BiS 解散発表で“終わりのはじまり”ラストツアー突入「「この時代のBiSも伝説になった」と言われるようなBiSを残したい」

2019年4月16日 / 22:55

 3月24日~30日の6泊7日にわたって開催された【WACKオーディション2019】。その最終日、WACK所属グループが一堂に会す入場無料イベント【WACK EXiBiTiON】にて、第2期BiSの解散が発表された。

<69時間イベントの果てに「誰が欠けてもBiSじゃなくなる、9人で固まって強くて大きなグループにしていきます」>

 その衝撃の解散発表に至るまでのストーリーを振り返りたい。2019年より9人体制(キカ・フロント・フロンタール、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、ゴ・ジーラ、パン・ルナリーフィ、トリアエズ・ハナ、ムロパナコ、ミュークラブ、YUiNA EMPiRE)での活動がスタートしたBiSは、アヤ、ムロ、ハナ、YUiNAが戦力外通告を告げられており、今後の処遇は新シングル『Are you ready?』発売後に決定する……という危機的状況に置かれていた。

 そんな中で彼女たちは前代未聞の69時間イベント【BiSなりの69フェス。~Are you ready to 69H?~】を開催。3月中旬、5日間にわたって会場を転々としながら、クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」オマージュの11分24秒のシングル曲「Are you ready?」を延々と繰り返し歌い続け、ファンとの特典会も毎日毎時間実施し続け、夜は観客に見守られながらステージに布団を敷いて眠るといった、過酷な企画に挑戦し続けた。そして、グランドフィナーレでは「BiSは誰が入っても欠けてもBiSであることには変わらないと思ってやってきましたが……これから私達が作るBiSは、誰も欠けない、誰が欠けてもBiSじゃなくなる、9人で固まって強くて大きなグループにしていきます。これまでのBiSを背負って新しいBiSを私達が作っていきます!」と宣言。伝説として語り継がれている第1期BiS(通称:旧BiS)と比較され、BiSであるにも関わらず「BiSっぽい、BiSっぽくない」といった言葉を浴び続け、メンバー交代や脱退、BiS1st/BiS2ndへの振り分け等々に翻弄される中で、いつしか表情から笑顔が消えていく者たちも少なくなかった第2期BiSだが、その長い長い苦悩のトンネルからようやく抜け出せたような多幸感。それが69時間イベントの果てには確かにあった。

<解散を決断「BiSがこれからも続いてほしいから、みんなで決断したこと」>

 しかし、その直後に開催された【WACKオーディション2019】で事態は急転。このオーディションには、未来のWACKメンバーを夢見る候補生たちはもちろん、WACK所属の各グループ(BiSH、GANG PARADE、BiS、EMPiRE、WAgg)の代表/選抜メンバーも参加したのだが、BiSに限っては戦力外通告メンバー4人(アヤ、ムロ、ハナ、YUiNA)が「脱落=脱退」という厳しい条件下で戦っていくことになった。そして、結果を記してしまうと、アヤとハナは奮闘虚しく「脱落=脱退」することになった。この模様を生中継していたニコニコ生放送では当然ながらショックを隠せないコメントが相次ぎ、69時間イベントでの宣言も打ち砕かれてしまった結果にメンバーは「最後まで諦めない」と言いながらも動揺を隠せず。そして、誰もが「これからBiSはどうなってしまうのか」と不安視する中、前述の解散発表。第2期BiSのストーリーは「終わりのはじまり」へと突入することになってしまった。以下、解散発表直後のメンバー9人のコメント。

◎BiS解散発表直後インタビュー

キカ・フロント・フロンタール:ギリギリまで何とかならないかなと思っていたんですけど、でもメンバーみんなで決めた解散だから、前を向こうと思います。あと、BiS自体が無くなる訳じゃないから、それは良かったなって。その為に解散するから、その新しく出来るであろう第3期BiSにしっかりタスキを繋げられるようなモノを最後のツアーで残したいなって思います。

ペリ・ウブ:実際に解散を発表してしまうと、それは事実になってしまって……「もう本当に解散するんだなぁ」って。それが「ツラい」とか「イヤだ」とかそういう訳ではないし、それがBiSにとって、ウチらにとって、いちばん良いと分かっているからみんなでそう決めたんだし。でもずっとやってきたモノなので、やっぱり「悲しいな」とは思いますね。私の加入当初の目標として「3年は絶対頑張る」っていうのがあって、それは叶わなかったんですけど、残りの5月11日までに濃い時間を過ごして、また伝説に出来たらいいなと思っています。今でも旧BiSがずっと語り継がれているから、ウチらもそうなれたらいいなって思います。こんなちょっとの期間では出来ないかもしれないけど、ひとつひとつのライブが本当にスペシャルだったら、たぶん一生忘れられないモノになるから、それを最後まで積み重ねていきたいなって思います。

