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リード三味線、ベース三味線、ドラムから成る東京を拠点とした日本のオルタナティブ・三味線・ロックバンドThe Shamisenists(ザ・シャミセニスト)は、エフェクターを駆使した新世代の三味線サウンドを追求し続け、独自路線を突き進む寂空-JACK-を筆頭に、”歌心” と “和太鼓で鍛えた優れたリズム感” を兼ね備えバンドでは史上初のベース三味線を担当するYUJI、あらゆるジャンルにおいてハイクオリティーなドラミングを魅せ、バンドでもフロントマン顔負けのパフォーマンスを魅せるKYOHEIによる3ピースバンドだ。
2021年にはアメリカ・コロラド州・デンバーの音楽レーベル「COLOR RED(カラーレッド)」主催の「COLOR RED CHALLENGE ワールド デビュー オーディション」にて優勝。今年2022年は、TESTAMENTやEXODUSなどのメタル界の大御所や、FUJI ROCK FESTIVAL ’22に出演したBLOODYWOOD、さらにはThe LibertinesやThe HIVES等 4ステージ、105バンドが出演した、フランス・ブルターニュで8月18日から21日まで4日間開催したラウド・ロックフェスティバル「Motocultor Festival」にも出演するなど、世界に向けて三味線と言う楽器の概念を超えた新たらしい音を発信している。
そのThe Shamisenistsが彼らの4枚目となるニューアルバム『PLAY!』を2022年11月22日に配信リリース。翌日23日には、アルバムリリース記念として同作収録で民謡クルセイダーズのIrochiがコンガ演奏で参加した「Holiday with Irochi from 民謡クルセイダーズ」の特別動画をYouTubeにて公開した。
アルバム『PLAY!』のプロデューサーは、LÄ-PPISCHのベーシスト等で知られるtatsu。レコーディングエンジニアはミュージシャンやアレンジャー、コンポーザーとしても活躍する遠藤ナオキが担当。ゲスト・ミュージシャンも、特別動画を公開した2曲目「Holiday」にコンガで参加した民謡クルセイダーズのIrochiをはじめ、4曲目「Tunnel To The Future Edo」には、The Shamisenistsのベース三味線奏者 YUJIと福井にて和楽器ユニット『誉レ』で活動している箏奏者 礼奈/Renaが参加。6曲目の「HARE」にはフランスMotocultor Festivalのステージで共演したシンガー Tanguyが英語の歌唱とフランス語のラップを披露。7曲目の「SST(Shibuya Scramble Terminator)」では、仙台を拠点に活動している異色の邦楽トラックメイクユニットSAMURAI APARTMENTとコラボレーション。11曲目「SUR”VIBE”」には、Yocotasax.(横田サックス。)こと横田寛之がトラックメイクとサックス演奏で参加するなど、 多彩な顔ぶれとなっている。
今までは三味線とドラムスのみによるインストゥルメンタル楽曲が多かったThe Shamisenistsだが、アルバム『PLAY!』ではサポート・キーボーディストSatoshi Kimura(通称 キム兄)によるサウンドも多用、ボーカル曲やラップ曲も多く収録され、音の印象も以前とは大きく異なる。そこで本作についてバンドリーダーであるリード三味線奏者の寂空 -JACK-に話を聞いた。
――まずはThe Shamisenistsとはどういったバンドか教えて下さい。
津軽三味線奏者2人とドラマーによるスリーピースバンドです。結成はいまから約8年前(2014年頃)になります。自分(JACK)とYUJIは、それぞれ紋付袴を着ての演奏や、J-POPのレコーディングやコンサートでも演奏、時にはネオ・ジャパニズム的なプロジェクトにも参加して海外に遠征もする、いわゆる「ザ・現代三味線演奏家」的な活動をしています。しかしThe Shamisenistsでは、三味線に対する概念を超えた音楽活動をするべく、エレキ三味線とエフェクターを使って、自分達のやりたい音楽を思い切りやっています。
今年2022年フランス・ブルターニュで開催されたMotocultor Festivalに恐らく日本人として初めて出演。メインステージで演奏し、海外のメタルヘッズから大歓声を受けることができたので「この道は間違っていなかった」と、再確認する事ができました。
――今回のアルバム『PLAY!』は「90 年前後のロックとストリートカルチャーが混ざり合った、エネルギッシュな時代の音像をイメージして作った楽曲が多い」とのことですが、具体的にはどんなイメージで作曲、音作りをしましたか?アルバムのコンセプトは?
アルバム『PLAY!』は、The Shamisenistsとしてのアイデンティティーを今まで通り追求しつつも、より自分達のやりたい音楽に純粋に向き合った作品になっています。自分が10代の頃に聴いていた音楽、The Chemical BrothersやProdigy、Underworldなど、ダンスミュージックのフォーマットなんだけれどロックのアティチュードをコアに強く感じるアーティスト達、躍動感のあるビートやミクスチャー感に凄く影響を受けてきたので、そういったエネルギッシュな時代の音楽を、現在的アプローチで、かつ三味線のバンドでやれたら非常にCOOLだなと思ったし、そういったどこにもない新しい音楽を、世界の音楽ファンも常に求めていると信じて本作に挑みました。結果的に「三味線」とか「邦楽」とか、そういう枠を遥かに飛び越えた、僕たちらしいジャンルレスな音を十分に味わっていただける作品になっていると思います。
――アルバム・プロデューサーはLÄ-PPISCH(レピッシュ)のベーシストとしても知られるtatsu氏ですが、お願いした理由や、出会ったいきさつを教えて下さい。
tatsuさんとは、ジェンベを叩きながら世界中を旅しているアーティストSUGEEさんのお声がけで、一緒に音を出すことになったのが、出会ったきっかけです。その時からtatsuさんは、ボーダーレスな音楽性を持ってらっしゃる方と言う印象だったし、多様な音楽ジャンルをセンス良く、ユニバーサルな視点やレベルで昇華できる方だなと感じていたので、この人しかいないと前作【re:tokyo】の時にプロデュースをお願いしました。
勿論tatsuさんはレピッシュのベーシストとしてリズムに関しても独自の美学がある方なので、アルバム『PLAY!』ではKYOHEIのテクニカルなドラムプレイとtatsuさんのディレクションによる化学反応というのも魅力の一つです。これまでリリースしてきたアルバムと比較しても、非常にビート感の強いアルバムにもなっていると感じていただけるかと思います。
――最後にアルバムタイトル「PLAY!」に込めた想いを教えて下さい。
「遊び心」を大切にしたアルバムというのもありますが、1番はとにかく三味線とかロックとかそういう記号的な概念はいったん脇に置いて、「最高だからとやかく言わず再生ボタンを押してほしい!」というようなメッセージを込めています。ぜひ、三味線だからどうこうじゃなくて、踊ったり、ヘドバンしたり、とにかく楽しんで聴いてほしいです!
Text by Tomoko Davies-Tanaka (Team Little-Big)
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