「アイ・ヘイト・ユー」と「キス・ミー・モア」が初週で獲得した7位だった。

シザTOP10記録
マルーン5「ホワット・ラヴァーズ・ドゥ feat. シザ」(2017年 / 7位)
「オール・ザ・スターズ with ケンドリック・ラマー」(2018年 / 7位)
「グッド・デイズ」(2021年 / 9位)
ドージャ・キャット「キス・ミー・モア feat. シザ」(2021年 / 3位)
「アイ・ヘイト・ユー」(2021年 / 7位)
「キル・ビル」(2022年 / 3位)
「ノーバディ・ゲッツ・ミー」(2022年 / 10位)

 また、リード曲としての順位も今週「キル・ビル」が獲得した3位が現時点での最高位となる。

 ストリーミング・ソング・チャートでは、「キル・ビル」が初週3,690万回を記録して1位に、「ノーバディ・ゲッツ・ミー」は2,510万回で6位にそれぞれ初登場している。なお、前述の「恋人たちのクリスマス」が4,140万回で2位ということに矛盾が生じるが、ストリーミングの集計方法は定額制の有料サイトや広告付きのものなど、再生されたサービスによって比重が異なるため、順位が入れ替わることがある。

 「キル・ビル」は、ストリーミング・チャートの他にもR&B/ヒップホップ・ソング・チャート、R&Bソング・チャートでも1位に初登場し、前者では「ザ・ウィークエンド」(2018年)、 「アイ・ヘイト・ユー」(2021年)に続く3曲目、後者では「アイ・ヘイト・ユー」に続く2曲目のNo.1タイトルを獲得した。

 「キル・ビル」の登場により、ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」(1957年)は先週の3位から4位に、バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」(1964年)は4位から5位にそれぞれダウンしたが、上位2曲同様にポイントは上昇している。

 それに続き、ワム!の「ラスト・クリスマス」(1984年)も先週の9位から6位に上昇し、昨シーズンで記録した7位を上回る過去最高位を更新した。この曲も、クリスマス効果によりストリーミングが2,890万回 (15%増加)、エアプレイが2,300万回 (2%増加)、セールスも3,000 (7%増加) にそれぞれ上昇している。

 初登場から6週間首位をマークしたテイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」は、先週の6位から7位に順位を下げたが、3%増加の7,700万回を記録してエアプレイ・チャートで2位をキープし、ポップ・エアプレイ・チャートでは2018年の「デリケート」以来約4年ぶり、通算10曲目の首位を獲得している。

 9位は、アンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」(1963年)が先週の11位から浮上し、今シーズン2週目のTOP10入りを果たしている。それにより「ロンリー・ストリート」で初めてTOP10入りした1959年10月12日付からのブランク記録を、歴代最長の63年2か月2週間に更新した。

 サム・スミス&キム・ペトラスの「アンホーリー」は先週の7位から9位にダウンしたが、今週7,830万回を記録してエアプレイ・チャートでは5週目の首位をキープしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月23日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
2位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
3位「キル・ビル」シザ
4位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
5位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
6位「ラスト・クリスマス」ワム!
7位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト
8位「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウイリアムス
9位「アンホーリー」サム・スミス&キム・ペトラス
10位「ノーバディ・ゲッツ・ミー」シザ


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