英国政府、コンサートの復活に向けたロードマップを発表

2021年2月24日 / 14:30

 現地時間2021年2月22日、英首相ボリス・ジョンソンは新型コロナウイルスの感染率が低下し続け、英国内でのワクチン接種プログラムが減速することがなければ、今年の夏にコンサートの実施、ナイトクラブの営業、野外音楽フェスティバの開催の可能性があると発表した。
 
 ジョンソン首相は、英国のロックダウンを緩和する4段階のロードマップを明らかにし、収容人数の制限や社会的距離を含む多くの衛生上の規定が満たされた場合、限られた収容人数での屋内コンサートは5月17日以降許可されるだろうと月曜日に述べた。
 
 英国はヨーロッパの主要音楽市場としては初めて、年内にライブ業界の運営を再開するためのロードマップを発表した。世界の多くの国と同様に、英国のライブ産業は新型コロナウイルスのパンデミックにより昨年3月から停止しており、それ以来ずっと休止されている。そして、先月1月6日、英国は3度目のロックダウンに入った。
 
 新しいガイドラインでは、4,000人までの収容人数の会場の場合は最大1,000人または会場収容人数の50%のいずれか低い方、屋外イベントの場合は収容人数の50%でプロモーターはキャパシティを設定しなければならない。観客が安全に分散できる大規模な屋外の着席する会場では、1万人または総座席数の25%までの入場が認められる。
 
 ジョンソン首相は、英国でのすべての社会的距離の制限が6月21日から解除される可能性があると述べた。これは最大収容人数でのコンサートや屋外コンサート、ナイトクラブやバーの営業の再開を意味する。これらを実現させるには、ワクチン接種、新型コロナウイルスの感染率、入院状況および新型コロナウイルスの変異種に関して4つの主要な条件がみたされる必要があると彼は説明した。
 
 3月8日の学校再開、4月12日の店舗・屋外でのホスピタリティの再開など含む4段階の企画案は、「慎重ではあるが、撤回できない」ものであり、「日付ではなくデータ」によって判断されるとジョンソン首相は述べた。
 
 これに対する英国のコンサート業界の反応は様々だった。重役たちは、再開の見通しについての明確化を歓迎する一方で、再開までの間、企業やコンサート・クルー、技術者が生き延びるための資金面での支援を強化するよう呼びかけた。新たに結成された英国音楽業界団体LIVEのCEOであるグレッグ・パームリーは、ライブ業界は「予想通り」再開に向けて列の最後に「置き去りにされている」と述べた。LIVEによると、ライブ業界は2019年に45億ポンド(約6兆7,200億円)を英国経済に貢献し、21万人の労働者を支えているという。昨年の収入は81%減少したと推定している。パームリーは「コンサートの正常化は、他の経済に比べて数か月遅れる可能性がある」と述べた。彼は、プロモーター、アーティスト、会場のリスクを軽減するために、ドイツやオーストラリアで導入されているものと同じような、コンサートを対象にする政府保証の保険制度を確立することを求めた。
 
 Featured Artists CoalitionのCEOであるデヴィッド・マーティンは首相の声明は「コンサートに希望の緑の芽を提供している」と述べたが、「パンデミック前の活発的なレベルに戻るまでには、まだ道のりがある」と警告した。
 
 英国やヨーロッパでは、以前も同様の希望が掲げられていたが、すぐに風化してしまった。昨年7月には、英ロンドンでフランク・ターナーやビバリー・ナイトなどのアーティストによる社会的距離を確保した試験的な公演が開催され、コンサートが安全に復活する方法を模索していた。しかし、英国全土で感染率と死亡者数が急増し、地方や英国のロックダウンが発生したため、これらの計画は保留された。
 
 昨年秋、ドイツ、フランス、スペインを含むヨーロッパの主要なツアー市場は、新型コロナウイルス感染者の急増を受けて、ライブ・エンターテインメントの復帰計画を断念した。そのため、独デュッセルドルフで9月4日に予定されていたライブ・ネイション主催のブライアン・アダムス公演「Return to Live」は中止となった。このコンサートでは12,000人を収容する予定だった。
 
 先日【グラストンベリー・フェスティバル】が発表した2年連続のキャンセルは、2021年もコンサート業界が閉鎖されるのではないかという懸念を高めた。しかし、英国のワクチン接種プログラムが成功したことで、今年の後半にライブ産業が復活するかもしれないという控えめな楽観論が生まれた。
 
 英国ではこれまでに1,700万回以上(人口の約4分の1)のワクチン接種が行われており、政府は7月末までに18歳以上の全員にワクチン接種の提供を予定している。これは、イスラエルとアラブ首長国連邦に次いで、世界で3番目に高いワクチン接種率となっている。
 
 UKミュージック最高責任者であるジェイミー・ニョク=グッドウィンは、ジョンソン首相の発表を歓迎しながら「コンサート・イベントはこのパンデミックから立ち直ろうとしている英国が必要とする起爆剤になるかもしれない」と述べた。


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