<ライブレポート>WANIMA、1年を締めくくるスペシャルライブを開催 「何かあったらいつでもWANIMAに頼ってください」

2020年12月19日 / 19:00

 WANIMAが、12月17日に東京ガーデンシアターにて【WANIMA Boil Down 2020】を開催した。

 過去最大25万人を動員予定だったツアー【COMINATCHA!!TOUR 2019-2020】が、新型コロナウイルスの拡散防止のために30公演中16公演中止となったWANIMA。本公演は、2月29日のサンドーム福井での公演を中止して以来、およそ10か月ぶりとなる有観客ライブであり、WANIMAとファンが1年を締めくくるスペシャルな忘年会になるようにと新たに立ち上げられたイベントだ。2020年以降も毎年12月に開催していく予定で、ファンと共に新しいライブの楽しみ方を見つけていきたいと考えられているという。そして今回、現状を鑑みたガイドラインに沿い、生配信も行うハイブリット形式で開催された。

 この日のために用意された新曲「Boil down」がオープニングSEとして流れ始め、メンバーが登場。KENTAがステージ全体を行き来して観客に手拍子を仰ぎ、「【Boil Down 2020】開催しまーす!」と大きな声で宣誓した。KENTAが時折目を閉じて、歌詞の一つひとつに想いを込めて歌い上げた1曲目の「エル」からライブがスタート。そして、「明日は晴れるかな」と願った後の「雨あがり」に繋いでいく。観客の熱をビシビシと感じ、「やばいって!」と興奮状態で始まった最初のMC。KO-SHINがプロテインを飲んでいることにKENTAが気づき、「みんなに元気を与える側やぞ、お前は」と持ち前のトーク力で笑いの渦を起こす。そして、3人のロックなアンサンブルから始まった「いつもの流れ」から、「ララバイ」、「昨日の歌」とメロディアスなナンバーで会場の熱を一気に上げていった。

 ここで、観客に演奏する曲を決めてもらうリクエストコーナーが始まった。マスク着用+持ち運び可能のアクリルパーテーションという完全防備で観客席にリクエストを聞きに行くKENTA。FUJIは会場に用意された端末で、視聴者から寄せられたリクエストコメントを見て、読み切れないスピードの投稿に驚く。最終的に決まった楽曲は「1CHANCE」だ。「あれどんなだったっけ?」と戸惑い気味のKENTA に対して、FUJIがドラムでテンポを刻み、KO-SHINがギターを弾き、そこにKENTAが思い出すようにゆっくり歌詞を乗せていった。

 「中盤戦開催します!」。会場も暖まった所で「リベンジ」や「Japanese Pride」とさらにアクセル全開で駆け抜けていく。中でも「いいから」では、観客もサビの「wow wow wow」というコーラスに合わせて手を挙げ、盛り上がりを見せていった。一転し、静寂の中に鈴の音が流れる中、始まった「SNOW」。KO-SHINの哀愁漂うギターソロが会場に響き、センチメンタルな気分を誘った。KENTAも感情をこみ上げながら歌う。続く、大切な人たちとの大事な時間を歌った「Milk」では、背後からの神々しい照明と相まって本人たちが一層輝いて見えた。最後に「当たり前で 当たり前でなくなって気づいた歌」と歌詞を加えて終わったのもエモーショナルだ。

 終盤に差し掛かり、ここで「オドルヨル」と高揚感マックスなナンバーを持ってきた。まるでジェットコースターに乗っているように緩急がすごい。最後のMCで「この会場に集まってくれてありがとう」と改めて感謝を述べるKENTA。「俺らも先、これから楽しみを作っていけるようにする」と未来のことを語り始め、ファンに対しては「なんとか負けんように、おってくれるだけでいいから」、「なんかあったらいつでもWANIMAに頼ってください」と力強い言葉を投げかける。ラストスパート、ここで驚いたのが、新たな歌詞を加えてパフォーマンスされた「Mom」。しかし、大切な人に向けて歌っていることは原曲と同じで、KENTAも思わず感情が高まって言葉が詰まる場面も。新たな歌詞を加えてもしっかりとアウトロの「飛び出したあの夜も~」まで繋がるのもまた感慨深い。そして会場が熱気に包まれる中「Hey Lady」を演奏し、本編を気持ちよく締めた。

 「アンコール始めます!」とアンコール1曲目を飾ったのは、KENTAが試行錯誤して完成させた、不安や悲しみを前向きな気持ちに変えてくれる「春を待って」。そして「【Boil Down 2020】、みんな愛してるよー!」と叫び、「HOPE」を最後に会場に響かせ、WANIMAはステージを後にした。

 セットリストから分かるように、本公演で演奏された楽曲はインディーズ時代のミニアルバム『Can Not Behaved!!』やアルバム『Are You Coming?』に収録されているものが多くを占めた。WANIMAは自粛期間中に自分たちのアイデンティティを再認識し、9月にミニアルバム『Cheddar Flavor』をリリース。今回の公演である意味、彼らの原点回帰を強く感じることができた。常に支えてくれている人たちのため、そして自分のために歌い続けているWANIMA。次はどんな旋風を巻き起こしてくれるのか楽しみだ。なお、今後の予定として、ミニアルバム『Cheddar Flavor』を引っ提げたツアー【Cheddar Flavor Tour 2021】が2021年4月28日のZepp Tokyoでのライブを皮切りに、全国11か所21公演で開催されることが、発表されている。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by 瀧本JON…行秀

◎公演情報
【WANIMA Boil Down 2020】
2020年12月17日(木)
東京・東京ガーデンシアター
<セットリスト>
SE Boil down
01 エル
02 雨あがり
03 いつもの流れ
04 ララバイ
05 昨日の歌
06 リクエスト
07 リベンジ
08 Japanese Pride
09 いいから
10 SNOW
11 Milk
12 オドルヨル
13 Mom
14 Hey Lady
アンコール
15 春を待って
16 HOPE


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