ヨーロッパや日本のストリーミング市場をテーマに GfK Japan【Music Business Seminar 2019】が開催

2019年7月2日 / 17:00

 GfK Japanによる【Music Business Seminar 2019】が、6月27日にビルボードカフェで開催された。

 GfKは、ドイツを本拠地とし1934年に創業したグローバル・マーケティング・リサーチ会社だ。日本法人となるGfK Japanは1979年に設立され、家電、IT製品、音楽など幅広い分野において販売実績調査や消費者調査を行っている。

 本セミナーでは、まずGfK Entertainmentの代表であるMathias Giloth氏が登壇し、ヨーロッパ全体の音楽市場、そしてドイツのデジタル化の現状についてプレゼンテーションが行われた。スウェーデンでは現在、音楽売上の約90%がストリーミングであるなど、早くからデジタル化が進んでいるヨーロッパ。ドイツはオフィシャルチャートが数量ベースではなく金額ベースであるなどの理由から、フィジカルへ力を入れる傾向が強くデジタルへの移行が遅れていたが、ストリーミングサービスの誕生により、流れが大きく変わったという。Mathias氏は、2010年代からドイツ国内で変化したレーベルの役割やアーティストの動きなどを具体例とともに紹介し、現在の市場はリスクよりチャンスの方が多く、基本的には成長ベースにあると締めくくった。

 そしてGfK Japanからはシニアアナリストの佐竹俊介氏が登壇し、デジタル家電の市場トレンドを紹介。音楽視聴に関係する家電の販売動向をみると、現在ワイヤレスイヤフォンやワイヤレススピーカーがオーディオ市場を牽引しており、これを後押しした要素としてBluetoothやWi-fiなど共通規格の存在を挙げた。今後は、こうした音楽視聴デバイスの普及がストリーミングサービス市場への追い風になるだろうと述べた。また、音楽番組の視聴データとSNS、ダウンロードとストリーミングのデータをクロス分析した結果も発表。取り上げられる音楽番組によって楽曲のストリーミング再生数の押し上げ効果には大きな差があることや、ストリーミングチャートの上位アーティストは再生数のベースラインが段階的に上がっていく傾向がみられることなど、アーティストの実績とともに発表された。

 続いて博報堂 研究開発局より木下陽介氏、谷口由貴氏が登壇。「ストリーミング時代の音楽ヒット動向」をテーマに、ストリーミングとCDのユーザーの違いについて発表が行われた。博報堂が毎年実施しているコンテンツファン消費行動調査によると、CDの利用者と比べて、ストリーミングの利用者は、今まで利用していなかった新しいコンテンツを利用することが多く、1人あたりの視聴アーティスト数も、ダウンロードやCDと比べて最も多いことが分かっている。ストリーミングは膨大な楽曲数を定額で聴けるサービスだからこそ、シチュエーションや嗜好性に応じたプレイリストが重要であり、ハッシュタグを付けて音楽を拡散するようなマーケティングが有効なのではという提案が行われた。

 その他、ゲスト講師として三菱UFJモルガンスタンレー証券の吉高まり氏による『SDGsと音楽ビジネスのコラボレーションの可能性』や、ファンダム 高橋秀幸氏とRIZeST 古澤明仁氏による『e-sportsと音楽ビジネスの未来』など、幅広いジャンルでのセッションが開催された一日となった。

◎イベント情報
GfK Japan【Music Business Seminar 2019】
2019年6月27日(木)
ビルボードカフェ&ダイニング
「グローバルの音楽市場動向」
Mathias Giloth(GfK Entertainment代表)

「日本の音楽市場」
―デジタル家電の市場トレンドとストリーミングの今後
―音楽番組視聴データ×ストリーミング再生データ×SNSのクロス分析
佐竹俊介(GfK Japanシニアアナリスト)

ーストリーミング時代の音楽ヒット動向研究
木下陽介(株式会社博報堂 研究開発局 木下グループ グループマネージャー)
谷口由貴(株式会社博報堂 研究開発局 研究員)

「SDGsと音楽ビジネスのコラボレーションの可能性」
吉高まり(三菱UFJモルガンスタンレー証券株式会社 環境戦略アドバイザリー部 チーフ環境・社会(ES)ストラジテスト)

「e-sportsと音楽ビジネスの未来」
高橋秀幸(株式会社ファンダム 代表取締役)
古澤明仁(株式会社RIZeST 代表取締役社長 兼 日本eスポーツ連合 広報・国際委員会委員長)

 


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