AIの全国ツアーが開幕、「アルデバラン」「Story」やヒップホップナンバーまで披露

2022年5月16日 / 15:40

 AIの全国ツアー【AI DREAM TOUR】がスタートした。

 大好評のうちに終了したNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の主題歌「アルデバラン」が2021~22年を代表するヒット・ソングとなったAI。その大ヒット・ソングとニュー・アルバム『DREAM』を引っ提げて、全国約30公演前後を巡る全国ツアー【AI DREAM TOUR】を敢行。記念すべき初回公演が、5月14日、サンシティ越谷市民ホールで行われた。
 
 ダンサー4名を従えて登場したAIは、オープニングからバキバキのダンスで攻めまくる。今回のツアーの見所は、ズバリ<ダンス>。実は今回のツアーのために、世界的トップ・コリオグラファー/芸術監督のルーサー・ブラウン(ジャネット・ジャクソン、クリスティーナ・アギレラ、BIGBANGなど)と、エリサンドラ・キニョネス(ジャスティン・ビーバー、ジェニファー・ロペスなど)の2人をLAから呼び寄せたというのだから、その気合いの入れようがよくわかるだろう。彼らのみならず、日本からも『情熱大陸』で特集された人気振付師/ダンサーのRIEHATA(『DREAM』にはシンガーとしても参加している)やKING OF SWAGのDeeらトップ・コリオグラファーが振り付けを担当しており、超強力なバックアップのもと、今回のセットが完成したわけだ。そりゃあ、ゴリゴリ&バキバキのダンス・ショーになるわけである。加えて、今回のバックダンサー4人は、ルーサー・ブラウンらが審査員を務めたダンサー・オーディションによって、1,000人以上の応募の中から選ばれた精鋭であり、その実力は折り紙付きといったところ。そんな彼らと作り上げるステージは、まさに<エンターテインメント>そのものであり、特殊照明で華やかに彩られた舞台の上で繰り広げられるショーに、観客は開始早々引き込まれていった。

 オープニング・ナンバーの「Not So Different」や、「もう20年前の曲だよ!」と紹介しつつソウルフルに歌い上げた「最終宣告」、観客と共に拳を突き上げながら歌う様が本当にカッコいい「INDEPENDENT WOMAN」などを迫力あるダンスと共に次々と披露したのち、人気曲「Story」や「ママへ」「パパへ」といったミディアム~スロウを熱唱。こういった歌詞をじっくり聴かせるミディアム~スロウもライブの聴きどころであり、AIの真摯でハートウォーミングなメッセージに胸打たれた人も多かったことだろう(「『ママへ』を作ったなら『パパへ』も作らなきゃダメでしょ!」というMCからもAIの優しさが伺える(笑))。

 中盤最大の見せ場は、『SOUL TRAIN』よろしく、70sなセットが登場してのディスコ/ブギー・パート。衣装も曲のアレンジも振り付けも70年代風となっていて(ジェームス・ブラウンのマント・ショーのような演出も!)、ディスコティックな音世界にその場にいたみんなが心から楽しんだことだろう。AIの指導のもとディスコなダンスをみんなで踊ったりと、会場の一体感も素晴らしく、このみんなで楽しめる感じもAIのライブの醍醐味だなと思った次第だ。

 後半もダンスを前面に押し出したアップ・チューンがメイン。例えば今回披露した「MORIAGARO」はジェレマイ、「Welcome To My City」はエリック・ベリンジャー&ジュニア・リード、「Let it go」はスヌープ・ドッグといった、元々はアメリカ&ジャマイカのアーティストをフィーチャーした楽曲であり、音もド直球のUSヒップホップ・サウンド。AIに対して「Story」や「アルデバラン」といったイメージを強く持っている人には、ゴリゴリのベース・サウンドの上で激しいダンスをしながら英語で歌うAIにビックリしてしまうかもしれない。けれどその両方ともAIであるし、その両方を完璧にできるのがAIなのだ。とりわけライブではテレビ番組などでは見せないハードな面を見ることができて、とても興奮してしまう。これが味わえるのもライブに来た人だけの特権というわけである。

 新作『DREAM』でもラストを飾るメッセージ・ソング「We Have A Dream」でいったん幕を閉じ、観客の大きな拍手に煽られてアンコールへ。アンコールでは豪華ゲストが登場して会場を盛り上げつつ、「アルデバラン」「ハピネス」を披露。2曲とも今この時代だからこそ一層響く曲であり、だからこそ最後に持ってきたのであろう。この2曲を聴きながら世界のみんなが幸せになることを思わずにはいられなかったし、ライブを観てそう思わせてくれるAIの凄さを改めて思い知った次第だ。なかなか不安が拭えない日々が続いているが、この日この空間は間違いなく幸せと笑顔で溢れていたし、AIが希望の光を灯してくれていたように思う。この先半年以上続くAIのロング・ツアー【AI DREAM TOUR】、ぜひ足を運んでいただいて、一人でも多くの人にこの幸せな空間を体感してほしい。

Text by 川口真紀
Photos by cherry chill will.

◎公演情報
【AI DREAM TOUR】
5月21日(土)大分iichikoグランシアタ
5月22日(日)宮崎市民文化ホール
6月5日(日)松戸・森のホール21
6月11日(土)佐賀市文化会館
6月18日(土)愛知県芸術劇場 大ホール
6月19日(日)四日市市文化会館 第1ホール
6月25日(土)滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
6月26日(日)アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)大ホール
7月2日(土)仙台サンプラザホール
7月3日(日)新潟県民会館
7月10日(日)東京国際フォーラム ホールA
7月21日(木)大阪・フェスティバルホール
8月6日(土)北陸電力会館 本多の森ホール
8月7日(日)高崎芸術劇場 大劇場
8月11日(木・祝)静岡市民文化会館 大ホール
8月14日(日)ザ・ヒロサワ・シティ会館
8月20日(土)・21日(日)札幌文化芸術劇場hitaru
8月27日(土)・28日(日)西原商会アリーナ(鹿児島アリーナ)
9月3日(土)長崎ブリックホール
9月4日(日)福岡サンパレス
9月10日(土)けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター)大ホール
9月17日(土)神奈川県民ホール
10月15日(土)盛岡市民文化ホール 大ホール
10月16日(日)リンクステーションホール青森
10月22日(土)広島文化学園HBGホール


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