【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン自身初のNo.1、カントリーALとして史上最多の週間ストリーミング記録

2021年1月18日 / 12:30

 米テネシー州出身のカントリー・シンガー、モーガン・ウォレンの新作『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
 
 本作は、2018年4月にリリースしたデビュー・アルバム『イフ・アイ・ノウ・ミー』から約3年ぶりとなる、自身2作目のスタジオ・アルバムで、その『イフ・アイ・ノウ・ミー』が記録した13位を大きく上回る、自己最高位更新にして初のTOP10入り、そして初の首位獲得を果たした。カントリー・アルバム・チャートでは、前作に続き2作連続の1位を獲得している。
 
 『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』の初動ユニットは265,000で、そのうち74,000がアルバム・セールス、184,000がアルバム・ストリーミング(SEA)、トラックごとのユニット数(TEA)は7,000とそれぞれ高記録を打ち出した。セールスの内訳、50,000がダウンロード数、24,000がパッケージによる売り上げで、週間ストリーミングは2億4,018万再生を記録している。
 
 カントリー・アルバムによる週間ストリーミング数としては、今週8位にランクインしているルーク・コムズの『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』が2020年11月7日付チャートで記録した、1億226万再生を2倍近く上回る歴代最高記録を更新。ストリーミングによる週間ユニット数としても、同日に『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』が記録した76,000に2倍以上差をつけ、歴代最高記録を打ち出した。
 
 両アルバムが好記録を打ち出したのは、カントリー・アルバムのストリーミング需要が年々上昇していることもあるが、最大の理由は収録曲の数にある。『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』は、昨年10月に新曲6タイトルを追加したデラックス・エディションをリリースして23曲に、そして本作『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』はタイトルの通り2枚組、全30曲が収録されていて、いずれも曲数が大量のストリーミングを獲得した要因となっている。
 
 なお、『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』より7曲多く収録されてはいるが、『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は初週集計18曲分で1億508万再生を記録しており、曲数が下回っても『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』の初動ストリーミングを超えていたということになる。

 カントリー・アルバムによる初動ユニットとしては、2018年9月19日付チャートで1位に初登場したキャリー・アンダーウッドの『クライ・プリティー』が記録した266,000ユニット以来、2年4か月以内の最高記録を打ち出した。1年以内の総合記録としては9番目に高い初動ユニット数で、R&B/ヒップホップ・アルバムを除く初週ストリーミングとしては、アリアナ・グランデの『thank u, next』が記録した3億7007万再生(2019年2月23日)、テイラー・スウィフトの『フォークロア』が記録した2億8,985万再生(2020年8月8日)に次ぐ、歴代3番目の記録となる。
 
 カントリー・アルバムが1位を獲得したのは、前述の『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』(2020年11月7日)以来約2か月ぶりだが、1位に初登場したのはケニー・チェズニーの『ヒア・アンド・ナウ』がデビューした2020年5月6日付チャート以来約8か月ぶりで、過去5年の記録をみても178作中『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』が11作目と、カントリー・アルバムが1位を獲得し難い状況が続いている。2014年12月以降ストリーミングがユニットに換算されるようになり、ヒップホップやR&Bアルバムが有利になる一方で、ストリーミングの弱いカントリーやロック・アルバムは上位にランクインし辛くなった。
 
 先週首位に返り咲いたテイラー・スウィフトの『エヴァーモア』は2位にダウンし、ポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』は3位をキープした。今週は、1位の『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』含むTOP3全ての作品がリパブリック・レコードからリリースされたアルバムで、同レーベルによるTOP3独占は過去3か月で3度目の快挙となる。なお、先週の14位から6位にTOP10復帰したザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』と、7位にダウンしたアリアナ・グランデの『ポジションズ』も同レーベルからのリリースで、今週はTOP10中5作をリパブリック・レコードが占めた。5作のランクインは、2020年2月1日付チャート以来約1年ぶりとなる。
 
 前週から35%増加の35,000ユニットまで上昇してTOP10に返り咲いた『アフター・アワーズ』だが、今週ユニット数が増加したのは、1月5日に公開された新曲「セイヴ・ユア・ティアーズ」のミュージック・ビデオと、2月7日に開催予定の【第55回スーパーボウル】におけるハーフタイム・ショーで、パフォーマーとして出演する宣伝効果を受けてのもの。ハーフタイム・ショーが予定通り開催されれば、 さらに上昇が見込める。 
 
 今週4位に初登場したのは、米フィラデルフィア出身の女性R&Bシンガー=ジャズミン・サリヴァンのEP『Heaux Tales』。初動ユニットは43,000を記録し、最高6位を記録したデビュー・アルバム『Fearless』を上回る自己最高位を更新した。その他、2ndアルバム『Love Me Back』(2010年)が17位、3rdアルバム『Reality Show』(2015年)は12位にランクインしたが、TOP10入りは本作で2作目となる。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、1月22日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
2位『エヴァーモア』テイラー・スウィフト
3位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
4位『Heaux Tales』ジャズミン・サリヴァン
5位『ザ・ボイス』リル・ダーク
6位『アフター・アワーズ』ザ・ウィークエンド
7位『ポジションズ』アリアナ・グランデ
8位『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』ルーク・コムズ
9位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
10位『グッド・ニュース』ミーガン・ジー・スタリオン


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