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久しぶりの有観客公演を行うためにオーストラリアを訪れていたフー・ファイターズのデイヴ・グロールが、2022年3月8日に公開されたオーストラリア放送協会(ABC)の『7.30』の単独インタビューで、憧れだった故デヴィッド・ボウイを目撃した時の衝撃を語っている。
ボウイがヘッドライナーを務めたあるイギリスのフェスティバルに、デイヴたちも末席で出演しており、その時ボウイのパフォーマンスをステージの近くから見ていた。デイヴは、「カメラエリアに立って(ボウイを)見たら、まるでエイリアンを見ているようだった。UFOを初めて見たような、“ああ、すごい、本物だ。今まで見たことのないものだ”って感じだった」と振り返っている。
その後、彼はボウイと仕事をする機会も得るが、その時のことについては、「そして彼に会うことができた時、その全ての感情が地面に降りてくるかのようだった。“ああ、なんという紳士なんだ!なんて優秀で、優しくて、親切で、とんでもなく面白い人なんだろう”と気づいた。そして彼と一緒に歌を録音した。何年も前のことだけど、彼がマイクの前に立って歌い始めるのを見た時、“うわ、あの声だ……本物だ、あの象徴的な声は彼の口から普通に発せられてるんだ”って実感した」と語っている。
彼は、「この体験で素晴らしかったのは、全てを人間らしくしてくれたことだ。“わあ、実在の人物なんだ”って思える。それは心強くもあるけれど、同時に“あの人はヒーローだ”とも思ってしまう。ただの人じゃない。あれはデヴィッド・ボウイなんだよね」と続けている。
司会のリー・セールスに促され、デイヴは続けてエルトン・ジョンやポール・マッカートニーとの出会いについてや、10代特有の不安感を抱えて育ったこと、枕を叩いてドラムを覚えたこと、教師で作家の母ヴァージニア・グロールのこと、そして夢のような人生が訪れた際に地に足をつけるコツについて語った。
彼は、「テレビ出演とかプラチナ・レコードとか、ああいったほかのものは全て幻想みたいなものなんだ」と語り、「気分がいいご褒美だけど、結局のところ、本当に大事なものはこっちにあるんだよね。その本当に大事なものをこっちに置いておくことができる限り、(きらびやかな世界が)手に負えなくなったときには、(本当に重要な方に)行けばいい」と述べている。
そして若いアーティストへのアドバイスとして、「この話で一番大事な教訓のひとつは、もし(スターダム)のことで人生が面倒な感じになりそうになったら……ただ“ノー”と言えばいいということだ。それだけでいいんだ。これは、俺がこれまでに学んだ最高の教訓のひとつだ。誰かに何かを頼まれて、それをするのが気が進まないときは、ただ断ればいい。簡単なことだ」と述べている。
フー・ファイターズは現在アメリカ大陸をツアー中で、3月15日にメキシコ・シティのフォロ・ソルで公演が行われた。この後、バンドは大西洋を横断する予定で、年の後半には再びオーストラリアやニュージーランドのスタジアムでも公演を行う。
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