【ビルボード 2022年上半期“JAPAN HOT 100”】Aimer「残響散歌」、大型タイアップのプレッシャーを乗り越え総合首位に(コメントあり)

2022年6月10日 / 04:00

 2022年上半期Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”で、Aimerの「残響散歌」が総合首位を獲得した。

 「残響散歌」は、2021年12月5日から22年2月13日まで放送されたテレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編のオープニング・テーマとして、12月6日に先行配信された。Chart insight plus( https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/113087/2 )を用いた図のとおり、ダウンロードとストリーミングが先行するかたちでポイントを積み上げ首位を獲得した。視聴率を合算した棒グラフで表示しているとおり、当楽曲が露出した地上波番組は、遊郭編に加え、情報・ワイドショー系『めざましテレビ』『王様のブランチ』『THE TIME,』などがあり、継続的な露出を維持。そして2月上旬に『ミュージックステーション』と『CDTV ライブ!ライブ!』のライブ露出がダメ押しとなり、ポイントを継続的に積み上げた。これにより、上半期チャートではラジオ、ダウンロード、動画再生の3指標で1位となり3冠を獲得、ウィークリーチャートでは通算9回の首位を獲得し、2位以下に大差をつけて上半期総合首位に立った。

 総合2位に就いた優里「ベテルギウス」は、フジテレビ系ドラマ『SUPER RICH』の主題歌だ。2022年の上半期では、昨年の年間 “JAPAN HOT 100”総合首位となった、自身の楽曲「ドライフラワー」越えを果たすか注目の展開となった。前項と同じようにChart insight plusを用いて比較すると、ドラマタイアップ期間(棒グラフが水色の期間)中に「ベテルギウス」がデジタル解禁され、トータルポイントを大きく伸ばしたことが分かる。一方の「ドライフラワー」は12月の年間首位が後押しして、12月一杯は好調を維持したが、その後ポイントはゆっくりと下落傾向に。「ベテルギウス」は1月末に発売されたファースト・アルバム『壱』のプロモ露出効果もあり、2月一杯好調を維持。ストリーミング1位、ダウンロード7位となった2指標が牽引して上半期期間でのポイントを高止まりさせ、「ドライフラワー」越えを果たして、上半期総合2位という結果となった。地上波番組の露出効果としては、前項の情報系番組に加え、『Nスタ』でもコンスタントに露出しており、その効果も大きかった。

 King Gnuはトップ10に2曲を送り込み「一途」が総合3位、「逆夢」が総合6位を獲得。ポスト『鬼滅』とされ、2021年12月24日に劇場公開されたアニメ映画『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌とエンディング・テーマに起用されており、それぞれ12月10日、12月24日に先行配信された。このリリース時期のずれと、12月29日に発売されたシングルのセールスとルックアップのポイントが合算ルールにより「一途」のポイントとなったことにより、両楽曲のポイント差がついている。

 これらに対し、ニューカマーの躍進も今年度上半期の大きな特徴だ。代表格のマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」(総合5位)、Saucy Dog「シンデレラボーイ」(総合7位)、Tani Yuuki「W/X/Y」(総合17位)はいずれもノンタイアップだが、TikTokから火が付き、ストリーミングが上昇、その後ダウンロードなど他指標を伸ばす展開でロングヒットとなっている。例として取り上げたChart insight plusにおける「シンデレラボーイ」の図にあるように、興味深いのは、地上波番組でのピックアップがほとんど無いことだ。これがニューカマーたるゆえんとも言えるのだが、すでにストリーミングで注目度が上がっているのにもかかわらず、ピックアップが後手に回るのは、地上波TV側の機会損失に繋がっているようにも見えてしまう。

 このように、大型タイアップによる相乗効果が効果を上げてビッグヒットに繋がった楽曲と、ノンタイアップながらビッグヒットとなったニューカマーによる楽曲が混在した2022年上半期。既存のアプローチではアクセスできないマーケットの急速な広がりを感じさせる、非常に興味深いチャート結果となっている。

Text by 礒﨑誠二

◎Aimer コメント
たくさんの方にこの曲を聴いていただけて、ただただ嬉しいです。これからもまだまだ音楽を追求して経験した事のないステージに立ち続けたいですし、聴いて下さる一人ひとりの方へ、この声が出る限り歌を届け続けたいです。

【2022年上半期Billboard JAPAN “JAPAN HOT 100”】トップ10
1位「残響散歌」Aimer
2位「ベテルギウス」優里
3位「一途」King Gnu
4位「ドライフラワー」優里
5位「なんでもないよ、」マカロニえんぴつ
6位「逆夢」King Gnu
7位「シンデレラボーイ」Saucy Dog
8位「水平線」back number
9位「Butter」BTS
10位「Cry Baby」Official髭男dism

集計期間:2021年11月29日(月)~2022年5月29日(日)


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