ビヨンセ、パンデミックや米社会情勢がもたらした心境の変化について語る

　2020年11月6日に発売される英版ヴォーグの2020年12月号の表紙と特集記事にビヨンセが登場することが明らかになった。

　自身のIvy Park x Adidasの最新コーディネート、ミュグレーのメッシュ・ボディスーツ、アレクサンダー・マックイーンのイブニング・ジャケットを纏った3種の印象的なカヴァーを撮影したのは、若干21歳のファイン・アート・フォトグラファー、ケネディ・カーターだ。ビヨンセ側が“有色人女性の写真家で”と指定したことから白羽の矢が立った彼女は、104年続く同誌史上最年少のカヴァー・フォトグラファーとなった。

　エドワード・エニンフル編集長が手掛けたインタビューでビヨンセは、2020年の社会情勢により自分が“決定的に変わった”と話している。「パンデミックにおける生活や、現在の社会不安を経験しながら、変わらない方が難しいでしょう。私は、じっとしている方が自分の声が澄んでいるということを学んだ。家族と過ごせるこの時間を本当に大切に思うし、ペースを落として、ストレスになるものを人生から減らすことが新たな目標になった。私は15歳で音楽業界に入って、ずっと世界から見つめられながら育ち、ノンストップでプロジェクトを発表し続けてきたから」と彼女は語っている。

　特に2016年の『レモネード』に始まり、2020年の『ブラック・イズ・キング』に至るまで連続してクリエイティブ作品を発表してきたことを振り返り、「“レモネード”を【フォーメーション・ワールド・ツアー】の最中にリリースして、双子を出産して、【コーチェラ】でパフォーマンスして、“ホームカミング”を監督して、ジェイ（・Z）とまたワールド・ツアーをして、それから“ブラック・イズ・キング”、全部立て続けにやった。大変だったし、忙しかった。自分のレガシーを築くこと、自分のカルチャーをできる限り最良の方法で代表することに集中するため多くの時間を費やしてきた。今は、自分の喜びに集中する許可を自分に与えることにした」と彼女は話している。

　また、2019年のディズニー映画『ライオン・キング』を再考している『ブラック・イズ・キング』が、息子のサー・カーターに捧げられている理由について彼女は、「最初の娘を出産したあとに、自分の中で何かがこじ開けられた感じがした。その時点から、自分が持つ力を本当に理解して、母であることが一番のインスピレーションになってきた。（娘が）本当に認識され、大事にされていると感じられる世界で生きられるようにすることが私の使命になった」と明かし、「また、南アフリカを家族と旅したことにも深くインスパイアされた。そして息子のサー・カーターを出産してからは、男児たちを向上させ褒めてあげることが大事だと感じるようになった。感情的知性や自己肯定感を促進させ、（ブラック・アメリカンとしての）豊かな歴史を学べるような映画や児童書や音楽に触れながら成長できるようにすることが大事だと。だからあの映画は彼に捧げられている」と語っている。