アヤ・エイトプリンス:前向きです。自分にとって、みんなにとって、解散を決断したことは良かったと思うから。あと、こうして脱退から復活もさせて頂けたので、最後のツアーは絶対に悔いのないようにやり切りたいし、ムロが合宿中に言っていた「今まで見過ごしてきた部分」というモノに対して、このまま最後まで見過ごしてしまったら、私たちのこれからの人生にも引きずってしまうと思うので、そこから逃げない。それで最終的にみんなから「この時代のBiSも伝説になった」と言われるようなBiSを残したいし、再結成後いちばん良いBiSを最後に残したいと思います。

ゴ・ジーラ:解散が決定して、おそらくもう私たちのライブを観れないお客さんもいるから、例えば「6月になったら観に行けます」と言っていた人とかにはもう見せれないから、そこは申し訳ないなという気持ちです。あと、今のBiSに対してたくさん動いてくださった渡辺さん(※WACK社長/BiSプロデューサー)や松隈さん(※BiSサウンドプロデューサー)、日本クラウン(※BiS所属レコード会社)の方々に対しても、その努力が水の泡になってしまう訳だから……申し訳ないなと思ってます。

パン・ルナリーフィ:「5月11日に解散」ということが世界に発信されたから、5月11日までに9人の史上最高なモノを形として残さなければいけない。じゃないと、BiS自体も先に進めないし、私たちひとりひとりも9人の形をしっかり残さないことには、今後何をするにしても気持ち良く進めないし、すべてが無駄になってしまう。自分たちが出来ないことを積み重ねてきてしまって解散に至ったのはもちろん悔しいんですけど、自分たちで決めたことなので、であれば最後にちゃんと今のBiSを完成させたいなと思っています。解散発表以降のすべての活動が次のBiSにも繋がっていくと思うし、今「悲しい」と思わせてしまっているファンの人たちも幸せになれるぐらい、5月11日までに格好良いBiSを創り上げたいです。

トリアエズ・ハナ:合宿では自分の至らなさをたくさん痛感しました。脱退が決まった時点でもうBiSの曲は歌えないと思っていたから、またこうして歌えること自体は嬉しいんですけど、解散が決まって、自分の不甲斐なさも感じているから、申し訳ない気持ちになっているところはあります。でも、脱退したのに「5月11日に解散するまではBiSで」って言ってもらえたので、精一杯頑張りたいなと思っています。

ムロパナコ:解散が発表されたときは、心がからっぽになる感じがしました。人間から感情が無くなった感じだったけど、そのあとの特典会でファンの人たちが最後のツアーに期待してくれていることがよく分かって、だから最高のツアーにしようと思いました。1回1回のライブに来た人たち全員にとって、一生の思い出として残るライブにしたい。69時間イベントも合宿もめちゃくちゃツラい瞬間はあったけど、でもこのツラさは私の人生において必要だったなと思うし、その経験を生かしてここからまた頑張りたいです!

ミュークラブ:……解散は悲しいけど、別に解散っていうのは悪いことじゃない。BiSを良いモノにしていかなきゃいけなくて、でもこの9人ではそれが出来なかったから……次に繋げる為にみんなで出した答えだから。けど……「悔しいな」って思います。自分の手でどうにか出来なかったことはやっぱり悔しいです。

YUiNA EMPiRE:今回の合宿で「私はすごく頼りないなぁ」と思って……でもアヤが脱落したあとの「Plastic 2 Mercy」のパフォーマンス、あれはアヤのことを想いながら臨んだんですけど、それを褒めていただいたり、あと、マラソンだけは誰にも負けたくないと思って、毎朝走っていましたね。それで最後に1位は獲れたんですけど、でも結果的にBiSは解散することになって、ファンの皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも未来のBiSの為に解散がいちばん……本当にBiSがこれからも続いてほしいから、みんなで決断したことなんです。

<第2期BiS最終章>

 こうしてBiSは4月6日より事実上最後となる全国ツアー【Are you ready to go? TOUR】がスタート。初日の沖縄OUTPUT公演では、旧BiSの横浜アリーナでの解散ライブのごとくMCなしのノンストップライブを繰り広げ、研究員(※BiSファンの呼称)たちの涙を誘った。アイドルシーンに革命を起こした第1期BiS超えを目指し、すでにオーディション開催が発表されている第3期BiSへ価値あるタスキを渡さなくてはならなくなった第2期BiSだが、5月11日に開催されるマイナビBLITZ赤坂でのラストライブまでの残り1か月、アヤが語っていたように「この時代のBiSも伝説になった」と後に語られるほどの衝撃や感動、9人の生き様を時代に刻むことが出来るのか。不遇の時代と言われながらも、のちに「あの時代が最強だった」と評価されたモーニング娘。プラチナ期のような痕跡を残せるのか。第2期BiS最終章にぜひとも注目してほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄


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